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主人公
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「ふぁ…あら」
あら、カーテンの隙間から差し込む朝日の光と鳥の囀りで目を覚ますとまだ隣でLは眠っていた。
大体いつもLは私より先に目を覚まし、寝顔を眺めていて私が起きるのを待っているから、非常に珍しいこと。
(私…この先ずっとこの人と一緒に…)
自分の歩んでいくこの先を想像して、少し嬉しくなる。ふふ、と綻ぶような笑いを一つかけ、そっと髪を撫でると満足そうな顔を見せたL。
起こさないようそっとベッドを抜け出し、ルーム内のキッチンスペースへ向かった。
以前、諸島へ行った時毎日でも食べたいと言った私の作った物を作ったら彼は喜ぶだろうかと考えながら手際よく卵とミルクをとき、少し甘めにしてフレンチトーストをさっと焼き、薄力粉をふるってスコーンを。ほんの少しの野菜と果物を数種類切ってミキサーに入れた。
(…今日は何となくコーヒーでしょうね)
紅茶かコーヒーか迷いなんとなくコーヒーだろうとコーヒーを沸かす。
すると、ベッドルームの方からドタバタと音が聞こえてきた。
「…ナナ!ここにいましたか!!」
「あら、おはよう」
「驚きました。目を覚ましたらいないので…」
少し機嫌の悪そうな顔と、寝癖をつけた髪がおかしかった。
「ふふ、寝癖…ついてるわよ」
構わずカチャカチャと食器の音を立てる私の後ろに立ち、私に縋るよう抱きついた。
「あなたより先に目覚め、あなたの寝顔をしばらく眺めて目を覚ます瞬間が私の毎朝の幸福なんですよ…。目を覚ましたらあなたがいないのだから驚きました。」
「…それはごめんなさいね?」
「…フレンチトーストですか?」
「あなた好きじゃない」
「いえ、あなたの作った物全て好きです。…これはこれでまた私の特権であり私だけの幸福ですね」
ワタリも直に来るだろうと3つ用意をした。
私とワタリはそんなに甘い物を食べないから、甘さを控えたスコーンとフルーツサラダにしておく。
「これはなんて幸福ですか?」
「…本当よね」
私にくっついて歩くので、追い払う事もせず、気にも留めず、私はテーブルへ食器を運び、ティーカップの用意も済ませた。
「…!これはこれは…朝から仲のよろしい事で。本当にお似合いですな」
「あら、おはよう。」
「おはようございます」
「あなたも如何?」
「えぇ、頂きましょう」
朝食の時間は昔の…子供の頃の話でいっぱいだった。
「えぇ、懐かしいわ。子供の頃は本当にジャムと飴ばかりだったわねあなた」
「本当に困った物でしたよ。冷蔵庫のジャムが一晩で全て無くなるものですから」
「…わたしは糖分が必要なんです」
ややバツの悪そうな顔を見せ、スムージーに挿したストローに口をつけるL。
「こうった…甘い物がないと私は思考力が落ちるんです」
「あら?それ野菜を凄く使ったわよ」
「…」
「…あなた…恋人の作った物を残すのかしら…」
顔を伏せ気味に潤んだ目を見せればそんなはずありませんと更にバツの悪そうな顔を見せ、スムージーを飲み干した。
「ほほ、Lも敵いませんなぁ?」
「…全くです。勝てません。」
「頼もしいパートナーだことで。それと夜神次長からの報告で無事、施設へ2人を収容したそうです。…それと2人にご武運を。と」
「…そうですか」
「夜神月…少し惜しいわよね」
「…そうですね」
「あなたの初めての友人…そしてあの優れた洞察力や思考力の高さ。確実に優秀な警察官になっていたでしょうし...まぁ、話していても仕方ないわね」
「…夜から少々長いフライトですから、準備しましょう」
朝食を終え、私達は日本を発つ準備をしていた。
「フライトは真夜中ですし、関東近郊であれば行けます。何かしたい事はありませんか?」
