Chapter4
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2038年11月6日:AM9:58
『あら、おはようコナー』
「おはようございます、クロフォード巡査」
休憩室でコーヒーを汲み自席に戻ろうとした丁度その時、出勤してきたコナーと出会い一緒にデスクへと戻った。
時計を見ると、そろそろ10時になろうかという時間だ。警部補の出勤時間に慣れたからか、これが普通なのに早く感じる。
『ふふっ、ミコでいいわよ。私達、もうチームなんだから』
「ええ、わかりました。改めてよろしくお願いします、ミコ」
相変わらずアンダーソン警部補はまだ出勤して来ない。いつものこと。もう慣れたわ。
コナーは…おそらく情報収集でもしているのだろう、警部補のデスク周りを観察している。そして私に質問を繰り返してくるため、一応個人情報だから本人に直接聞くようにと伝えた。
まぁ…個人情報だと言ったのはあくまで建前で、本当はもう少し警部補とコナーの距離を縮めようだなんて思惑があったりもするのだけど…。
「ミコ、アンドロイド関連の事件よ。暴力に誘拐だって」
事件の参考人であろう人物を連れてきた先輩は、あとはよろしく、と言って自分の席へと戻って行った。
コナーを警部補の席へと移動させ、コナーが座っていた席を参考人へと譲った。トッド・ウィリアムズと名乗った彼は遠慮がちに席へとつき、憎らしそうな顔でコナーを見つめている。
『ウィリアムズさん、誘拐とのことですが…あなたのお子さんですか?』
「ええ、娘を。一人娘なんですよ」
『なるほど。お名前を伺っても?』
「アリスです。10歳くらいの…大人しい子で」
質問を繰り返し情報を纏めていく。
どうやら、修理から戻った家事アシスタント型のアンドロイドが突如暴力的になり子どもを誘拐していったとのことだ。以前からそのような兆候は見られていたらしいが。
特に何かを要求されているわけではないとのことだが……それならば何故子どもを連れて逃げたのだろう。足でまといにしかならないというのに。
件のアンドロイドの型はAX400型だそうだ。6年前に発売された型だが、多彩な機能とその見た目から今でも人気が落ちないのだと、検索したページに書いてあった。
ウィリアムズさんを帰した後、纏めた情報を印刷し、調べて得た情報や気になる点をひたすら書き込んでいった。
昔から勉強する時やレポートを纏める時などはいつもこんな風に行っていたものだ。デジタルも苦手ではないけれど、どちらかと言えばアナログの方が自分に合っていると思っているから、存外アンダーソン警部補との相性も悪くはないのだと思う。
『コナー、アンドロイドは何故変異するの?』
「機体のソフトウェアに何らかの変異が発現し、それに誘引されることで人間の感情を模倣し始めるんです。それが彼ら変異体です」
『模倣?』
「ええ。実際には感情ではありません。
非合理的な指示に制圧されたことで予期せぬ行動を引き起こしているだけなんですよ」
『それは……つまりジレンマに苛まれてってことよね』
「そうとも言います」
という事は、その件のアンドロイドにも何らかのジレンマがあって変異したということか。
詳しくは聞かなかったけれど、事情を聞いていて少し疑問に思ったことがある。
娘の年齢を聞いた時に、彼は「10歳くらいの」と言っていた。まぁ、世の中には自分の娘の年齢を把握していない親もいなくはないだろうけれど、少しだけ気になった。それに、誘拐されたのは昨晩だったというのに通報が今であるということ。普通、自分の娘が誘拐されたらすぐに通報するはずでは?
