第22幕
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『今度は木ノ葉に遊びにおいでね』
「う"う"ぅ"…!我愛羅ぁ…!また一緒に遊ぼうな…!ずびっ」
「う"ん"…!う"ん"っ…!」
ナルトも我愛羅も涙と鼻水で顔がとんでもないことになっている。
クシナはつられて泣いているが、私は2人の顔が気になって内心で大爆笑だ。ごめんね2人とも。
『、………ふっ…。
これ、あげる。大事に持ってて、また会う時まで』
別れ際、名残惜しそうに私の服の裾を掴む我愛羅に私の飛雷神のクナイを渡した。本当はミナト班のみんなや家族にあげたような御守りを渡したかったのだが、生憎手持ちがないので。
クナイを大事そうに抱え、意志のこもった強い瞳で頷く我愛羅に背を向け砂隠れの里を出発する。
私のクナイをあげた意味は特にはなかった。砂のガードがあるからそう易々とは死なないだろうし、私の助けが必要となる時は現段階ではないと思う。ただ、夜叉丸が死んだその後、縋れる人がいなくなるから、その代わりに何かしら縋れる物を持ってて貰おうかなって思っただけだった。
「我愛羅、また会えっかなぁ…」
『会えなかったらお前が会いに行けばいいんじゃん』
行きは仕方なかったが帰りは飛雷神の術で里までひとっ飛びだ。ただ、私では一緒に飛ぶのは1人が限界なので計4往復する必要があるのだが…。
ちなみにカカシ達暗部は数に入ってません。
砂隠れの忍に見られないよう里からやや離れた場所で、ナルト、クシナ、続けてリンとオビトを木ノ葉まで送った。
ミナトにはめっっっちゃめちゃ口を酸っぱくして言われていたからね。「あんまり目立ち過ぎるんじゃないよ」と。だから刺客が襲ってきた時も手裏剣術と最低限の術しか…あぁいや氷遁と飛雷神も使ったな…。最低限とは。てへ。
まあほら、氷遁はちゃんと見えないように工夫したし術もちゃんと解いてきたから問題ないよね。
目撃者である刺客2人に関しても、カカシが風影に凸りに行ったら知らないの一点張りだったようで、彼らの処遇はこちらに全て委ねられることとなったらしい。まぁ知らないって言うしかないよね。別にナルトを狙ったわけじゃないんだから。いやあれはお宅の子息ではなく我愛羅を狙わせたんですゥ!!なんて言う訳にはいかないだろうし。
完璧捨てられた刺客の皆さんも哀れだが。
「おかえりミノリ。
ゆっくり休んでねと言いたいところだけど、報告書だけしっかり頼むよ」
『ふっふ、甘いっすね。報告書なんて昨日の夜にさくっと書いちゃいましたよ』
「おお、やるね」
大体、毎日伝書鳩を飛ばしているのになんでまた書かねばならんのか。やれやれ。書かなきゃ報酬は貰えないので否が応でもやるけど。
その夜、我愛羅とのことはクシナには話していたが、ミナトにもまた改めて話しておいた。クシナもそうだけど、刺客に襲われたってのに純粋にナルトに友達ができたことを喜んでくれているところを見ると、本当に良い親だなぁと思う。
もちろん多少の心配もしてくれているのだけど、私もカカシ達もいるしでそんな深刻には考えていなさそうだった。それに、そもそも狙われていたのは我愛羅であって、私とナルトはとばっちり食らっただけだし、どちらかと言うと我愛羅のことを心配していた。
自国の忍から命を狙われるだなんて、一体何者なんだろうね、その子。とか言っているが、風影のご子息ですーはいー。ミナトはともかく、クシナは会ったやん。どう見てもそっくりやん。
私達が帰還したその5日後にカカシ達暗部は帰ってきた。大砂嵐が発生したとかで砂漠のど真ん中で足を止められ、帰ってきた時もひどく疲弊しているように見えた。ウケrじゃなかった、可哀想に。
『あぁ…まぁそうだろうね』
尋問部隊による尋問の結果、やはり彼らは我愛羅を狙っていたとのことで、一緒にいたナルトが火影の子息だということは知らなかったそうだ。つまり、ただ本当にとばっちりを食らっただけということ。
そして、それが父親である風影による指示であることも、彼らは黙ったそうだが、若かりし森乃イビキによる言葉では言い表せないような尋問によってゲロったのだそうだ。可哀想に…。木ノ葉の忍に捕まったのが運の尽きだ。あとイビキ、そんな若い時から物理的にブイブイ言わせてたのね…こっわ。
親が子の命を狙う理由はさすがに風影も下っ端には教えていなかったようで、詳しい情報は得られなかったらしくミナトも渋い顔をしていた。そりゃそうだ。ナルトを溺愛しているミナトからしたら親が自分の息子─それもまだ5歳の子の命を狙う理由なんて見当も付かないだろう。
そもそも、我愛羅が愛されていなかっただとか、まったくとんでもない嘘をついたものだ。あんな小さい子どもだから信じちゃったんだろうけど。
まずは自分が自分を愛してほしい。子を愛する親なら真っ先に願うことじゃないか。愛していなければそんな願いのこもった、そして自分の名前の一部をとった名前なんてつけないだろうに。
憶測でしかないから本人には言えないけれど。
とにかく、どうにかスレずに育ってほしいものだ。
そしていつの日か、また会った時にはナルトと遊んであげてほしい。
……ただただあの子の幸せを願うばかりだ。
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