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主人公
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そうして、後日一つの事件の解決報告を読み一安心。
私達はこんな日々を過ごした。日本の近くへ2人で出かけたり、ホテルでのんびり過ごしたり。時折Lか私に入る依頼を2人で推理する。こんな日々を過ごした。
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程なくして、キラ事件の犯人2人の特別施設への収容日が確定した。それについては特段問題はなく、イレギュラーがなければ予定通りに遂行されるだろう。こうして2人はレムとの取引通り安全を確保しつつ日本警察の元からLの監視下に置かれ
る事になる。舞い降りた死神から引き起こされた事件は収束を目前としていた。
2名のキラが極秘に逮捕され、間も無く1ヶ月。
“キラの活動が止まった、 Lの勝利か”
などと言った報道や噂が世界を渡って相次ぎ、以前のような世界に戻りつつあった。Lが勝ったのかと謳われだしてから、より一層Lは世界で暗躍する存在として称賛される一方でキラを支持する者達からのLへのアンチテーゼも多く、Lはより危険な立場に置かれた。そんな事何とも受け止めない…張本人。
「世界の新の神はLですって…
「私はただの人間です」
ばり、ばり、とコンソメ味のフライドされたチップスを齧る。
ポテトチップスは食べるんだ…という疑問はまあ置いておいて…
「そうよね」
「はい、食べるし、眠るし、人も愛するし、嫉妬もします。ただの人間です。…私も月君も」
「私達は死神の存在を目の当たりにしてしまった以上、神などいないとも言い切れないけど少なくともあなたは神じゃないわ。世界の名探偵Lというだけで、私の恋人だものね。けどあなたの身が心配だわ」
「私の恋人…非常に良い響きです。気に入りましたね」
ふふ、と笑い新聞を広げる私の腕を引き自分に抱き寄せると、自分の膝の間に私を収める。
「…平気かしら?」
「私は大丈夫です。しかし、動き過ぎてしまったので、しばらく身を隠しておきます。月君と海砂さんの移動が終わったら私も日本を離れようかと。あなた、フライトはどうしますか?」
「……2人の移動を見届けて、すぐ飛ぶ便を取ろうかと思ってた」
「手配しましょうか?」
「ううん、平気」
「……そうですか」
暫くの沈黙。
破ったのはLの方だった。
「この事件に置いて、1番の私の機転はあなたへ協力をお願いした事でした。」
「そんな事ないわ」
「でなければ私は死んでいたかもしれない…なによりあなたと肩を並べ、捜査し、あわよくばと願ったあなたと恋人になれた。……皮肉にも死神と月君に少しだけ感謝しています」
それは世界の名探偵Lとしてではなくて、1人の男性Lとしての言葉だった。
「…私も。あなたに必要とされ、あなたと捜査し…あなたの認める存在になれた事もあなたのガールフレンドである事も全て誇りに思っているわ」
「…ナナ」
私からLの唇に、キスを贈った。
「…愛しています」
「私も愛してる」
「…L、あなた最近表情が前より柔らかいわね」
「…あなたのせいですね」
ふふ、と笑うL。
この人があればきっと世界は大丈夫だろう。
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こうして夜神月と弥海砂の護送日。
私とLはとある航空自衛隊の基地に来ていた。
素顔は晒せないので、2人がヘリに乗り込むのを確認、護衛官達の去ったタイミングでヘリへと入って行った。
「夜神月、弥海砂。」
Lが声をかけた。2人は目隠し、手錠をされ、Lの管轄にある施設へと間も無く輸送さる。
「これから私の管轄内の土地、施設で私の監視下の元生活していただく事になります。自由は制限されますが死神レムとの約束もありますし、安全保障の上での隔離としての生活になります。よろしいですね?」
NOとは言わせないとでもいうようなよろしいですね?だった。2人とも、口を閉ざしたまま頷いた。
Lも竜崎として接した2人。キラでなければこうはやっていなかっただろうし、とくに夜神月のこと自体は互角に話し合える仲、決して嫌いではないのだろう。
護送に関しては、凶悪犯連続殺人特別捜査本部…キラ捜査本部、夜神次長を中心に最終メンバーの4人が付き添う事になった。
4人に会うのは、約1ヶ月ぶりだった。
「…レム。ありがとう。」
「あぁ」
「これで、取引終了ということでいいかしら?」
「いいだろう」
こうして私はあの時のようにレムと握手を交わした。冷たく、人の手ではない感触ではあるがどこかに優しさを感じる手だった。
これが、死神と人間という異例の取引の始まりと終わりを示す合図だった。
「お前も幸せにな」
レムは私にだけ聞こえるよう一言そう言った。
…全く、死神って。呆れたように笑い返すと、レムは満足そうに口角をほんの僅かに上げた。
「リュークも。暇になったらいらっしゃい」
「林檎、あるんだろうな?」
「えぇ、定期的に輸送してもらうよう手配してるわよ」
「”ユリ”おまえ分かってんなぁ!」
全く…死神に空気を読まれるとはね。
…ほんの少し、死神と人間の間に偶然生まれた絆というものを感じてしまった。
「では、よろしいですね」
「日本警視庁の皆さん、後は…「”竜崎”」
私の言葉を遮って、夜神月がLを……竜崎を呼んだ。
「何です?」
「少しいいか」
Lが夜神月の元へ近付くと、何か小さな声で一言言う。
ヘリの暖気音と振動の音で聞こえなかったが、特段気にも留めなかった。
…当人同士、何かあるのだろう。
2人は小さな声で、互いにしか聞こえない声で2、3言交わすと離れた。
「…海砂。あなたの望みは叶えたつもり、どうか、自分を不幸だとは思わないで」
こくん、と頷く海砂。
「…では」
「後はよろしくお願いします」
「捜査本部の皆さん、ありがとうございました」
輸送ヘリを降りようとすると、捜査本部の4人は仕切りに立ち上がり、Lと私に敬礼を向ける。私は小さく頷くと私達はタラップへと足を進めた。
おそらく彼らとももう会う事はないだろう。
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轟音を立て、ヘリコプターは青い空へと向かい上昇するのを、ヘリポートから暫く眺めた。
「…終わりましたね」
「えぇ…」
「…空港まで送ります」
「…ありがとう」
ワタリの運転する車は、国際空港へと向かっていた。
「…本当にありがとうございました」
「こちらこそありがとう。ワタリも」
「忙しい日々でしたね」
静かな車内、車は空港へと向かう。
この事件の記憶と、Lとの思い出がずっと頭の中でうるさく騒ぎ立て、死神からの言葉「幸せに」…
レムの言葉は私の耳元でこだまする様に鮮明だった。
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探偵達の残存