「おい嘘だろ、やっぱ夢じゃなかったのか…」
『あら…。おはようございます、アンダーソン警部補』
珍しくこんな時間に出勤してきた警部補に内心驚きつつも、作業の手を止め笑顔で挨拶を交わした。
先程印刷した資料のコピーを警部補へと渡し、事件の概要を説明する。
嫌な顔をしている割に、警部補は真面目に話を聞いてくれている。正直、昨日あれだけ嫌がっていたから今日は出勤して来ないんじゃないかと思っていたけれど、良い意味で予想が外れてくれて良かった。
「警部補、男に暴力を振るったアンドロイドの目撃情報がありました。場所はレイブンデールのようです」
「丁度良かった!現場は近くのようですし、今から行きませんか」
「ああ…ったくなんでこんなことに…」
タイミングよく現れたクリスによって警部補の外堀は完璧に埋められた。
嫌々ながらも着いてきてくれた警部補とコナーと共に、目撃情報のあった場所へと愛車を走らせた。
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『あら、おはようコナー』
「おはようございます、クロフォード巡査」
休憩室でコーヒーを汲み自席に戻ろうとした丁度その時、出勤してきたコナーと出会い一緒にデスクへと戻った。
時計を見ると、そろそろ10時になろうかという時間だ。警部補の出勤時間に慣れたからか、これが普通なのに早く感じる。
『ふふっ、ミコでいいわよ。私達、もうチームなんだから』
「ええ、わかりました。改めてよろしくお願いします、ミコ」
相変わらずアンダーソン警部補はまだ出勤して来ない。いつものこと。もう慣れたわ。
コナーは…おそらく情報収集でもしているのだろう、警部補のデスク周りを観察している。そして私に質問を繰り返してくるため、一応個人情報だから本人に直接聞くようにと伝えた。
まぁ…個人情報だと言ったのはあくまで建前で、本当はもう少し警部補とコナーの距離を縮めようだなんて思惑があったりもするのだけど…。
「ミコ、アンドロイド関連の事件よ。暴力に誘拐だって」
事件の参考人であろう人物を連れてきた先輩は、あとはよろしく、と言って自分の席へと戻って行った。
コナーを警部補の席へと移動させ、コナーが座っていた席を参考人へと譲った。トッド・ウィリアムズと名乗った彼は遠慮がちに席へとつき、憎らしそうな顔でコナーを見つめている。
『ウィリアムズさん、誘拐とのことですが…あなたのお子さんですか?』
「ええ、娘を。一人娘なんですよ」
『なるほど。お名前を伺っても?』
「アリスです。10歳くらいの…大人しい子で」
質問を繰り返し情報を纏めていく。
どうやら、修理から戻った家事アシスタント型のアンドロイドが突如暴力的になり子どもを誘拐していったとのことだ。以前からそのような兆候は見られていたらしいが。
特に何かを要求されているわけではないとのことだが……それならば何故子どもを連れて逃げたのだろう。足でまといにしかならないというのに。
件のアンドロイドの型はAX400型だそうだ。6年前に発売された型だが、多彩な機能とその見た目から今でも人気が落ちないのだと、検索したページに書いてあった。
ウィリアムズさんを帰した後、纏めた情報を印刷し、調べて得た情報や気になる点をひたすら書き込んでいった。
昔から勉強する時やレポートを纏める時などはいつもこんな風に行っていたものだ。デジタルも苦手ではないけれど、どちらかと言えばアナログの方が自分に合っていると思っているから、存外アンダーソン警部補との相性も悪くはないのだと思う。
『コナー、アンドロイドは何故変異するの?』
「機体のソフトウェアに何らかの変異が発現し、それに誘引されることで人間の感情を模倣し始めるんです。それが彼ら変異体です」
『模倣?』
「ええ。実際には感情ではありません。
非合理的な指示に制圧されたことで予期せぬ行動を引き起こしているだけなんですよ」
『それは……つまりジレンマに苛まれてってことよね』
「そうとも言います」
という事は、その件のアンドロイドにも何らかのジレンマがあって変異したということか。
詳しくは聞かなかったけれど、事情を聞いていて少し疑問に思ったことがある。
娘の年齢を聞いた時に、彼は「10歳くらいの」と言っていた。まぁ、世の中には自分の娘の年齢を把握していない親もいなくはないだろうけれど、少しだけ気になった。それに、誘拐されたのは昨晩だったというのに通報が今であるということ。普通、自分の娘が誘拐されたらすぐに通報するはずでは?
「おい嘘だろ、やっぱ夢じゃなかったのか…」
『あら…。おはようございます、アンダーソン警部補』
珍しくこんな時間に出勤してきた警部補に内心驚きつつも、作業の手を止め笑顔で挨拶を交わした。
先程印刷した資料のコピーを警部補へと渡し、事件の概要を説明する。
嫌な顔をしている割に、警部補は真面目に話を聞いてくれている。正直、昨日あれだけ嫌がっていたから今日は出勤して来ないんじゃないかと思っていたけれど、良い意味で予想が外れてくれて良かった。
「警部補、男に暴力を振るったアンドロイドの目撃情報がありました。場所はレイブンデールのようです」
「丁度良かった!現場は近くのようですし、今から行きませんか」
「ああ…ったくなんでこんなことに…」
タイミングよく現れたクリスによって警部補の外堀は完璧に埋められた。
嫌々ながらも着いてきてくれた警部補とコナーと共に、目撃情報のあった場所へと愛車を走らせた。
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