君のことなどもう忘れたよ
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『……というわけなんです…』
なるほどね。
僕が死んだショックで記憶を無くしたあとにプルアに拾われ、何かの実験に巻き込まれて体が小さくなったと、そういうことらしい。
またあいつは変な実験をやっているのか…。
「そうだ。今後のことなんだけど」
日が暮れるまで色んな話をした。と言っても、僕が話せることなんてほとんどないようなものだから聞き手に徹していたけどね。
でもそろそろ、逝こうかな。
『あ、はい!また来てもいいですか?』
「いや、もうこれで終わりだよ」
またシナトが呆けたように顔をする。
『えっ………なんで、ですか……?』
「おいおい、まだ僕のことを眠らせないつもりかい?」
『だ、だって…まだ再会したばかりなのに…』
大きなブルーの瞳からまたもや涙が溢れ出した。
全く、どれだけ泣けば気が済むんだか。
「僕のことは忘れて、君は幸せに生きなよ」
『い、嫌だ!』
「……まだ生きてるんだからさ」
シナトは声をあげながら首を横に振った。
「……そろそろか」
なんとなく自分でも分かるんだ。
彼女に会えたことで未練も無くなり、心が軽くなったことを。
もう、別れる時間だってことを。
『リーバ、ル様…!』
嗚咽混じりの声に呼び止められ、声の方へと視線を向ける。
しゃくりあげながらゆっくりと顔を上げたシナトは、涙を浮かべてはいたものの、今までにないくらい酷く美しい笑みを浮かべていた。
『これだけは言わせてください…』
『ずっと………
…ずっと、大好きです』
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