私のヒーローアカデミア
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
演習試験当日。
爆豪「ブッ倒した方が良いに決まってんだろが!」
緑谷「せっ戦闘は何があっても避けるべきだって!」
『2人とも落ちついて…そんな偏った考え方だと絶対後で後悔するよ…!』
はぁ…
なんでこんなことに………
___遡ること数十分前
相澤「それじゃあ演習試験を始めていく」
耳郎「先生多いな…?」
響香ちゃんの言った通り先生が沢山来ていた。
なんと、その中には校長先生もいて、その校長先生の口から衝撃の一言を発せられた。
”諸事情”により、例年の対ロボット戦から内容が変更した。
まとめると、より実践に近い教育方針をとる…ということらしい。
そして、”実践的”という言葉通り、プロによくあるチームアップで試験を受けることとなった。
それも、対…先生だ。
組み合わせは、ペアの生徒及び対戦する先生の組み合わせまで、事前に話し合われて決められていた。
動きの傾向や、親密度、成績などを踏まえて、考えられたそうだ。
そして私の組は、いずくくんとかつくん。
対戦する先生は、オールマイト先生だ……
かつくんといずくくんが組まされたのはわかる。
恐らく、仲の悪さが原因と思われる。相澤先生は気にしてる節があったから。
そして、オールマイト先生っていうのも、わかる。
なんとなくだけど、いずくくんとオールマイト先生には他とはない、絆というか、何かあるような気がする…これは個人的に。
問題は、なんで私もここなのかということ…
絶対巻き込まれた!!
………まぁ、置いといて更に試験内容を整理しよう。
制限時間は30分。
勝利条件は「カフス(手錠みたいなやつ)を先生にかける」か、「1人がステージから脱出」
どう考えての格上の先生には、逃げの一手となってしまうので、先生たちは各々自身の約半分の重量の重りを装着している。
これで、戦って勝つか、逃げて勝つかの選択肢が生まれるわけなんだけど……
………………
2人の意見が偏りすぎてて、話にならない…
もう試験は始まってるのに…
緑谷「いくらハンデがあってもかっちゃんがオールマイトに勝つなんて…」
その瞬間。
CRACK
『いずくくん!!』
かつくんがいずくくんの事を殴り、いずくくんは衝撃で地面に倒れてしまった。
私は急いでいずくくんに駆け寄る。
『かつくん、これはよくない。手は出しちゃダメ』
私は個性を発動し、いずくくんの頬を回復した。
爆豪「チッ。これ以上喋んなデク。ちょっと調子良いからって喋んなムカつくから」
緑谷「ごっ……試験に合格する為に僕は言ってるんだよ聞いてってかっちゃん…!」
いつもはいずくくんなら謝るところ、下手に出ないで反論する。
爆豪「だァからてめェの力なんざ合格に必要ねェっつってんだ!!」
緑谷「怒鳴らないでよ!!それでいつも会話にならないんだ!!」
だめだ、全然話にならない…
『ちょっと落ち着い…』
THOOM
3人「!?」
私たちは暴風によって吹き飛ばされた。
緑谷「はっ…は……」
『うっ…』
受身取るのがまだ下手でかすり傷が沢山できてしまった。
爆豪「おい、てん大丈夫か!?」
『うん…大丈夫だよ。今みんな回復させるね』
オールマイト「街への被害などクソ喰らえだ」
『!!』
なに、この…
オ「私は敵だヒーローよ。真心込めてかかってこい!!」
なにこの、威圧感…
2人も感じてるはず、体が動かない…動けない!
そうこうしている間に、オールマイトはこっちに向かって飛んでくる。
緑谷「正面戦闘はマズイ逃げよう!!」
爆豪「俺に指図すんな!!」
緑谷「かっちゃん!」
いずくくんの言葉に耳も貸さないかつくんはオールマイトへ向かっていく。
爆豪「閃光弾(スタングレネード)!!」
躊躇なく思いっきりぶっぱなしたな…
かつくんの動向を見守りながら、回復作業を行う。
爆豪「オールマイト!言われねぇでも最初から」
GRAP!
『かつくん!!』
閃光弾で目がくらんでるように見えたけど、すごい速度でオールマイトがかつくんの顔を手でとらえた。
爆豪「そぉつぉいあよ(そのつもりだよ)」
BBBBBBBB!!
私はすっごく焦ったけど、かつくんは冷静で顔を掴まれたままオールマイトに爆発で攻撃していく。
オ「あ痛たタタタタ」
普通、顔掴まれたら引き離そうとするものだけど、かつくん、やっぱり…
オ「私をマジで倒す気”しか”ないようだな!!」
ダン!
