short用
主人公
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、まだ少々痛みはあるがワタリの治療と竜崎の介抱で動けるようにはなったし頭も正常そう。
私は自室を出て本部メインホールへ降りた。
「白樺!もう平気なのか!」
と心配そうな顔を見せる夜神さん。
「ええ、もう万全ですよ」
大丈夫であることを伝えるとよかったと安堵を見せた。どうやらかなり心配してくれていたらしい。
そして、目の前に怪しく立つ死神と目を合わせた。死神も私を凝視していた。
あの時、海砂の髪を掬ったのはこの死神なのかしら…?
だとしたら賭けに出てみてもいいかもしれないわね?
ホールの1番大きなモニター、メインモニターには何食わぬ顔で雑誌を広げる海砂。
彼女が動くたび、死神はモニターを気にかけるような素振りを見せ眺める。私は暫く死神を観察してみる事にした。
…この事件の鍵はきっとこの死神が持っているんだろうと女のカンが働く。幾度となくこのカンに頼ってきたのだ、そして正しかった。
(…今回も頼んだわよ)
死神は名をレムと言った。
「…じゃあ火口が会話していたのはあなたなのね」
「あぁ、そうだ。」
そして、このデスノートには英語で使い方が丁寧に記されており、
”1番最後には最後に名前を書き込んでから13日以内に使用しない場合死ぬ”
そう書いてあるのだった。
これが嘘だとしたら、色んなことが覆されるだろう。
あとはなぜあのタイミングで火口が殺されたのか…疑問は深まるばかり、武器は分かっても謎は深まるばかりだ。
「レムさん。ノートが少し切れていますね?ここに名前を書いても死にますか?」
「…さぁ?死神はそんな使い方しないからわからない」
竜崎と私は死神に色んなことを問う。
「肝心なところは全部それですね…」
日本のコアラの形をしたお菓子で遊ぶ。
絶対に知ってるくせして何も語らない。
誰かを護っているのか、それとも誰かにそう指示されているのか。
なんだかそんな風にも見えてきた。
そこへ相沢さんが入ってきた。
「竜崎、白樺さん、このノート、切れ端や書かれたインク等全て鑑識に回したが未確認物質、分からないと回答が上がってきた」
「…そんなところだと思いました」
重い空気が漂う。
……この死神、やけに私を見るわね?
仮にもし拘束の時までレムが海砂に憑いていたのだとする。レムが海砂になんらか肩入れしているのだとしたらレムが私を敵視するのも無理はないか、と仮定してみる。
「……なぁに?レム」
顔を逸らして、また海砂の映るモニターを見る。
今ここで海砂をここから出すのも危険な気がするわね。あまり意味はないかもしれないけどやってみる?
レムが海砂になんらかの感情があるのか、それによって私を注視しているのか。
おそらく13日ルールの事から直に夜神月及び弥海砂の監視を解けと言い出すだろうし、時間もない。
隣に座る竜崎に小さくアイコンタクトを送る。
こちらをみて好きにしていいと言わんばかりに小さく頷く。
(…絶対あなたを死なせはしない。)
そう決心して、竜崎からの返事を確認すると私は立ち上がり、海砂の部屋へ向かった。
バッとレムは私の方を見る。
(やっぱり……ビンゴかしら?)
ピピピ、と小さな電子音を立てドアのロックを解除。海砂はやや退屈そうにしていた。
「っユリさーん!!なんか久々な気がする〜!!」
「そうね、ごめんなさいね。ちょっと立て込んでたのよ」
(レムの様子は竜崎が絶対確認しているだろうと確信に近い信頼を持って海砂と触れ合う。もしレムが海砂になんらかの感情があれば、うまくいけばレムを味方にできるかもしれない)
博打的なやり方であったが、成す術もないので仕方がない。そして海砂がいつも通りでよかった。
「ねぇー!もうすぐここを出られるかもしれないよってマッツー言ってたけどそしたらユリさんとお別れになるの?」
「あら、松田さんそんな事言ったの?」
「うん、」
(ナイスね、松田さん。いい話題だわ)
口が軽いと言うのも、たまには便利なのかもね。
「大丈夫よ、もう2度と会えなくなるわけじゃない。それにまだここを出る日が決まったわけじゃないから…
ごめんね、帰りたいだろうけどもう少しここにいてもらうわ」
「ミサぜんっぜんいい!ライトもいるし、ユリさんもいるしね〜!それより怪我したって聞いたけど大丈夫?」
「ええ、もう大丈夫よ」
「っよかったー!!」
こうしてワタリに頼んでケーキスタンドを持ってきてもらい、海砂とアフターヌーンティーをして過ごした。
「あっユリさん!買い物に行く約束覚えてる?」
「えぇもちろんよ。海砂が自由になったらでしょ?」
「うん!絶対約束守ってよねー?」
「言ったでしょ?女の約束は…「「絶対でしょ?」」
「よかったー!」
きゃっきゃと無邪気にはしゃぐ海砂に少し心は痛んだ。証拠が出てしまっているだけに第二のキラであることも否定し切れないが、もし仮に第二のキラであったとしてもこの子の幸せは守ってあげたいと少し願う私。いや、いっそこのままキラであったことを思い出さなくていい…
(レムどころか、私が肩入れしてるわよね…)
レムが海砂になんの感情がなければあまり意味のないやり取りかもしれないが、もし万が一なんらかの感情を持っているのなら、絶対意味はある。
相手は死神、人間なら簡単だが流石の死神となると対処もわからない…自分の考えを否定する自分もいるがもう賭けるしかない…!
頼むわよ、レム、海砂。そして私のカン。
「…じゃあそろそろ戻るわね」
「えー!寂しいよ」
ぎゅっと抱きつくので、背中が少し痛むけどなんとか耐えた。
「もう、海砂。前より遥かに甘えたね?」
「だってライトが甘えさせてくれないんだもーん!」
「あら、私は夜神君の代わり?」
「違うけどー!ユリさんも特別なの!」
「…分かったわ、じゃあ本部の仕事を終えたらまた夜にでも来るわ。ね?」
(まったく。これでは誰が恋人なのかわからないわね)
こんな所でいいでしょう。あとは竜崎と2人きりになった時にでも聞いて、判断するしかない。
「またあとでねー!!!」
ぶんぶんと手を振る海砂に笑顔を見せまた後でね?と私も手を小さく振り返して部屋を後にした。愛しているのは夜神月だろうし、忠誠も違っているのは彼だろう…けど多分私の方が海砂との信頼関係は築いてきたはずだ。…拘束はしたけど。
本部に戻った。
「…随分と海砂が懐いてるね」
「そうね、ほっとけなくてね」
「世話をかけてすまない…白樺さん」
「いいのよ、可愛らしいから」
(監禁後すぐは女性の気持ちを踏み躙るの道徳に反する、なんて言ってたくせに今度はまるで所有物のように言い方)
このやり取りをレムは目を光らせて見ており、モニターと私、交互にレムは見た。
そしてそれを監視していた竜崎。
-----静寂とした空気が互いを煽るようだ。
そして、静かに核心への扉を開こうとした。
---------------------------------------------------------------
探偵達の静寂