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主人公
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本部のメインホールを出て長い廊下を歩いていると、分かっていたかのように竜崎が後を追ってきた。
「…死神はユリと弥のやりとりを凝視しているようでした。」
「そう、やっぱり」
「えぇ、おそらくなんらかの感情を持っているのでしょう」
「…それでデスノートを彼女に渡したのかしらね?」
ついてくるよう手招きするので、後を追った。
小さな部屋。
そこはかつて私達の過ごした場所のような懐かしさを感じさせる小さな書斎。
「…本部内にこんな部屋があったなんて知らなかった」
「男ならこういう隠し部屋を作りたくなるものです」
セキュリティを掛けた時はまったく見当たらなかったはず。いつの間に…
「…何をする気ですか」
「レムに取引を持ちかけるのよ」
「!…なるほど。それで弥か」
「…ええ。多分、特別な感情を持ってる。なんらか肩入れしているのは、私とあなたが見てYesというのならほぼ間違いないでしょ?」
「だから、弥海砂の絶対安全の保証を条件にレムに取引を持ちかけようと思うの。もちろん、夜神月の目だけは潜り抜けないといけないけど」
「レムが応じるかはわからないのでは?」
「そこは、賭けね。あわよくばレムが話してくれるかもしれないじゃない」
「良い案ではあります。」
「でしょ。あなたの真似」
「確かに私らしいやり方ではありますが…危険です」
「平気。私の考えでもまず間違いなく夜神月がキラよ。もう手錠を外しているのに、大学へも出向かずずっとここにいるのはノートの検証に踏み込まないか監視している」
「ええ、全く私も同意です。それに弥があの時青山で一目惚れした夜神月。間違いないでしょう。」
「レムには海砂の安全の保証の代わりにデスノートの詳細、もう一冊のノートこの2件をこちらから提示する。これさえ分かれば全て辻褄が合わせられるはずじゃない?」
「…もしレムが応じなければ?」
「その時は別の策を考えるか、……ゲームオーバーな気がする」
「一か八か、と?」
そうよ?と頷いた。
「では、レムとの取引はあなたに任せましょう。私は弥の安全保証の手段や方法、レムが納得する方法を手配します。…そのつもりでしょう?」
「…さすがね。特に捕まえた後よ。相手はキラ。各国の上層連中や政府は私には動かせないし、海砂の生存条件には絶対夜神月もついて回る。レムの証言をうまく聞いたとして、2人を押さえた後はあなたじゃないとどうにもできないわよ。」
「…あなたには敵いませんね」
竜崎は立ち上がり、私を抱きしめた。
「…っえる?」
「………」
Lは無言のまま、優しい沈黙。
「…どうしたの?」
「あなたが好きです。ずっと前から、愛しています…ナナ」
「っL…!」
-----静かに口を開くL。
「……昔から伝える気も、追いかける気もありませんでした。ただ、どこかで生きていてくれればそれでいいと思っていたんです。」
「ただ、この事件は私1人では太刀打ちできない、そう思い協力を要請しました。本当にそのつもりだけだった。…ですが共に過ごす内に、肩を並べて捜査し、時に死ぬ思いをし、大学にも一緒へ行き、無謀を重ねる内に蓋をしていたはずの感情が抑えられなくなってきたんです。」
小さな書斎、それは思い出を思い返させる景色。
セピア色のあの頃がまるで色を取り戻したように鮮明に目の前を彩るその記憶。
「…L、わたしっ
Lは私の唇を塞ぐように自身の左の人差し指を私の唇へ当てた。
「返事はいいんです。……聞く気もありません。あなたが困るのも分かっています。ですが、自分の気持ちとして、伝えたかっただけ。」
「私の為に本部員へ反発してくれた事、私の為に走り回ってくれた事、常に冷静で端的で、私の為に危険を犯し、怪我まで負う姿、挙げればキリがない。
…いくら私でも気持ちを抑えられるはずがありませんでした」
「この先、永遠に伝えられなくなる可能性もあると一刻も早く伝えたかったんです。」
……涙が出そうになるのを、必死に耐えた。
もう一度、ぎゅっとLが私を抱きしめた。
「私はこう見えてジェントルマンですから、伝えられればそれでいい…。どうか困らないで」
私の顔を自身の胸元に当て、髪を撫でる。
-----You're the only one I'll ever love for the rest of my life.--
(…君は私が生涯愛し続ける唯一の存在…)
「っ、L!」
「…さあ、戻りましょう。最後の大詰めです…
命を賭けて。」
「……ええ」
小さく、甘い、秘密の書斎を後にした。
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探偵達の懸想