『かつくん!!』
爆豪「カッ…ハッ…」
顔掴まれたまま地面に叩きつけられた。
助けに行かないと…!
『天罰の光(パニッシュメントライト)!!』
私はオールマイトに、相澤先生との、特訓で会得した、光の遠距離攻撃の強化版…パニッシュメントライトを放った。
だけど…
オ「おっと残念!これじゃあ私には当たらないぜてん少女!」
『うっ、やっぱり簡単にかわされちゃうな…』
でも、オールマイトがかつくんから離れた。
今ならかつくんに近づける。
オ(私を爆豪少年から遠ざけるためにわざと放ったのか?だとしたらなかなかに成長しているではないか)
『かつくん、大丈夫?今回復させるからね』
ふぅ、最初から個性使いすぎてるけど、大丈夫だろうか。
相澤先生との特訓で30分は持つか持たないかギリギリのところだ。
オ「そして、緑谷少年!チームを置いて逃げるのかい?」
『しまった…!オールマイトがいずくくんの方に…って!かつくん!?』
気づいたらかつくんがいなくなってる。
『あ!ダメっ…』
オ「おっとそいつは…良くない」
爆豪「バッ!どけ!!」
緑谷「かっちゃ…」
ゴチン
オールマイトから離れようとしたいずくくんと、オールマイトに向かっていったかつくんが衝突した。
『くっ…!反射板(リフレクター)!』
かつくんといずくくんが落ちると推測される地面との間に反射板をつくる。
これも特訓の成果。反射板…力の大きさ関係なく、1度だけならどんな攻撃も無効化できる。
上手く行けばこれで落下の衝撃を抑えられる…!
2人が落下して体制を整えるまでの間、時間を稼がなきゃ。
『オールマイト先生!私と相手をしてください。
フィンガーライツ!!』
オ(てん少女、かなり周りが見えてるな。
それに、相澤くんとの特訓の成果でかなり個性を使いこなしている。
仲間のサポートをしつつ、こちらに攻撃も入れる。
会議での相澤くんの判断は正しかったようだな。)
オ「さっきのパニッシュメントライトが当たらなかったから力を分散してスピードと数を増やしたか!!」
『分析されてる…さすが、余裕ですね……』
オ(攻撃のいとによって技を使い分けている。これはてん少女、ハッキリ言って素晴らしい!救助レースの時にも感じたがこの子は伸びるぜ)
一体一で勝つのは無理そうだ。
時間稼ぎにもならなそう……
オ「まったく…彼らも君も見習ってもらいたいな!」
えっ、話しかけてくる…
『敵の設定は…?』
オ「はっはっは!いいじゃないか!!お喋りな敵もいるかもしれないぞ?」
『たしかに…!』
オ「ブブッ!…コホン。しかし、君は強くなったな!彼らのペアに選ばれただけある」
『やっぱり、意図的に組まれてるんですね』
オ「はっ!しまった!!」
『大丈夫ですよ。最初の組み分けの説明の時にだいたい把握しました。
かつくんといずくくん…個性の相性とかじゃなく、単純に仲の悪さだけで選ばれてますよね』
ていうか、喋りながら攻撃続けてるけど、全部避けられる…心折れそう!
オ(さすが…相澤くんが観察眼が優れてると言うだけあるな。手に入れる情報から推測し自信で答えを導き出している。)
『だけど、なんでその2人と私が組み合わされたのかがわからなくて…』
オ「君は、他人のことはよく見えているのに、自分のことは疎いんだな」
『?』
オ(それは、君が教師に信頼されているからさ。
相澤くんが言っていたよ。「てんなら、2人を変えるきっかけを作ってくれるかもしれない」とね。
私もその手伝いをして欲しいと言われたのさ)
オ「君には力があるってことさ!
だからこそ、ちょっと、大人しくしててもらうよ!!」
『あ!』
オ「君は1番ゲートを抜ける力があるし、現時点、1番脅威だ!!」
ガードレールで壁に打ち付けられてしまった。
動けない…
そして、配慮がすごい…!体傷つけられてないし!!でも抜けないし!!
めっちゃなめられてるなぁ…
オ「そして…逃げたい君にもこいつをプレゼントだ!!」
いずくくんも、ガードレールで行動不能にさせられる。
やばい、このままじゃ…
爆豪「なってん!?クソっ…ぐはっ!!」
『かつくん!!』
オールマイトに気づいて振り向いた時、私に気づいたかつくんが一瞬気を取られてしまった。
その瞬間、容赦のないオールマイトのパンチがかつくんのボディに打ち込まれる。
衝撃で何十メートル先にも飛んでいく。
この位置からだと目視できない場所に飛ばされた…!
