あなたがこの世界で生きているから
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みんなの奮闘があり厄災は封印された。
誰か一人の力ではない。
今を生きてるみんなや、100年後からやってきたみんな、どちらが欠けていてもきっと成し遂げることはできなかっただろう。
実際にガノンを目の前にしてそう感じた。
だからこそ、この時代に呼ばれてリーバル様を、そしてその他多くの命を救うことができて良かったと思う。
たとえ、彼が私と時間を共にしてきたリーバル様と同一人物ではなかったとしても。
なんとなく、これで本当に終わりなのだとわかった。
本当はもっと話がしたかったし一緒にいたかったけれど、これで終わりだなんて、まるで、それこそ夢のような時間だったな。
「さて、お二人さんは積もる話もあるんだろう?とっとと行ってきな」
『あ、でも…いえ…』
ウルボザ様にはとてもお世話になった。
100年前のハイラルに滞在していたこの短い期間の間に何度相談に乗ってもらったことか。
リーバル様以外の英傑様とは100年前は一度もお話したことがなかったけれど、まさかここにきて関わる機会を得られるとは思わなかったな。
「なんだよ。言いたいことがあるなら聞いてやるから来なよ」
ウルボザ様の言葉に言い淀む私に、リーバル様はやれやれとでも言うように腕を組んだ。
ああ、いつものリーバル様だなぁ。
『いえ、これ以上話すと離れ難くなっちゃうので』
私の返答に今度はリーバル様が言い淀む。
最初は、夢ではないと分かって困惑したし、生きていた時の私が知ってる彼を思い出しては胸が締め付けられる思いだったけれど、今はもう大丈夫。
『もう、いいんです。本当に。
だって』
私達の体を光が包む。
これで本当にお別れだね。
『あなたがこの世界で生きているから』
あまりの眩しさに瞑ってしまった目を次に開いた時、リーバル様はもういなくなっていた。
100年前に崩壊したハイラル城。現代で立ち入るのは初めてだ。
以前は慣れ故に感じなくなっていた寂しさがまたじわじわと溢れだしてくる。
消える最後の瞬間は彼と目が合って良かった。
「その…大丈夫か?」
テバさんの問いかけに頷きで返した。
空を仰げば一面の星空が広がっている。
リーバル様も見上げているだろうか。そうだとしたら、一体何を思い浮かべているのかな。
ずっと愛しています。
伝えたかった言葉は飲み込んだ。
次会う時はきっと空の上。その時まで胸の内にしまっておこう。
一抹の寂しさはこの先一生あるかもしれない。けれど、あなたがどこかで幸せに生きているのなら。
私はそれでいい。
あなたがこの世界で生きているから