「そうね…、大丈夫よ。強いて言えば桜をもう一度…今度はゆっくり見たかったんだけどまだ少し先ね。」
「桜…ですか。…少し時期が早いですから、また来ましょう。」
「えぇ」
Lは最後の仕事に、とキラ事件の報告それに纏わった処分の報告をICPOに送った。
最終、犯人はLの責任でLの絶対的な監視下に置くという事で世界の最高峰機関のお偉い方達は納得を見せたそう。一時は第二のキラにLを差し出すよう言ったくせして捕まえた途端さすがLだと称賛した。
全く都合の良いのね…と返すとそんな物ですよとごく普通とでも言うように答えた。
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報告やら、出発準備を終えて夕方。
少しまだ時間があったのでのんびりしようと言うのでLとソファにもたれて2人、のんびり日本の街を眺めていた。都心ど真ん中のホテルから見えるビル達が夕陽に照らされて綺麗だった。
「…あの、本当にありがとう」
「…どうしたの?」
「私と来ることを選んでくれて」
「…私も正直一緒にいたかったの。ずっと葛藤したけど、やっぱりあなたと一緒に事件を解決する事が何より誇らしかったの。だから。」
「…ありがとう」
ソファにならんできゅっと手を繋いだ。
コンコンとドアをノックする音が聞こえたので、ドアを開けるとワタリ。
「2人とも、いきましょうか」
「はい。ナナ」
そっとてを繋いで、煌びやかな扉をを背にスイートルームを後にした。
「ワタリ、まだ少し時間が早いです」
「はい」
「…?」
ホテルを出てしばらく走る。
…そう言うことか。
警視庁…
あんなに長らく一緒にいたせいか、懐かしさすらどこか感じてしまう。数日前に会った4名。
「…える…いや竜崎」
「はい、みなさん。ありがとうございました」
「どうかご無事で。」
「…はい」
「私達は探偵ですから…この国の平和を考え、もう会うことのありませんよう…またとは言わないでおきます」
「あぁ…。そうだな」
「ありがとうございました。」
ヘリの中の時と同じように敬礼を見せた。
一般市民、国民を思うときっと会わずに済む方がよい。夜神次長達との最後の挨拶を交わした。
もう会う事がないよう願って…
「…半日くらいかぁ」
「飛行機ですか?」
「えぇ、長時間のフライトは苦手なの」
「私もですが、あなたがいるのでまあそれも良しかなと」
「そう?」
こうしてどこからチャーターしたのか分からないがプライベートジェットへ乗る準備を済まし、飛行機に乗り込んだ私達。
私は持っている分譲はもう売り払う事にした。特に何も無いので、管理を一任している不動産会社に全て任せることにした。まずはイギリスへ飛び、Lの所有する田舎町の別荘へ。イギリスに到着次第、Lは止めていた依頼や案件を受けるというので、私たちは多分イギリスに着いたらまた忙しくなるだろう。
「あなたへの依頼も全て窓口をワタリにしようと思うんですが、どうでしょう?」
「…勘づく人間が出てこないかしら?」
「私への依頼が届くには違うアドレスやネットワークを経由して最終ワタリへ届くようになっていますのであちこちへ飛び交って最終ワタリのところへ届き、初めて私の目に止まる。…でないとコイルやドヌーヴが同一人物だとすぐにバレます。」
「あなたの依頼も私の依頼も互いが互い同士解く…と言うふうにしたいんです。」
「…私もそうしたいと思っていたわ。イギリスに着いたらそう提案する気だったの」
「決まりですね」
「…末恐ろしいことで」
読んでいた小説から、ちらりと目線をこちらに向けるワタリ。
「…ごめんなさい、ワタリ。あなたの仕事を増やしてしまう事になるわ」
「なんて事ありませんよ、ナナ。…お茶でも淹れましょう」
上昇気流を越え、安定飛行に入った頃にワタリはシートベルトを外して、キッチンのある方へ向かった。
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探偵達の旅路