早く助けに行かなきゃ。オールマイトはかつくんの方にゆっくりと歩いていった。
緑谷「かっちゃん…!」
まず、いずくくんをどうにかしよう。
私は、あまり力になれない…
『いずくくん!!聞いて!!』
緑谷「てんちゃん…」
『私じゃ…力で役にたてない…私には、力がない…
だけど、2人にはある!あるんだよ!!
どうして言い争ってるだけなの?かつくんも!いずくくんも!
私じゃだめなの!!2人が力を合わせれば!
勝てるよ!!
私に考えがある_____………』
緑谷「………_____…なるほど…わかった。必ず成功させる!」
『うん』
作成はいずくくんに説明し終わった。
あとは、私の役目を果たす。
集中しろ…
イメージしろ。
いつもは手を通して直接流していた力を、遠くまで飛ばすんだ。
『いずくくん…これが、私にできる今の、
精一杯のヒーロー…
みんなでヒーローになるんでしょ!!
さらに向こうへ!プルスウルトラ!!!』
緑谷「てんちゃん…!」
『いけぇぇぇ!!リカバリーグレイス!!』
いずくくんの方に思いっきり腕を伸ばし、回復の個性を飛ばした。
うまくっ、いけ…!
すると、いずくくんの体が薄ら光り出した。
緑谷「体が…痛くない!」
よかった……
『いずくくん、お願い…!』
緑谷「うん!!」
かつくんを…助けてあげて。
これは、何年もの間…
2人がつくりあげてきたもの、
2人がつくりあげてしまった壁を
____自分たちで壊すしかないんだ。
私には、その手助けくらいしか…できないや。
緑谷(嫌な奴さ…!でも、そうだ。
どんな事だろうと君は絶対、勝者であろうとするんだ…!
僕が憧れた君は____……!)
爆豪「黙れよオールマイト…!」
かつくんの声が、聞こえる。
爆豪「あのクソの力ァ借りるくらいなら…
負けた方が、まだ……マシだ」
『なっ』
そんなこと…
緑谷「君が…!!」
『いずくくん!』
CRACK!!
緑谷「負けた方がマシだなんて…君が言うなよ!!」
へ、何が起きた?
いずくくんがガードレールを抜け出して飛んでいくのは見えた。
その後のすごい音…
ここからじゃ3人の姿が見えない…!
とにかく私は、早く抜け出さないと。
『あとは頼んだよ……かつくん、いずくくん』
______________
……………
オールマイト視点
あそこで緑谷少年が来るとは…油断した!
姿をくらませたということは出口ゲートに向かっているかな?
てん少女も確認したらいなくなっていたし…
うーん、困った!急がねば!!
爆豪「どこぉ見てんだあ!?」
オ「!背後だったか……」
!?
なんて顔してるんだ爆豪少年!まるで…
BOOM!
爆発…しかし、この程度では私には通じないぞ。
爆豪「デク!!!撃て!!」
オ「なる程」
爆豪少年のコスチュームを緑谷少年が身につけて発射…か。
緑谷「ごめんなさいオールマイト!!」
FABOOM!!
緑谷「っだっ!!!(かっちゃん、いつもこんなのつけて戦ってたのか…)」
爆豪「走れやアホが!」
緑谷「あっうん!」
ダッ
オ「ってて…やられたな。
「逃げ」と「戦闘」の折衷案…即席にしちゃいいじゃないか」
そうさ、二人とも本来ならクレバーな男たち。
なのに互いのこととなると途端に破綻してしまう。
蟠りをすぐに解消できるわけでもあるまいが…
きっと、この”協力”がいつかの将来
必ず”大いなる一歩”となるハズだ。
オ「さてと…先生!頑張っちゃうぞ!!」
____________
……………
緑谷視点
緑谷「もうすぐだ!脱出ゲート!!」
爆豪「おい!てんはほんとに大丈夫なんだろうな!!」
緑谷「うん、てんちゃんが僕に言ったんだ。作戦も…僕たちなら勝てるって。
自分は絶対に脱出するから、心配するなって。
もしできなくても防御の技生み出してるから、爆撃でも何でもして大丈夫って…」
そう考えると、かっちゃんがこの提案をしてくることも視野に入れていたのか。
てんちゃん、すごいな。彼女は思っていたよりずっと頭がキレるみたいだ。
爆豪「大丈夫じゃなかったら、てめェをマジでぶっ殺すぞくそデク!!」
緑谷「う、うん。…オールマイト追ってくる様子ないね」
爆豪「次もし追いつかれたら今度は俺の籠手で吹っ飛ばす」
オ「うんうん。それでそれで!?」
!!
