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主人公
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Lと恋人同士になって、初めて身体を重ねて知った事。
彼は嫉妬深かった。
恋愛事情には無興味、どころかもっと淡々としているのかと思っていたけれど、実際のところ全然そうではなかった。そして彼は異常な程甘い性格だった。
「…だから、気持ちはなかったのよ」
「…ハニートラップなんて金輪際掛けないで下さい」
「数回だけよ…それに過去のことでしょう?」
「数回?私の知る限り………数回の内に入りませんね…知らない事もあるとしたら許しがたい。それに迂闊に男、ましてや犯罪者やそれに近い人物。近づくなんて危険です」
「…もうしないわよ」
本部のビル、長い廊下を歩く私の後ろをペタペタ音を立てて歩くL。
「……えーるっ」
振り返って、少し背伸びをしLの唇にキスをすると黙った。
「…これがハニートラップ……」
「…何言ってるのよ」
おしゃれなカフェの様な部屋が一つある。そこへ入るとワタリは既に朝食を用意して待っていてくれた。
「…2人とも。おはよう。随分仲のよろしい事で。」
「…Lには参るわよ…この男物凄く嫉妬深いのよ。ワタリ知ってた?」
「私は嫉妬深いのではありません。私は何よりも大切な大切な恋人に注意をしているのです」
「…子供の頃から変わりませんな」
「「違います」」
愉快そうに声をあげて笑うワタリに、Lと私は顔を見合わせて、笑った。
「2人とも。朝食にしましょう」
こうしてキラ事件解決後、1日目が始まった。
「…そう言えば夜神局長が尋ねてきたいと仰って連絡をしてきております」
「…時間は」
「昼過ぎだそうです」
「いいでしょう、返事をしておいてください。」
「…そう言えばあの時の “All Delete”もダミーよね?」
「はい、ですからここのデータは全て消しておきたい。おそらく来月には売り払うのでセキュリティも全てリセットしておきたいです。お願いできますが?」
「すぐ終わるわよ」
「お願いします」
なんでもここは投資家に買い取られ、その後は一般的なオフィスビルとして使用されるのだと言った。オフィスビルにするにはこのセキュリティは少々使い勝手が悪すぎるだろう。
竜崎とワタリはキラ収容施設が完了し、夜神月と弥海砂をそこへ移すまでは日本に滞在するのだと言う。
「ナナはどうするおつもりで?」
ふとワタリに問われた。
「…それが考えてないのよね。今はドイツに分譲を一つ持っていて、日本に来るまではそこに住んだり、依頼の関係でホテルを転々としていたんだけど。大した依頼もないしドイツに戻ってしばらくのんびりしようかしら」
「…私と一緒に来ませんか?」
「あなたと?」
「はい、私は願わくばそうしたいと考えていました。特に日本で顔を広めすぎてしまったので危険も否めませんし…私は離れたくないと考えていますが、あなたには自由に動き回って欲しい気持ちもあります。探偵としても能力も非常に高いので1人でも充分でしょう。まぁ、ハニートラップは許しませんが…」
Lと共に生きる…か。
「……少しだけ考えても良いかしら?」
「もちろん構いません…。それまでは日本に滞在しますか?」
「えぇ、そうするわ」
「…賑やかな日々になりそうなことで」
なにか、全てを悟った様な表情を見せる。
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本部内のデータを全てL所有のパソコンへと移し終え、ここのデバイスに残る物や監視カメラの映像は全て消去し終えると、Lは写真や映像、全ての消去を終えた。特に大学は首席挨拶までしてしまい、派手に素顔を出してしまったが、入学記録や受験記録等あらゆる携わった物をしっかり抹消した。この辺はさすがLね。更には海砂の事務所への処理等も。こうして私たちがキラ事件に関する日本で行った事は全てなき事とされていった。
「こちらは処理完了よ、全てあなたのパソコンへ移設済み」
「はい、こちらも。あなたの顔写真や映像が出る事はありません」
「ありがとう、助かるわ」
裏の世界を生きる私達は存在などしないに等しい。
そうこうしていると夜神さんが訪ねてきた。
「竜崎。昨日より”容疑者”の収容が終了し、2人の”容疑者”は日本警察が確保しております。弥容疑者は容認しており、…夜神容疑者は依然として否定とも取れる発言をしております。」
「…否定、ですか」
「…キラを抹殺するのか、と。自白と取れる映像やデスノートを使用する映像も否定している」
「…まだやってるんですね。分かりました、一度私も近いうち行きましょう」
