第27幕
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「うぉッ!と、お前ミノリ!!それにイタチ…!…と、あれ?サスケ……?」
急に現れた私たちにオビトはクナイを構えたが、敵ではないと分かるやすぐに納めた。
『あ、待ってここでいい。下ろして』
オビトはイタチから私を受け取ると部屋のベッドまで連れていこうとしたため、適当に床に寝かせてくれと頼んだ。
シスイとか仲間が汚すのなら別にいいが、自分のこの汚い体でベッドを汚すのは嫌です。絶対に。
「ミノリ!あなたまた無茶したんだね!」
『はは…それはリンに言われたくはないかなぁ』
オビトはわたしの言った通りにちゃんとリンを連れて来てくれたようだ。洗った手を拭きながら隣りの部屋からリンが入ってきた。
シスイの方は、毒蟲とやらの毒を抜かれ、何本か折られていた肋を治してもらい、今はもう隣りの部屋で眠っているそうだ。
「…ミノリが何も言ってくれないことにももう慣れちゃったなぁ」
『………ごめん』
「いいけどさ。
──
冷たい床に横になる私の袖をまくり、露出した腕にリンはチャクラを集めた手のひらを当て、もう片方の手で何かを吸い出している。チャクラのメスで患部を切開し、毒を吸い出すと同時に外から傷を治療するという医療忍術らしい。
なんか腕がチクッとしたと思ったらなるほどね。
『………』
集中するリンの横顔を見つめる。
確かに、私も人にはすぐに言え言えって言うのに、実際自分は秘密ばっかだ。
言えないことばっかりなのに、それでも自分を信じてあれをやってほしいこれをしてほしいだなんて、虫が良すぎる。そりゃそうだ。
「はい、おしまい!」
『リンっ!あの…!』
「ミノリ、あのね」
全てを話してしまおうかなんて、そんな衝動に駆られたところを遮られる。
濡らしたタオルで私の体を拭きながら、穏やかな口調でリンは続けた。
「無理に何かを言ってくれなくてもいいけど、その代わりにちゃんと生きて帰ってきて。そしたらこうやって、何度だって治してあげるから」
『リン…』
「約束だよ?」
『…うん。…約束する…。………ありがとう』
リンに惚れたオビトの気持ちがすごくよく分かる。
最初から最後までリンの優しさを感じて、少しだけ涙が出た。
自分だけの命じゃないんだなって、心底思う。
「皆もう大丈夫そうだから、私は一旦帰るね」
リンはまだ仕事が残っているからと木ノ葉病院に帰って行った。もし何かあればすぐに呼んでと言い残して。
『ぶえっ…!ぺぺっ!にっっが…!』
リンがシスイの毒を解析して作ったという解毒薬を飲む。もうなんと言うか…人が口にするものじゃない味だ。しかも口に苦味やらえぐみやらが残る。人が口にしちゃいけないタイプの薬だわこれ。
『そういえば、サスケ本当にそれ大丈夫?全然目覚めないけど…』
「サスケには幻術をかけてます。今日のことは夢だと思うはずです」
『わお…』
イタチへの説明は、とりあえずは寝ているシスイの代わりにオビトに任せることにした。オビトにも言っていないことはあるし、詳細は明日、二人共に話すとして。
そういえば、オビトもまた、根に襲撃されてはいたが大きな怪我もなくやり過ごせたらしく、リンの治療も最小限だったそうで良かった。
「では、俺はこれで失礼します。また明日伺うので」
「あぁ、気をつけて帰れよ」
両親が心配するからとイタチとサスケは帰るそうだが、オビトは念の為残ると言ってくれたので、遠慮なくその好意に甘えることにする。
こんな里のど真ん中でまさかとは思うが、今襲撃されたら間違いなく私もシスイも応戦できない。…その前にミナトが飛んでくるとは思うが。
「おやすみミノリ。
今はゆっくり休め」
私は本当にもう疲れがピークなので寝る。これ以上は無理、電池が切れる。むしろよく今まで起きてたわ。
私の部屋の電気を消し、オビトはリビングへと引っ込んだ。
とても長い1日だった。
目を瞑って何かを思う暇もなく、私の意識は沈んで行った。