オ「何を驚いているんだ!?」
CRASH!!
かっちゃんの籠手が、壊された!!
緑谷「速すぎる…!!」
オ「これでも重りのせいで全然トップギアじゃないんだぜ?
それに、てん少女が最短ルートにトラップを沢山しかけていてな。少々時間がかかってしまった」
てんちゃんが!じゃあ、抜け出せたんだ!!
オ「さァ…くたばれヒーロー共!!」
______________
…………
なにを、された…?
オ「素晴らしいぞ少年たち!不本意ながら協力し敵に立ち向かう…
ただ!二人共!!
それは…今試験の前提だからねって話だぞ」
何をされたかさっぱりわからない…!
僕はオールマイトに左腕を掴まれ宙吊りの状態。
かっちゃんは、オールマイトの右足で踏まれて、身動きが取れない力で押さえつけられている。
緑谷「そっ…!!」
オ「………なんて顔だよ少年…」
バッ
緑谷「ぎゃ!」
僕は地面にそのまま放り出され、かっちゃんと同じようにオールマイトの下敷きとなった。
オ「終わりだ!!」
爆豪「うるせぇ…」
FABOOOOM!!
オ「ぬう!?」
爆豪「ってえ…」
かっちゃんがすごい威力の爆撃をオールマイトに向けて放った。
爆豪「ブッとばす」
緑谷「え!?」
なぜか、かっちゃんに掴まれた……嫌な予感……
爆豪「スッキリしねぇが今の実力差じゃ”まだ”こんな勝ち方しかねぇ」
緑谷「ちょ 待 まさか」
爆豪「っ……死ね!!!」
死ね!?
緑谷「痛っ……」
マジか…かっちゃん……
でも…オールマイトが浮いた着地までの1秒か2秒!
今なら…!!!ゴー……
ボ
オ「ニューハンプシャースマッシュ!!」
緑谷「ぐはっ」
爆豪「チッ」
くそ、オールマイトが腰に……
オ「いやいや甘いぞ!ヒーロー共!!」
ドッドドドド
すごい勢いで地面に打ち付けられ、そのまま、勢い収まらず転がっていく。
BOOM!!
オ「!」
爆豪「バカだったぜ。
リスクも取らずあんたに勝てるハズなかったわ
行けデク!!」
緑谷「うわ!」
爆風がすごい…
体育祭で見せた特大火力を二度も…!
爆豪「役に立てクソカス!!」
BOOM!!
緑谷「ぐうっ…!」
さっきので腰が…!
そんなの今は問題じゃない!耐えるんだ!!
こんくらいの距離ならフルカウルの跳躍一回半で…!
走れ!
そうだ、よりゴールに近い僕をオールマイトは無視できない!
かっちゃんならそこを…!!
ゴッ
!!
オ「寝てな爆豪少年。そういう身を滅ぼすやり方は悪いが私的に少しトラウマもんでね」
BOOM!!
オ「った!?」
爆豪「早よ…行けやクソナード…!
折れて 折れて
自分捻じ曲げてでも選んだ勝ち方で
それすら適わねえなんて_______………嫌だ…!!」
かっちゃん____!!!
オ「とっ 行かせんぞ緑谷少年!!」
キィィィン!!
『閃光爆発(フラッシュエクスプロッション)!!』
オ「この光は、てん少女の…!」
『かつくんを返してください!!パニッシュメントライト!!!
と、同時に…いまだ!』
ガチャン
オ「なっ!?カフス!!!」
『うっ、片方しかかからなかった…ぐはっ!!』
オ「君にはあまり武力行使はしたくなかったが、ここまでされては仕方ない」
『かつ…くん……』
てんちゃん、カフスを片方だけどオールマイトにかけた!すごい!!
だけど、結局はオールマイトに反撃されてしまった。
てんちゃんはかつくんの手を握りしめて動けなくなっている。羽も消えてる…!?
個性もう使えないのか!?
_____怖い時 不安な時こそ
笑っちまって挑むんだ
緑谷「どいてくださいオールマイト」
SMASH!!
