第26幕
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「任務をしばらく休みたい?また急だね」
火影邸からの帰宅前にミナトを自宅へと呼んだ。防音効果のある結界札を使い盗聴を予防して。
「それにその結界札、クシナが作ったやつだろ?何か大きな声で言えない事情があるみたいだけど」
『あー、まぁ…大きな声で言えないっちゃ言えないんだけど…』
皆に聞かれたくないというよりは、聞かれたくない奴がいる、と言うか…。
実際誰かが盗み聞きしているかは知らないけれど、時々気配を感じることがある。
常に感じているわけではないから今までそんなに気に止めていなかったけど…。今思えば、うちはへの監視がついたあの日…私がうちはへの監視を物申しに行ったあの時から、私にも秘密裏に監視の目が付けられていたのだ。
誰が、なんて聞かなくたってわかる。ミナトがそんなことをさせるわけはないし、おそらくダンゾウの独断だろう。私に気配を察知させない辺り、つけているのは根の者か。
さすが自分自身しか信用しない男だね。独断ゾウという名をつけてやろう。
「……この間、シスイが君と似たようなことを頼んできたけど、何か関係があるのかい?」
『シスイが?』
シスイ達との長期任務の際、私は報告に行かなかったから知らないけれど、あの時、シスイもミナトに通常任務から外すことを願ったのだそうだ。さらに、うちはと木ノ葉を信頼で繋ぐ役目をくれと、そう言ったのだと。
でも、この間皆で会った時、あいつはそんなこと一言も言っていなかった。私達に何も言わずに、あの子は一体何を考えている?
うちはシスイというキャラには全面的に信頼を寄せているので別に疑っているわけではないけれど、1人で何をする気なのかは気になる。ミスター自己犠牲ことうちはイタチの親友なのだから、もしかしたら彼も…。
『うちはのクーデターを止めたいんだ』
今最も優先すべきことはうちはのクーデターを阻止することだが、再発を防止するためにも今後は少しずつでもうちはへの待遇を改善して行かなければならない。
そのためには現火影であるミナトを仲間に引き込む必要があるのだ。
"今までもこれからも、ずっと君の味方だから"
火影としてではなく私の父親としてのこの言葉を、私は信じてる。
「分かった。では君にもシスイと同じように、俺からの個人的な極秘任務を出したと言うことにしておくよ」
『ありがとう、父さん…』
ミナトも頭を悩ませていた問題だとは言え、一切否定することなく受け入れてくれる辺り、ミナトもまた、私のことを信頼してくれているのだろう。そんなことを考えると、少し目頭が熱くなった。
「君達を見ていると、木ノ葉とうちはの和平も夢じゃないと思えるよ」
『私も夢で終わらせる気はないよ。
考えが違うことは当たり前のことなんだから、その分お互い腹を割って話せばいいんだよ。私達がそうだったみたいに』
分かり合うことは出来ずとも、互いの腹の底を知りたいのならば1度は話し合いをするべきだと思う。
そんな中、話し合いを避け武力に訴えようとする者は、そもそも相手を受け入れる気のない連中だ。例えばダンゾウだとかマダラだとか。
それに比べて、うちは一族はまだ人間の言語で会話が出来そうな人がいるのでまだなんとかなりそうだ。
三代目はいつだって良くも悪くも甘かった。まぁ、だから私はこうして里に住むことを許されたんだけど…。
ただ、幸いなのが火影を引退した今でも三代目は相談役としていてくれるので、和平のための歩み寄りだってミナトが独断で決める、なんてことにはならなそうだ。甘々で判断が遅い三代目だけれど、確実にあの人は私達の味方となってくれるはず。
.