第24幕
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『わあぁ……ひっっろぉ~………』
突然ですが私、一人暮らしすることになりました。
何故か。
私が16歳になり、もう自立してもいいんじゃね?って年になったから。って言うのはまぁ後付けの理由で、大元の理由を説明するためには1週間前まで遡る必要がある。
『ナルト?まーたアカデミー抜け出して遊んでたでしょ。任務の時に見たよ』
「いちいちうっせーってばよ!!ばーーか!!」
っていうね。
ずぅっっっと、ここ最近ずっと文句言ってるの。別に私にだけってわけではなく、クシナにもミナトにも等しくだけど。
理由は様々で、今みたいにただ話しかけただけでもそうだし、ご飯の時に出された野菜を食えと言われただとか、家の中で走り回ってるのを注意されただとか。まぁ九分九厘ナルトが悪いんだけど。
早い話がちょっと早めの反抗期って感じ。
こないだなんかはクシナに楯突いて怒られてたし、ほんとに何がしたいんだか…。
真っ直ぐ自分の言葉は曲げねぇ忍道はあれど、へそは曲がり放題…。それでこそナルトって感じだし、全然可愛いからいいんだけど。
ただ、クシナに楯突くのだけはやめときなよって心底思う。ただでさえ馬鹿なのにこれ以上脳細胞破壊されてみ?目も当てられなくなっちゃうよ。
さて、そんな日々が続いたある日、人のベッドで跳ねながらひたすら忍者ごっこをするナルトに注意した結果返ってきた言葉がこちら。
「ってかさーてかさー、なーんでミノリには自分の部屋があってオレにはねーんだってばよー!」
『年功序列だよ』
と言ってこの子が簡単に納得するわけもないよねぇ知ってた。
でもほら、気持ちは分かるよ?自分の部屋も自分のベッドも欲しいよね。うんうん、分かる分かる。私もかつて、1人だけ自分の部屋を持ってる兄貴にめっちゃジェラシー抱いてたもん。と言ってもあの頃は…そうだね、ナルトと同じくらいだから私が7歳で兄貴が10歳か。…んで何度も喧嘩をするものだから最終的には"子ども部屋"という風に統合されたんだよね。
まぁでも、本来であればナルトが使うことになっていたであろう部屋だからさ。
突然一人部屋が欲しくなった理由は知らないけれど、姉として弟の願いを叶えてやりたいとは思う。
つーわけで、我が家で夕食という名の緊急会議が開かれ両親への説得の結果、私が自立して一人暮らしをすることとなった。
いやね、全員で引っ越すって手もあるにはあったんだけどさ、私も16歳を迎えたことだし、丁度いいから自立しようかなって思ったが故よ。
主にクシナに大反対されたけどミナトが後押ししてくれたおかげでそこまで揉めなくて済んだ。
家はわりとすんなり決まった。
と言うのも、7年前の九尾襲来の時に大分色々と壊されたってことで、再建と同時に結構新しい建物を建てたらしい。そんで結構新しめの広い部屋がこうもスムーズに決められたのだ。
そんで冒頭に戻るわけ。
『ひっっろぉ~……』
このアパートはミナト達の家から一般人がドアtoドアをした場合に、徒歩5分くらいかかる距離にある。全然皆とはすぐに会える距離なのだが、やはり誰もいない部屋はとてつもなく広く感じる。…まぁでも、きっとこの感覚にもすぐに慣れるだろう。
もっと近いとこもあったけど、そんなわけで間取りと設備で決めた。
幸い、上忍に任命されて8年、こつこつしなくても余裕でどかどか報酬が入ってきたので、預金は既に16歳という年齢に見合わない額となった。ので、別に今後も稼げるだろうしと家賃は気にせず、とりあえず住みたい!と思った自分のフィーリングを信じてみることにする。
自分1人が暮らすならば一部屋あればいいけど、うちはたぶんナルトが泊まりに来たりとか、そういうこともありえるだろうからと、2LDKを借りてみました。
自分の荷物は衣類と新術をメモしたノート類とか本ぐらいしかないし、家具も全てフィーリングで購入し搬入してもらったので、ほぼ一日で引越し作業は終わってしまった。
「今度は自分の家かよ。いいなーねーちゃんは」
『いつでも泊まりに来れるようにと思って2部屋あるとこにしたんだから遊びにおいでよ。母さん達と喧嘩した時にでもさ』
「……どうしてもってんなら来てやってもいーけどさ…」
内心ではじゃあ来んなよって思ったけど、私ももういい大人だからさ、ナルトの髪をぐっしゃぐっしゃと掻き乱すだけに留めておいた。
ナルトが今後使うことになるであろう部屋は6畳なため、8畳の私の部屋を見た瞬間に「オレこっちがいいってばよ~!!」とか言われたけど、それは断じて許さん。毎日使うわけでもないのだし、布団ぐらいしか置かないのだから。
「引越し蕎麦?なんで蕎麦?」
『あ、えっと…"お傍に末永く、細く長いお付き合いを"ということで…』
「はっは!なるほどねぇ!若いのに大した気遣いだ!ありがとうねぇ!」
近所で美味しいと評判の蕎麦屋で蕎麦を買い隣人達に配った。
まさかのこのNARUTO界では引越し蕎麦という概念はなかったようで目を丸くされてしまった。私も実際にやったことがあったわけじゃなかったけど、テレビとかでよく聞いていたから当たり前だと思ってたのに。まさかの通じないだなんて…。何が悲しくて親父ギャグの説明をしなきゃいけないんだ。
まぁお隣さんは2人ともいい人そうだったし、そこはラッキーだったけど。
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