オ「ゲホ…」
ガシッ
かっちゃんとてんちゃんを、抱き留める。
気絶してる……
ごめんよかっちゃん、てんちゃん
僕ってやつは…
爆豪「ブッ倒した方が良いに決まってんだろが!」
緑谷「せっ戦闘は何があっても避けるべきだって!」
『2人とも落ちついて…そんな偏った考え方だと絶対後で後悔するよ…!』
はぁ…
なんでこんなことに………
___遡ること数十分前
相澤「それじゃあ演習試験を始めていく」
耳郎「先生多いな…?」
響香ちゃんの言った通り先生が沢山来ていた。
なんと、その中には校長先生もいて、その校長先生の口から衝撃の一言を発せられた。
”諸事情”により、例年の対ロボット戦から内容が変更した。
まとめると、より実践に近い教育方針をとる…ということらしい。
そして、”実践的”という言葉通り、プロによくあるチームアップで試験を受けることとなった。
それも、対…先生だ。
組み合わせは、ペアの生徒及び対戦する先生の組み合わせまで、事前に話し合われて決められていた。
動きの傾向や、親密度、成績などを踏まえて、考えられたそうだ。
そして私の組は、いずくくんとかつくん。
対戦する先生は、オールマイト先生だ……
かつくんといずくくんが組まされたのはわかる。
恐らく、仲の悪さが原因と思われる。相澤先生は気にしてる節があったから。
そして、オールマイト先生っていうのも、わかる。
なんとなくだけど、いずくくんとオールマイト先生には他とはない、絆というか、何かあるような気がする…これは個人的に。
問題は、なんで私もここなのかということ…
絶対巻き込まれた!!
………まぁ、置いといて更に試験内容を整理しよう。
制限時間は30分。
勝利条件は「カフス(手錠みたいなやつ)を先生にかける」か、「1人がステージから脱出」
どう考えての格上の先生には、逃げの一手となってしまうので、先生たちは各々自身の約半分の重量の重りを装着している。
これで、戦って勝つか、逃げて勝つかの選択肢が生まれるわけなんだけど……
………………
2人の意見が偏りすぎてて、話にならない…
もう試験は始まってるのに…
緑谷「いくらハンデがあってもかっちゃんがオールマイトに勝つなんて…」
その瞬間。
CRACK
『いずくくん!!』
かつくんがいずくくんの事を殴り、いずくくんは衝撃で地面に倒れてしまった。
私は急いでいずくくんに駆け寄る。
『かつくん、これはよくない。手は出しちゃダメ』
私は個性を発動し、いずくくんの頬を回復した。
爆豪「チッ。これ以上喋んなデク。ちょっと調子良いからって喋んなムカつくから」
緑谷「ごっ……試験に合格する為に僕は言ってるんだよ聞いてってかっちゃん…!」
いつもはいずくくんなら謝るところ、下手に出ないで反論する。
爆豪「だァからてめェの力なんざ合格に必要ねェっつってんだ!!」
緑谷「怒鳴らないでよ!!それでいつも会話にならないんだ!!」
だめだ、全然話にならない…
『ちょっと落ち着い…』
THOOM
3人「!?」
私たちは暴風によって吹き飛ばされた。
緑谷「はっ…は……」
『うっ…』
受身取るのがまだ下手でかすり傷が沢山できてしまった。
爆豪「おい、てん大丈夫か!?」
『うん…大丈夫だよ。今みんな回復させるね』
オールマイト「街への被害などクソ喰らえだ」
『!!』
なに、この…
オ「私は敵だヒーローよ。真心込めてかかってこい!!」
なにこの、威圧感…
2人も感じてるはず、体が動かない…動けない!
そうこうしている間に、オールマイトはこっちに向かって飛んでくる。
緑谷「正面戦闘はマズイ逃げよう!!」
爆豪「俺に指図すんな!!」
緑谷「かっちゃん!」
いずくくんの言葉に耳も貸さないかつくんはオールマイトへ向かっていく。
爆豪「閃光弾(スタングレネード)!!」
躊躇なく思いっきりぶっぱなしたな…
かつくんの動向を見守りながら、回復作業を行う。
爆豪「オールマイト!言われねぇでも最初から」
GRAP!
『かつくん!!』
閃光弾で目がくらんでるように見えたけど、すごい速度でオールマイトがかつくんの顔を手でとらえた。
爆豪「そぉつぉいあよ(そのつもりだよ)」
BBBBBBBB!!
私はすっごく焦ったけど、かつくんは冷静で顔を掴まれたままオールマイトに爆発で攻撃していく。
オ「あ痛たタタタタ」
普通、顔掴まれたら引き離そうとするものだけど、かつくん、やっぱり…
オ「私をマジで倒す気”しか”ないようだな!!」
ダン!
