第8幕
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『ふわぁ〜』
「はっはっは、でっかい欠伸だなぁ嬢ちゃん」
「あはは…すみません…」
私の代わりにミナトがセイルさんへと謝罪の言葉を述べた。
おっと…ミナトから見えないと思って油断した。
『……?』
ん?
高い崖に挟まれた細道に差し掛かった頃、何が聞こえたとか見えたとかっていうわけではないが、ある方向から何やら嫌な感じがした。
「先生、16時の方向に複数…7〜8人です」
どうやらカカシとミナトも気付いているみたいだが、16時ではなく、どちらかというともっと前方…
その刹那、バーンだかどーんという大きな音と共に馬車の前方の壁が崩れ行き止まりとなってしまった。爆発音と転がり落ちてくる土砂に驚いた馬も、いなないた後に立ち止まる。
私が感じたのは前方からの殺気だったらしい。
「みんな、戦闘準備だ」
ミナトの声により、全員クナイやらチャクラ刀を手にして馬車を背にして囲むように構えた。その中でもカカシは馬車の上に飛び乗りミナトと共に周りを見回している。
敵の姿は未だ見えないが何やら嫌な予感がする。個人的にここは短期決戦と洒落込んでほしいところだが…。
『カカシ、ミナトさん、馬車とセイルさんは守るから攻めてきていいよ』
「言われなくてもそうするさ」
「ミノリ、オビト、リン、君たちは守りに徹するんだ。深追いはしなくていい。いいね?」
はいっ!と2人のいい返事を聞きながら私は1人こくんと頷いた。
ミナトとカカシが崖の上の森の奥へと消えると状況は動き出した。崖の上から2人のおっさんが降ってきたのだ。この装いはおそらく野盗だ。
「おいおい大丈夫かよ嬢ちゃん達っ…!」
『危ないから馬車の中に引っ込んでて!!』
セイルさんがひょこっと顔を出してきたところを上から弓矢で狙われていたため、下の野盗を一旦2人に任せ、チャクラ吸着を使って崖上まで駆け上がる。
『針時雨の術!!』
駆け上がった勢いでそのまま高く跳躍し、弓野郎に向かってクナイをぶん投げる。複数本投げるのは勿体ないので手裏剣影分身の術をパクっ…じゃなくて、オマージュして作った新術を試して見たが効果の程は…?
よしOK。練習通り上手いこと分身して、術名の通り雨のように降り注いでくれたようだ。が、あまり命中精度は高くないらしく、刺さっているのは数本ってところ。弓野郎が堪らず膝を着くと、それと同時にそいつや地面に突き刺さっていたクナイは煙と共に消えた。
弓野郎を動けないよう縛り付けた後、残った1本のクナイを回収して崖下へと飛び降りれば、リンとオビトはそれぞれおっさんと対峙していたので迷わずリンの方へと加勢した。医療忍者を最優先で守るのは常識ってもんでしょう。
敵の攻撃をかわして流し、その隙を見て足に縄を絡ませ転ばせて、そして最終的には弓野郎と同様に縛り付けて拘束することに成功した。
「うわっ!!」
ほっと一息つく暇もなく小さな悲鳴が聞こえ、振り向くと尻もちをつき目を瞑っているオビトと、それに対し刀を振り下ろそうとしている野盗が目に入った。
『っオビト!!!』
後はもう必死だった。
野盗の背後から飛び蹴りを食らわせて体勢を崩すも、それでも1人ぐらいは…と思ったのか諦めずに刀を横に薙ぎ払おうとしているものだからつい。
「ぐああっ!!!!」
倒れ込む野盗の首目掛けてクナイを振り下ろしてしまった。
響く断末魔と飛び散る血飛沫、肉を切り裂く感覚に、人を殺してしまったのだと改めて認識せざるを得なかった。
途端に胃から色々と込み上げてくる感覚。堪らずその場に膝を着いて吐き戻し、そしてそのまま意識を手放した。
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