君のことなどもう忘れたよ
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「何言ってんの」
「僕はずっと愛してるよ」
そう言って私を抱きしめた紺色の彼は、光の粒子となり、やがて夕日に溶けるように消えた。
『…ずるいよっ……ばかぁ…!』
その後は、声を不審がって様子を見に来た村の人に声をかけられるまで、ただひたすらにメドーの上で泣き続けていた。
私の幸せを祈ってくれたリーバル様だから、きっとこんなことは望んでいないだろうけれど。
でも、どうか今日だけは…。
「ほぅ。またやってるのか、シナト」
『こんにちはテバさん』
「まだ小さいのに感心だな」
『大好きな人が遺したものだから…ずっと、忘れられないように綺麗にしたいんです』
「そうか…。なら、終わったらうちに顔出せ。晩飯までには終わるだろう?」
『はい。ありがとうございます』
プルアさんには事情を話してお手伝いをやめさせてもらい、今はこのリトの村に住まわせてもらっている。
そして毎日、苔むしてしまわぬよう、1人の英傑が忘れられてなどしまわぬよう…リーバル様が大切にしていたこの神獣ヴァ·メドーを綺麗にし、花を供えていた。
リーバル様、怒るかな。
「幸せに生きなよって言っただろ!」
って、絶対言われちゃう気がする。
これが私の幸せなんですよ、リーバル様。
メドーの頭の上は、あなたに1番近い場所だから。
またいつか、会える日を楽しみにしています。
君のことなどもう忘れたよ