あなたは私の神様だった
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目覚めると、隣には涙を流した族長様がいた。
私の後を追って近くまで来ていたらしい。メドーに近付けずに様子を見ていたら、狙撃された私が落ちていくのを発見して助けてくれたのだそうだ。
それはもうこっぴどく怒られた。
怒られたと同時にとても心配された。
私が目覚めたことに気付いた族長様は、私の傷なんて構うことなくぎゅっと抱き締めてきた。
「お前まで……お前まで失うところだったじゃろうが馬鹿者が……!」
お前 "まで" …か……。
私を抱きながら細かく肩を震わせる族長様に、私は何も聞くことができなかった。
あの日から、リーバル様の死を認識してしまったあの日から。何も食べる気が起きない。何をする気も起きない。何も考えたくない。何もしたくない。何も。何も……。
脇腹の傷はもう痛くない。それなのに、涙が乾くことはなかった。
「…気分転換にでも行ってきたらどうじゃ?」
あれからずっと泣いてばかりの私を見かねて、族長様も村の皆も様子を見に来たり声をかけたりしてくれる。
心配してくれる族長様への申し訳なさから村の周囲を散歩しに行こうとするも、村を出ない内に足が止まってしまった。
どこに行ってもリーバル様の面影を見てしまうからだ。
いつの間にか私の中でこんなに大切な存在になっていたなんて。
失ったものの重みを自覚し、喪失感に押しつぶされそうだ。
『………え……?』
リーバル様との思い出が無い場所を探すために風を起こそうとするが何の反応もない。
何度試しても、それは変わらなかった。
あぁ、私は大切な人と共に沢山の思い出を孕んだこの翼さえも失ってしまったんだ。
私には…何も残ってないんだ…。
全身から力が抜けるのを感じ、私はその場に倒れ込んでしまった。
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