緑谷視点


てんちゃん、かわいいなぁ。ずっとキョロキョロしてる…


なんか、この子は同い年だけど幼さというか、守ってあげなくなる衝動に襲われるなぁ。


でも、この子もあの倍率を抜けて今ここにいるんだよね。

どんな個性なんだろ、気になる…
でも初対面で聞いていいものなのかやっぱり個人情報ではあるしこうもいきなり聞いたらひかれ…


『いずくくん、教室着いたよ。見て！ドア、すごく大きい』


「わぁ、ほんとだ。ドアでか…バリアフリーか」


っていずくくん！？じょ、女子に下の名前で呼ばれたことなんてないや…！


いや、自分のことも下の名前で呼んでって言うくらいだし、ファーストネームで呼ぶのがてんちゃん流なのか？

なんだか、さっきのてんちゃんが哀しそうに見えて、つい名前で呼んじゃったけど！！

僕よく考えたら女の子の名前呼ぶの初めてなんじゃ…！！


『いずくくん？』


緑谷「はっ！」


考え事に集中しすぎた…

そうだ、今、僕は雄英に来てるんだ。


「あの受験者数から選ばれた人達…」


怖い人たち…違うクラスだとありがた…


『ねぇ、いずくくん。あの受験者数ってどれくら…』


てんちゃんの言葉を遮って、教室から誰かの声が響く。


？「机に足をかけるな！雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないか！」

？「思わねーよ、てめーどこ中だよ端役が！」


2トップー！！！


『！！』


あわわ、てんちゃんビックリしてるよ、かっちゃん！！


緑「あ、一応、あの机に足かけて怒られてるのが僕の幼なじみの爆豪勝己くんだよ、ははは」

『…………』


無反応！！

ちょっとはフォローを…


緑「でも、かっちゃんは優しいところも…」

？「ハッ」


メガネの人がこっちに気づく。


ハッ！目が合っちゃったああ…


？「俺は私立聡明中学の…」


緑「聞いてたよ！あ…っと、僕 緑谷。よろしく飯田くん…あ、そしてこちらが」

『てんです。』


飯田「2人ともよろしく！緑谷くん…君はあの実技試験の構造に気づいていたのだな。俺は気づけなかった…！！君を見誤っていたよ！！悔しいが君の方が上手だったようだ！」


気づいてなかったよ！？


それより、てんちゃんが飯田くんの勢いにおされて縮こまっちゃってるよ…


爆豪「デク…」

『…？でく？』


？「あ！そのモサモサ頭は！！」


ﾋﾞｸ！！


？「地味めの！！」


良い人だーー！！
制服姿やっべええ！！



？「今日って式とガイダンスだけかな？先生って…」


近い！！！

もう色々よく分からなくなってきたけど、この受験の時の良い人距離感が…


？「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは、ヒーロー科だぞ」


な、なんかいるうううう！！

気づかなかった…


？「はい、静かになるまで8秒かかりました。君たちは合理性に欠くね」


先生！！？

ってことはこの人もプロヒーローか。

でも、見たことないぞ…こんなくたびれた人…


？「担任の相澤消太だ。よろしく」


担任！！？


相澤「早速だが…」