「…その、すまなかった」
「…いえ」
「君の推理が最初から正しかった。私は私情を理由に君の捜査を…「仕方ありません」
「L。私は…あなた達会えた事、光栄に思う」
「…私もです」
「…私は父親がどう言うものか知らないけどこう言うのが親というものなんだと分かりましたよ。夜神さん」
「…それと、次長への昇進おめでとうございます」
「っあぁ、ありがとう」
私とLの言葉に気恥ずかしそうにする夜神さん
「それで、ノートと犯人2人の公表なんだが、表沙汰にしないほうが良いだろうと私は考えている」
「…私もそうすべきかと。世間のパニックや模範犯を考えると公表はしない方が良いと思います。ICPOにもそう伝えるつもりです」
「…後はノートの処分ね。…今所有者は私と夜神月よね?」
「あぁ、お前とライトだな」
レムはいま所有権のある夜神月に憑いているのでここにはいない。
「…ノートを落としたあなたのせいでもあるけど、あなた達…特にレムのお陰で解決できた事もあるから可能な限りレムの意思も汲み取りたいのだけれど」
「あいつはミサのそばにいたいんじゃねーか?」
「例えば所有権夜神月、弥海砂が持ち私がノートそのものを預かるとすればどうなりますか」
「その場合なら俺とレムは所有者のそばにいる事になるだろうな。記憶も失わないし、俺達の姿も見える」
「…死神がデスノートを持たせた人間の最後を見届ける必要があるというのはそういう運命なんだろうなぁ」
「デスノートを使った人間は最期どうなるんだろうか?」
「…天国へも地獄へも行けない。デスノート を使った人間を待つのは無だ。」
「…無ねぇ」
「過去に何度かデスノートが人間界に落ちた事があるらしいが、その人間達は全員無だったそうだ」
「…確かに今後は拷問もない、殺される事もないL監視の下、生かされる。ある意味、無かもね」
「退屈そうだなぁ」
「…ずっと気になってた事があるの」
リューク、L、夜神さんが私の顔を見た。
「…死神って死ぬ事あるの?」
「あぁ、ある。前に人間の寿命を頂き、生き延びていると伝えただろ?まずはそれだ。名前を懸命に書く死神も今の死神界には少なくてな。名前を書くなんて事も忘れて寿命が尽きた奴、何度も見たな。」
「死神にも寿命があるのねぇ」
「あぁ、一応あるらしい。」
「じゃあ、人の死で心臓麻痺は死神達の仕業の可能性もあったってこと?」
「あぁ、死神はわざわざ死因を書くなんて面倒なことしねーし、あるだろうな」
「…そう」
「……そしてもう一つ」
リュークは私に顔を寄せ、長い黒い爪の人差し指を怪しく光らせ立てて見せた。
「死神は殺す事ができるらしい」
「…死神を、殺す?」
Lが興味深い顔をみせた。
「死神は寿命を迎える人間を助けると死ぬ」
「…随分綺麗な死に方なのね」
「あぁ、これはレムから聞いた話だ。死神は人間の寿命をもらって生きる存在。その逆をすれば死神の道理に逆らったとされ死ぬんだろうなぁ?」
リュークは宙であぐらを描き、バスケットに盛られた林檎を一つ手に取って一口齧った。
「…死神界からある女を毎日覗く様に見ていた奴がいたそうだ。その女は寿命がもう僅かだったそう。寿命の日、夜道を歩いていたら、ストーカーに刃物で刺されそうになったとか。そのストーカーの男は”君を殺し、自分も死ぬ”そう言って女に刃物を向けた時、その死神は女に恋をしていたんだろうな、躊躇わず男の名前を書いた。その瞬間、その死神は砂?みたいに崩れて無くなって、そいつのデスノートだけが残ったんだとよ?クククク…」
「…なるほど」
「で、このノートが死神レムによって弥海砂の元へ渡ったんですね?」
「海砂は死神によって生かされたのね」
「お前ら本当に鋭いな!?そうだ、レムはそいつの事をずっと見ていたんだとよ」
最後の一口と、林檎を丸ごと口へ放り込むリューク。
「死神は海砂を助けなければ死ななかった…と」
「あぁ、どうやらその死神の寿命は海砂に加算されたらしい」
「それでレムは彼女をやけに気にしていたのか…」
何とも切ない話だった。
「死神も恋とか愛とか、あるのね」
「ま、俺はそんな死神みたことねーけど。海砂の事もあるしそうなんだろう。死神に愛された人間、不幸にならないわけがない」
「……否定できないわね」
「だろ?死神に生かされ、デスノートを手にし、愛したライトに利用され、使われ。今も尚別の死神に愛されて。…デスノートを使用したミサの運命だろうなぁ?」
仕方ない運命だ、それに彼女も望んでいる事なのだとしたらそれを辿るしかない。
なんとも言えない気持ちでコーヒーを一口煽った。
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探偵達と死神