第30幕
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『忍の嫌な予感は当たるから嫌だよなぁ…』
今回受けることとなったBランク任務、最初っから何かおかしいと感じていた。
何故Bランクの任務に私とカカシという上忍2人が派遣されるのかと。しかも、カカシは私と違って暗部だぜ?私はともかく敢えてカカシを選んだ理由をミナトに聞けば、「ちょっと嫌な予感がしてね…」なんてはぐらかされた。
さて、火の国現大名のまどか ヒャクセン様とやら直々の依頼だというこの任務の内容は、だ。
古くからの友人であるという花の国大名のからたち ケイキョク様が、ここ最近音信不通となっているため調査してきて欲しい、というものだった。
そんなわけで、調査のみであるが故にBというランクをつけられたわけなんだが、大名直々の依頼である上にミナトの嫌な予感が炸裂したため私たちが選ばれたらしい。
「んなこと言ったって仕方ないでしょーよ」
『いやまぁそうなんだけどさぁ』
カカシと共に話をしながら門をくぐる。
門番にちょっとした持ち物チェックをされたが、上手いこと引っかからずに済んだようだ。
いくら友好国とは言えども、調査のために来たので忍であることは伏せ、あくまで観光客として入国する必要があった。
木ノ葉ではやっていないが、花の国では入国する者全て、身分問わず持ち物をチェックすると予め聞いていたため、私達はクナイやら手裏剣などの類いは一切持ってきていない。
さらに言えば、見た目も忍とは程遠い格好をしようぜとなったため、私は今回のためにわざわざ普段ならば絶対着ないであろうワンピースを購入したし、カカシは風邪用のマスクに眼帯をつけ、もはやただの病人だ。
「折角だからもっと女性らしい色のにすればいいのに」
それだと御伽噺に出てくる魔女みたいだな、とカカシは皮肉る。大した飾りもないシンプルな黒いワンピースだからそう思われても仕方ないが、そんなのわざわざ言わないで良くないか?
『だって皆私に惚れちゃうじゃん?』
とは言え、任務中だと言うのに喧嘩をするわけにはいかないので適当に流した。
『……人いないね』
「あぁ、観光客どころか住民らしき人影もないな」
花の国に行くと告げれば、クシナは「花びら舞い散り人の笑顔が咲き乱れるあの花の国〜!?いいな〜私も行きたいってばねー!!」ってなんかキャッチコピーみたいなこと言ってたのに、人の笑顔どころか舞い散る花びらすらないが?
やっぱ絶対何かあるじゃーん!!もう確定じゃーん!!
『備えた方がいいね。建物の陰行こう』
人の姿が無いとは言え、往来のど真ん中で口寄せなんてするもんじゃない。建物の陰となる場所まで赴き、ショルダーバッグからハンカチを取り出す。畳んだハンカチを広げれば口寄せの術式へと早変わり〜。
メモ帳とかならいっぱい挟めるから尚良しだったのだが、オシャレなバッグは大抵物が入らないから仕方ない。財布とハンカチを入れたらもう何も入れられなくなった。
開封の術で2人分の暗器を取り出して分け、クナイのホルスターを足へと装着した。素足だからちょっと気持ち悪いが仕方ないな。
『あっ!待って!君!』
ふと視線を感じて見上げると、窓を開けてこちらを見下ろす人影と目が合った。目が合うや否や窓を閉めようとするため、チャクラ吸着で駆け上がって阻止し、そのまま窓枠に腰掛ける。
下でカカシが頭を抱えるのが目に入った。ごめんて。
『急にごめんね。ちょっとお話聞かせてほしいんだけど』
「ね……姉ちゃん、忍者なのか…!?」
『え、うん、まぁ』
びびりにびびって部屋の奥まで引っ込んだと思えば、好奇心からそろそろと再度近寄ってきた。今時忍を見たことがない人も珍しいが、そういえば花の国には忍の隠れ里がないことを思い出した。
興奮するその少年はイバラと名乗った。少年とは言ったけど私よりも少し年下くらいだろうか?
薬師の育成だとかなんとかで、4ヶ月程前からこの薬屋に居候させてもらっているのだそうだ。薬師見習いってとこかな。
そんな彼に何故こんなに町が閑散としているのかと聞いてみれば、どうやら最近大名の様子がおかしい……のだと。
前まで頻繁に町に降りて来ては人々の様子を確認していたのに、3ヶ月前ぐらいからその頻度が減り、この1ヶ月は1度も顔を見せていないのだそうだ。
………待ってこの展開知ってるぞ。
どうせ腹心に裏切られたとかそんなんだろ。完全に劇場版NARUTOの流れじゃんかこれ。
「しかも、なんか最近変なやつらがうろついててさ、何人か攫われてるって噂なんだよな。
城の兵達も仕事してんのかしてないのかわっかんないし、迂闊に外も歩けないんだ」
『うんそれは仕事してないね』
何とかしてあげることを約束し、カカシの元へと戻るべく飛び降りると、スカート履いてんだからやめなさいと怒られてしまった。
かくかくしかじかとカカシにも状況を説明し話した結果、大名の城へと潜入することとなった。
そのためにも色々と下準備が必要なので、情報収集件下見のために城へ向かうことに。
「そこの2人、止まれ。この
『あっ、すみません、立派なお城なので観光名所かと勘違いしてしまいました』
お堀の橋を渡ると、城門の両サイドに立つ門番に呼び止められた。
そう。思いのほか立派な城だったんだよ。
実際に見たことはないけど、姫路城とか二条城とかそんな感じの和風な城の規模をさらにでかくしましたみたいな城が鎮座していたのだ。
城下町もなんだか和風でいいなぁとか思っていたら、まさかの国全体が和で作られていたというわけだ。
何かのテーマパークみたいだし、時間的な余裕があったらもっとちゃんと観光したいものだ。
「今はもう入れん。…入らない方が良い。
この国からも速やかに立ち去ることを勧める」
『…もしかして、お城で何かあったんですか?』
「……大名様は変わられてしまった。この国はもうお終いだ」
「おい、やめろ!
……すまないが、観光客のあなた方に言うことではない」
カカシと顔を見合わせる。
やはり何かあったようだ。正直な話聞きたくないが、これも仕事だ仕方ない。
「俺達は木ノ葉の忍です。火の国大名のまどかヒャクセン様から依頼を受け調査に参りました」
『というわけで事情を説明してもらえます?』
門番の2人は一瞬驚いた顔をするもすぐに険しい顔へと戻り、重たい口調で話し出した。
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