『かつくん!!』
爆豪「カッ…ハッ…」
顔掴まれたまま地面に叩きつけられた。
助けに行かないと…!
『天罰の光(パニッシュメントライト)!!』
私はオールマイトに、相澤先生との、特訓で会得した、光の遠距離攻撃の強化版…パニッシュメントライトを放った。
だけど…
オ「おっと残念!これじゃあ私には当たらないぜてん少女!」
『うっ、やっぱり簡単にかわされちゃうな…』
でも、オールマイトがかつくんから離れた。
今ならかつくんに近づける。
オ(私を爆豪少年から遠ざけるためにわざと放ったのか?だとしたらなかなかに成長しているではないか)
『かつくん、大丈夫?今回復させるからね』
ふぅ、最初から個性使いすぎてるけど、大丈夫だろうか。
相澤先生との特訓で30分は持つか持たないかギリギリのところだ。
オ「そして、緑谷少年!チームを置いて逃げるのかい?」
『しまった…!オールマイトがいずくくんの方に…って!かつくん!?』
気づいたらかつくんがいなくなってる。
『あ!ダメっ…』
オ「おっとそいつは…良くない」
爆豪「バッ!どけ!!」
緑谷「かっちゃ…」
ゴチン
オールマイトから離れようとしたいずくくんと、オールマイトに向かっていったかつくんが衝突した。
『くっ…!反射板(リフレクター)!』
かつくんといずくくんが落ちると推測される地面との間に反射板をつくる。
これも特訓の成果。反射板…力の大きさ関係なく、1度だけならどんな攻撃も無効化できる。
上手く行けばこれで落下の衝撃を抑えられる…!
2人が落下して体制を整えるまでの間、時間を稼がなきゃ。
『オールマイト先生!私と相手をしてください。
フィンガーライツ!!』
オ(てん少女、かなり周りが見えてるな。
それに、相澤くんとの特訓の成果でかなり個性を使いこなしている。
仲間のサポートをしつつ、こちらに攻撃も入れる。
会議での相澤くんの判断は正しかったようだな。)
オ「さっきのパニッシュメントライトが当たらなかったから力を分散してスピードと数を増やしたか!!」
『分析されてる…さすが、余裕ですね……』
オ(攻撃のいとによって技を使い分けている。これはてん少女、ハッキリ言って素晴らしい!救助レースの時にも感じたがこの子は伸びるぜ)
一体一で勝つのは無理そうだ。
時間稼ぎにもならなそう……
オ「まったく…彼らも君も見習ってもらいたいな!」
えっ、話しかけてくる…
『敵の設定は…?』
オ「はっはっは!いいじゃないか!!お喋りな敵もいるかもしれないぞ?」
『たしかに…!』
オ「ブブッ!…コホン。しかし、君は強くなったな!彼らのペアに選ばれただけある」
『やっぱり、意図的に組まれてるんですね』
オ「はっ!しまった!!」
『大丈夫ですよ。最初の組み分けの説明の時にだいたい把握しました。
かつくんといずくくん…個性の相性とかじゃなく、単純に仲の悪さだけで選ばれてますよね』
ていうか、喋りながら攻撃続けてるけど、全部避けられる…心折れそう!
オ(さすが…相澤くんが観察眼が優れてると言うだけあるな。手に入れる情報から推測し自信で答えを導き出している。)
『だけど、なんでその2人と私が組み合わされたのかがわからなくて…』
オ「君は、他人のことはよく見えているのに、自分のことは疎いんだな」
『?』
オ(それは、君が教師に信頼されているからさ。
相澤くんが言っていたよ。「てんなら、2人を変えるきっかけを作ってくれるかもしれない」とね。
私もその手伝いをして欲しいと言われたのさ)
オ「君には力があるってことさ!
だからこそ、ちょっと、大人しくしててもらうよ!!」
『あ!』
オ「君は1番ゲートを抜ける力があるし、現時点、1番脅威だ!!」
ガードレールで壁に打ち付けられてしまった。
動けない…
そして、配慮がすごい…!体傷つけられてないし!!でも抜けないし!!
めっちゃなめられてるなぁ…
オ「そして…逃げたい君にもこいつをプレゼントだ!!」
いずくくんも、ガードレールで行動不能にさせられる。
やばい、このままじゃ…
爆豪「なってん!?クソっ…ぐはっ!!」
『かつくん!!』
オールマイトに気づいて振り向いた時、私に気づいたかつくんが一瞬気を取られてしまった。
その瞬間、容赦のないオールマイトのパンチがかつくんのボディに打ち込まれる。
衝撃で何十メートル先にも飛んでいく。
この位置からだと目視できない場所に飛ばされた…!
