Chapter5
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2038年11月6日:PM3:02
「なんだってお前はそんなに運転に積極的なんだ」
運転している最中、助手席からそんな疑問が飛んできた。
警部補と警察署からの移動の際には、確かに私が運転していることが多い。もちろん、警部補が運転席に座ることも0ではないが、やはり圧倒的に私の方が運転している。
『署からの移動時は邪魔になるから車両をまとめろってファウラー警部が言ってたじゃないですか』
「なら俺の車でもいいだろ」
『ああ、……運転席が落ち着くんですよ。あと警部補の車はBGMがちょっと…』
警部補は「そうかい」と小さく返事して以降は何も聞いてこなかった。
そうこうする内にチキンフィードへと到着し、警部補は雨の中やはり傘をささずに車を降りていった。せっかく傘があるのに…。
「ミコは昼食を召し上がらないのですか?」
『今はちょっと食欲がないのよね』
「やや顔色が悪いですね。暖房を強めてはいかがです?」
『…ええ、そうね。そうする』
バックミラーに映ったコナーと目が合い苦笑した。確実に寒さのせいではないけれど、敢えて説明することでもない。
「私は警部補のところへ」
『ええ、行ってらっしゃい。頑張ってね』
バーガーを購入している警部補と、ミラーに映る私とを交互に見比べた後、コナーは車を降りて警部補の元へと向かった。
何をしに行ったのかは知らないけれど、昨日の発言を謝罪しに行きなさいという圧力をかける意味で頑張れと声をかける。
『はぁ……』
昼食を取るわけでもないのに特に意味もなく運転手を買って出たが、こうして今少し心細いような気分になっている辺り、きっと1人でいるのを避けたかったのだろうな。
車の事故現場の検証なんて、この春入職してから何度もやっている。今までこんなことなかったのに、何故今更になって。
時々フラッシュバックすることはあった。でもそれは席を変えることで回避ができていたのに。
状況が全然違うのに過去を回想してしまっているだなんて、もしかして酷くなっているのではないか。
「ぃ─おい
──ミコ!」
『ッ!』
突然肩を揺すられはっと顔を上げると、心配そうに眉を寄せた警部補と目が合った。気付かぬうちにハンドルに頭を預けていたようで、少し額に違和感が残っている。
「お前ほんとに大丈夫か?」
『ああ…ごめんなさい警部補。少しぼーっとしていて』
「おいおい頼むぞ。事故死はごめんだ」
そう言うと、警部補は後部座席に座ったコナーと顔を見合わせ薄く口角を上げた。
どうやら仲直りに成功したようで良かった。
.
「なんだってお前はそんなに運転に積極的なんだ」
運転している最中、助手席からそんな疑問が飛んできた。
警部補と警察署からの移動の際には、確かに私が運転していることが多い。もちろん、警部補が運転席に座ることも0ではないが、やはり圧倒的に私の方が運転している。
『署からの移動時は邪魔になるから車両をまとめろってファウラー警部が言ってたじゃないですか』
「なら俺の車でもいいだろ」
『ああ、……運転席が落ち着くんですよ。あと警部補の車はBGMがちょっと…』
警部補は「そうかい」と小さく返事して以降は何も聞いてこなかった。
そうこうする内にチキンフィードへと到着し、警部補は雨の中やはり傘をささずに車を降りていった。せっかく傘があるのに…。
「ミコは昼食を召し上がらないのですか?」
『今はちょっと食欲がないのよね』
「やや顔色が悪いですね。暖房を強めてはいかがです?」
『…ええ、そうね。そうする』
バックミラーに映ったコナーと目が合い苦笑した。確実に寒さのせいではないけれど、敢えて説明することでもない。
「私は警部補のところへ」
『ええ、行ってらっしゃい。頑張ってね』
バーガーを購入している警部補と、ミラーに映る私とを交互に見比べた後、コナーは車を降りて警部補の元へと向かった。
何をしに行ったのかは知らないけれど、昨日の発言を謝罪しに行きなさいという圧力をかける意味で頑張れと声をかける。
『はぁ……』
昼食を取るわけでもないのに特に意味もなく運転手を買って出たが、こうして今少し心細いような気分になっている辺り、きっと1人でいるのを避けたかったのだろうな。
車の事故現場の検証なんて、この春入職してから何度もやっている。今までこんなことなかったのに、何故今更になって。
時々フラッシュバックすることはあった。でもそれは席を変えることで回避ができていたのに。
状況が全然違うのに過去を回想してしまっているだなんて、もしかして酷くなっているのではないか。
「ぃ─おい
──ミコ!」
『ッ!』
突然肩を揺すられはっと顔を上げると、心配そうに眉を寄せた警部補と目が合った。気付かぬうちにハンドルに頭を預けていたようで、少し額に違和感が残っている。
「お前ほんとに大丈夫か?」
『ああ…ごめんなさい警部補。少しぼーっとしていて』
「おいおい頼むぞ。事故死はごめんだ」
そう言うと、警部補は後部座席に座ったコナーと顔を見合わせ薄く口角を上げた。
どうやら仲直りに成功したようで良かった。
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