第6幕
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「探したよ」
真っ暗な公園で1人ブランコを漕いでいると、目の前に見慣れた金髪が降り立った。
「さ、帰ろうか」
『………まだしばらくここにいます…』
こんな時間に公園に来る人はいないから静かで、1人になるには丁度良かったんだけど…。
「……ミノリ」
『大丈夫ですよ、もう迷わないんで』
だから1人にしてほしかった。
けど、ミナトはそれを許してくれないようで、黙って隣のブランコに腰掛ける。
『………』
しばらく沈黙が続く。
『…任務が終わって…その後もここに来たんです』
無言で私の横顔を見つめるミナトが怖すぎて、つい私から沈黙を破ってしまった。
全て聞き終えたミナトはブランコを離れ、そして私の目の前に跪いた。
「それは怖かったね」
『いや、怖くはなかったんですけど…』
そう。冷たい目やら罵詈雑言なんてどうだって良かった。1番辛いのは、認めてほしい人に認めてもらえないことだから。その点私は恵まれている。ミナトも班のみんなもそれなりに認めてくれているから。
ただ…
『ただ羨ましくて…』
あの時、お母さんに抱かれるすずちゃんがどうしようもなく羨ましかった。
きっと私は寂しかったんだと思う。割り切ったつもりではいたけれど、心の奥底ではずっと感じていたんだろう。
父さんも母さんも兄貴も、友達にだってもう二度と会うことはない。突然のことでお別れだってしていないのに。…むしろ今までよく普通に過ごせていたと思う。
『………あれ…?』
視界がぼやける。
会えなくなって2年も経ってると言うのに皆の顔が鮮明に思い返せて、どんどんどんどん涙が溢れて止まらなかった。
「ミノリ、何か悲しいことでもあったの?」
「おいおい、泣き止まないと父さんも泣いちゃうぞ」
「おいどうした?誰に泣かされたんだ?」
母さんは淡々とわけを聞いてくれて、父さんはどうにか私を泣き止ませようとしてくれ、そして兄貴は報復しに行こうとして母さんに何度も止められていたっけね。
なんでホームシックで泣いてんのにこんなに鮮明に思い出しちゃうんだろう。馬鹿じゃん…馬鹿……。燃料投下してどうすんのさ。
ダメだダメだ。ダムが決壊したかのように、どうにも涙が止まらない。
ぽふん
『わぷっ』
鼻ぶつけた。
顔を上げると柔らかい金色の髪が顔をくすぐる。
どうやらミナトに抱かれている。びっくりして涙は引っ込んだよね。
「落ち着いたかい?」
ずびっと鼻をすする。あやべっ、ミナトのベストに鼻水ついちゃった。
「君に合わせたい人がいる」
ミナトは目的地に着くまで抱っこして背中をとんとんとゆっくり叩いてくれた。
ひいい恥ずかしい。
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