早く助けに行かなきゃ。オールマイトはかつくんの方にゆっくりと歩いていった。
緑谷「かっちゃん…!」
まず、いずくくんをどうにかしよう。
私は、あまり力になれない…
『いずくくん!!聞いて!!』
緑谷「てんちゃん…」
『私じゃ…力で役にたてない…私には、力がない…
だけど、2人にはある!あるんだよ!!
どうして言い争ってるだけなの?かつくんも!いずくくんも!
私じゃだめなの!!2人が力を合わせれば!
勝てるよ!!
私に考えがある_____………』
緑谷「………_____…なるほど…わかった。必ず成功させる!」
『うん』
作成はいずくくんに説明し終わった。
あとは、私の役目を果たす。
集中しろ…
イメージしろ。
いつもは手を通して直接流していた力を、遠くまで飛ばすんだ。
『いずくくん…これが、私にできる今の、
精一杯のヒーロー…
みんなでヒーローになるんでしょ!!
さらに向こうへ!プルスウルトラ!!!』
緑谷「てんちゃん…!」
『いけぇぇぇ!!リカバリーグレイス!!』
いずくくんの方に思いっきり腕を伸ばし、回復の個性を飛ばした。
うまくっ、いけ…!
すると、いずくくんの体が薄ら光り出した。
緑谷「体が…痛くない!」
よかった……
『いずくくん、お願い…!』
緑谷「うん!!」
かつくんを…助けてあげて。
これは、何年もの間…
2人がつくりあげてきたもの、
2人がつくりあげてしまった壁を
____自分たちで壊すしかないんだ。
私には、その手助けくらいしか…できないや。
緑谷(嫌な奴さ…!でも、そうだ。
どんな事だろうと君は絶対、勝者であろうとするんだ…!
僕が憧れた君は____……!)
爆豪「黙れよオールマイト…!」
かつくんの声が、聞こえる。
爆豪「あのクソの力ァ借りるくらいなら…
負けた方が、まだ……マシだ」
『なっ』
そんなこと…
緑谷「君が…!!」
『いずくくん!』
CRACK!!
緑谷「負けた方がマシだなんて…君が言うなよ!!」
へ、何が起きた?
いずくくんがガードレールを抜け出して飛んでいくのは見えた。
その後のすごい音…
ここからじゃ3人の姿が見えない…!
とにかく私は、早く抜け出さないと。
『あとは頼んだよ……かつくん、いずくくん』
______________
……………
オールマイト視点
あそこで緑谷少年が来るとは…油断した!
姿をくらませたということは出口ゲートに向かっているかな?
てん少女も確認したらいなくなっていたし…
うーん、困った!急がねば!!
爆豪「どこぉ見てんだあ!?」
オ「!背後だったか……」
!?
なんて顔してるんだ爆豪少年!まるで…
BOOM!
爆発…しかし、この程度では私には通じないぞ。
爆豪「デク!!!撃て!!」
オ「なる程」
爆豪少年のコスチュームを緑谷少年が身につけて発射…か。
緑谷「ごめんなさいオールマイト!!」
FABOOM!!
緑谷「っだっ!!!(かっちゃん、いつもこんなのつけて戦ってたのか…)」
爆豪「走れやアホが!」
緑谷「あっうん!」
ダッ
オ「ってて…やられたな。
「逃げ」と「戦闘」の折衷案…即席にしちゃいいじゃないか」
そうさ、二人とも本来ならクレバーな男たち。
なのに互いのこととなると途端に破綻してしまう。
蟠りをすぐに解消できるわけでもあるまいが…
きっと、この”協力”がいつかの将来
必ず”大いなる一歩”となるハズだ。
オ「さてと…先生!頑張っちゃうぞ!!」
____________
……………
緑谷視点
緑谷「もうすぐだ!脱出ゲート!!」
爆豪「おい!てんはほんとに大丈夫なんだろうな!!」
緑谷「うん、てんちゃんが僕に言ったんだ。作戦も…僕たちなら勝てるって。
自分は絶対に脱出するから、心配するなって。
もしできなくても防御の技生み出してるから、爆撃でも何でもして大丈夫って…」
そう考えると、かっちゃんがこの提案をしてくることも視野に入れていたのか。
てんちゃん、すごいな。彼女は思っていたよりずっと頭がキレるみたいだ。
爆豪「大丈夫じゃなかったら、てめェをマジでぶっ殺すぞくそデク!!」
緑谷「う、うん。…オールマイト追ってくる様子ないね」
爆豪「次もし追いつかれたら今度は俺の籠手で吹っ飛ばす」
オ「うんうん。それでそれで!?」
!!
