short用
主人公
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
海砂のモニターを見た相沢さんが途端に口を開く。
「竜崎、13日のルールがあるんだ、50日も監禁された弥や月君を監視下から外すべだろう」
本部員達はここ数日このような事をしきりに口にした。
“この13日以内に新たに名前を書かなければ死ぬ”
これが真か、嘘か。
これだけでも分かれば…そんな矢先だった。まだ解放は早いはずと思っているのだが、疑わない彼らの言葉はどうしようもない。
「……わかりました。2人の監視を解きます」
「じゃあ僕が海砂に会うときは外でと言うことになるな。」
「…会いたいんですか?」
「…あぁ、あれだけ僕に好意を見せ、僕の為に動いてくれたんだ。気持ちも動くよ」
気持ちが動いた…ねぇ
そして海砂は明日、ここを出て家に帰る事が決まった。
夜神月はここに出入りし、捜査を続け事件の解決を見届けると言う。
先程竜崎の告白。時折頭を巡り少しだけ心臓が揺れる感覚。その感覚を閉じ込める。今はまだやるべき事がある…
そして私は海砂との約束を果たす為に、食事を持って海砂の部屋へと入る。
その夜は海砂と食事を摂ることにした。
「ねぇユリさーん!一緒にお風呂入ろうよ〜!は だ か の つ き あ い ♡」
「全く…何言ってるのよ?明日ここを出られるし、夜は撮影なんでしょう?早く寝ないと、お肌に悪いわよ」
「げーっそうだった。離れたくないなぁユリさん…」
「すぐ会えるわよ。あなたの活躍、応援してるわ」
少し寂しそうにする海砂だが撮影の為早く寝なきゃ〜と慌てて寝支度へと急ぐ海砂に、また明日ねと手を振って、食事を済ませた食器類を持って部屋を後にした。
(やっぱり)
海砂の部屋から出てくる私をしっかり捉えているレム。
そして、夜神月が口を開く。
「…竜崎、このノートを使った物を捕らえたとして罪に問い、罰せられるのか?」
「…そうですね。立証は出来ないが、死ぬと分かっていて名前を書いたのなら、抹殺とは言わないがそれに近い措置をとるでしょう。」
「そうね、ノートを公に出来ないのなら終身刑くらいが妥当かと。」
「…抹殺とは穏やかじゃないが上の方はそれに近い措置を取るだろう。」
一瞬、何か言いたそうにしたレム。
海砂が、ここを出る…。
もしかしたら時間がないかもしれない。
-------------------------
深夜。
全面ガラスが張られた階段。
まるで教会を思わせるような造りの本部ビル最上階。
白い翼が月明かりに映え、その姿は死神ではなくまるで天使に見えた。
----…天使。
今日は満月だ。
「…眠れないの?それとも眠らないの?」
「…私は死神だ。眠る必要などない」
「ならりんごは食べるかしら?」
「死神は退化とも進化とも言うのか、食べなくても死なないが、食べる死神もいる」
「…いいヒントをもらったわ」
「…!!何が言いたい?」
大丈夫、夜神月は自室に入ったのを確認した。
--------絶好の機会。
「…今日は満月ね」
「…」
「死神は黒いと思っていたけど、人間が作った幻想かもしれないわね?」
「…そう言うやつもいるが」
「白いあなたの翼が天使に見えたの」
「私は死神だ」
バサッと音を立て、雄々しい翼を広げた。
「悪気はなかったのよ?本当にそう見えただけ」
「奇妙な奴だな、お前…ナナ」
「……お見通しってことね」
「あぁ」
「海砂を監禁して3日目だったかしら?前髪が揺れたのを見た。…レム。あなたね?」
恐怖はない、といえば嘘になるがレム…どうしても嫌いになれない、レムに対しては恐怖だけではない。
「レム、あなた海砂になんらか感情を抱いている。そうよね?」
「!!」
-----(やっぱりね。レムのこの反応を見て、間違いない。海砂は第二のキラ、夜神月がキラ。)
確信を得た。
「…レム?私と取引しましょう。」
「…取引?」
「今のあなたの反応で仮定が確信に変わったわ。あなたの望みは海砂の幸せと絶対的な安全。違う?」
「このままいけば海砂はキラ…夜神月の都合のいいように使われてしまう…
本当にそれでいいかしら?
ここに残る月。本部を明日出ていく海砂…
誰がデスノートを使い、キラとして行動するのか一目瞭然でしょ?」
これは想定であり仮定。ほぼハッタリになるが仕方ない。Lに倣う。賭けてみるしかない…
「夜神月はなんらかの方法で再度海砂にノートを持たせ、火口以降のキラとしての行動を再開させる。私はそう考えてるわ。そうなれば彼女は幸せかしら?夜神月は海砂の気持ちを利用し、第二のキラとしての人生を再び歩ませるでしょうね。
ノートの存在が明らかになり、更にさくらテレビの件で物的証拠まで出てしまっている彼女に対して本部の人間達もやがて海砂を庇えなくなり捕まる」
「…!」
…やっぱり何か思い当たる節があるのね。
私は続けた
「…以前海砂に私はあなたを守ると言ってあるの。
もしあなたが海砂を特別視しているなら私はあなたに弥海砂の絶対安全と彼女の望むとする夜神月のそばにいられる生涯を約束する。…まあ第二のキラとして証拠が出てしまうだろうから今まで同様の暮らしは難しいかもしれない。それでも牢に入れて拷問する事も、抹殺する事もしない。もちろん、私達の監視下に置くことにはなるだろうし、世間と隔離する事になる。でも決して苦しい日々にはならない。その裏付けも用意してるわ?
だから、レム。
あなたは私にデスノートについて開示してほしい。
そしてあなたが知っているならもう一冊のノートについて教えてほしい。」
「ミサがもし危険に遭えばどうする」
「あなたは私を殺せばいい。簡単でしょう」
「お前ならミサの安全と幸せを守れると言うのか?」
「ええ。約束するわ。あなたが取引に応じてくれるなら…ね?
残念ながらあなたの声も姿も映像や音声に残す事はできないのでしょうから証言にはできない。となるとあなたならの証言を元に私達は確固たる証拠を夜神月に突きつける必要がある。
その証拠のを得る為の証言が欲しい。」
レムは少し迷った様子を見せる。
「……私は夜神月が気に入らない。だがミサの為、殺しはしなかったか奴はミサを危険に晒す可能性があると言うことだな?」
「ええそうよ。あとは証拠を押さえたいだけよ。ノートの詳細と2冊目があれば海砂を絶対守れるわ」
「…お前の事も信用しきれないがミサはお前を…」
何か言いかけてやめた。
そしてレムは続ける。
「火口とミサが接触した時、後を追ってきたのはお前か。」
「…知ってるのね」
「…良いだろう。お前と取引してやる。」
「!…捜査協力感謝するわ…レム」
私が右手を差し出すと、レムは大きく骨ばった真っ白な手で私の手を握り返した。
「絶対救えるんだな?」
「…女同士の約束は絶対よ」
「…なぜ私をメスと分かった」
「女のカンよ」
「で、…林檎いる?」
「私は食べないな。」
「あらそう…」
こうして私は人生後にも先にもおそらくないだろう……死神との取引を決めた。
今までのどんな取引より、どんな提案よりも心臓が跳ねたが、レムは話を理解してくれた。そして、レムとも少し距離が近づいたが、夜神月の前では今まで同様の態度をする様頼んだ。
案外、私の感じた天使のような印象も間違いではないかもしれない…。
---------------------------------------------------------------
探偵達の天使