オ「何を驚いているんだ!?」
CRASH!!
かっちゃんの籠手が、壊された!!
緑谷「速すぎる…!!」
オ「これでも重りのせいで全然トップギアじゃないんだぜ?
それに、てん少女が最短ルートにトラップを沢山しかけていてな。少々時間がかかってしまった」
てんちゃんが!じゃあ、抜け出せたんだ!!
オ「さァ…くたばれヒーロー共!!」
______________
…………
なにを、された…?
オ「素晴らしいぞ少年たち!不本意ながら協力し敵に立ち向かう…
ただ!二人共!!
それは…今試験の前提だからねって話だぞ」
何をされたかさっぱりわからない…!
僕はオールマイトに左腕を掴まれ宙吊りの状態。
かっちゃんは、オールマイトの右足で踏まれて、身動きが取れない力で押さえつけられている。
緑谷「そっ…!!」
オ「………なんて顔だよ少年…」
バッ
緑谷「ぎゃ!」
僕は地面にそのまま放り出され、かっちゃんと同じようにオールマイトの下敷きとなった。
オ「終わりだ!!」
爆豪「うるせぇ…」
FABOOOOM!!
オ「ぬう!?」
爆豪「ってえ…」
かっちゃんがすごい威力の爆撃をオールマイトに向けて放った。
爆豪「ブッとばす」
緑谷「え!?」
なぜか、かっちゃんに掴まれた……嫌な予感……
爆豪「スッキリしねぇが今の実力差じゃ”まだ”こんな勝ち方しかねぇ」
緑谷「ちょ 待 まさか」
爆豪「っ……死ね!!!」
死ね!?
緑谷「痛っ……」
マジか…かっちゃん……
でも…オールマイトが浮いた着地までの1秒か2秒!
今なら…!!!ゴー……
ボ
オ「ニューハンプシャースマッシュ!!」
緑谷「ぐはっ」
爆豪「チッ」
くそ、オールマイトが腰に……
オ「いやいや甘いぞ!ヒーロー共!!」
ドッドドドド
すごい勢いで地面に打ち付けられ、そのまま、勢い収まらず転がっていく。
BOOM!!
オ「!」
爆豪「バカだったぜ。
リスクも取らずあんたに勝てるハズなかったわ
行けデク!!」
緑谷「うわ!」
爆風がすごい…
体育祭で見せた特大火力を二度も…!
爆豪「役に立てクソカス!!」
BOOM!!
緑谷「ぐうっ…!」
さっきので腰が…!
そんなの今は問題じゃない!耐えるんだ!!
こんくらいの距離ならフルカウルの跳躍一回半で…!
走れ!
そうだ、よりゴールに近い僕をオールマイトは無視できない!
かっちゃんならそこを…!!
ゴッ
!!
オ「寝てな爆豪少年。そういう身を滅ぼすやり方は悪いが私的に少しトラウマもんでね」
BOOM!!
オ「った!?」
爆豪「早よ…行けやクソナード…!
折れて 折れて
自分捻じ曲げてでも選んだ勝ち方で
それすら適わねえなんて_______………嫌だ…!!」
かっちゃん____!!!
オ「とっ 行かせんぞ緑谷少年!!」
キィィィン!!
『閃光爆発(フラッシュエクスプロッション)!!』
オ「この光は、てん少女の…!」
『かつくんを返してください!!パニッシュメントライト!!!
と、同時に…いまだ!』
ガチャン
オ「なっ!?カフス!!!」
『うっ、片方しかかからなかった…ぐはっ!!』
オ「君にはあまり武力行使はしたくなかったが、ここまでされては仕方ない」
『かつ…くん……』
てんちゃん、カフスを片方だけどオールマイトにかけた!すごい!!
だけど、結局はオールマイトに反撃されてしまった。
てんちゃんはかつくんの手を握りしめて動けなくなっている。羽も消えてる…!?
個性もう使えないのか!?
_____怖い時 不安な時こそ
笑っちまって挑むんだ
緑谷「どいてくださいオールマイト」
SMASH!!
オ「ゲホ…」
ガシッ
かっちゃんとてんちゃんを、抱き留める。
気絶してる……
ごめんよかっちゃん、てんちゃん
僕ってやつは…