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主人公
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「…ノートだ」
私に銃を向けられた火口が口を開いた。
いよいよもう無理だと観念し、諦めたのだろう。
火口の主張はこうだ。
自分は人を殺せるノートを持っている。その力がキラの力だと…。
そしてそのノートを拾いキラとして人を殺した。
そんなこと、俄かに信じられるはずがない。が、この極限でそんな嘘や冗談を言うだろうか?火口のボロボロになった車を躊躇いくドアを開ける。
火口が家から持って出たバックには黒い一冊の大学ノート。一体このノートがなんだというのだろうかと正直信じがたい証言に呆れたながらノートを捲る。
「…竜崎?ノート、あるわ。人の名前も無数に書かれ…!?」
感じたことのない鋭利な視線を感じ、見上げるとそこには白く、巨大な…見たことのない存在感。
「……まさかね」
「…ユリどうした?」
自分がおかしくなったのか、バイクから飛び降りた時の衝撃で神経でもやられたのだろうか?と疑い、流石にどこにも向けられない嘲笑いを漏らしてしまった。
信じられない光景。
いや、一層の事どこかおかしくなってしまったがよかったかも…
訝しげな私に竜崎はイヤホン越しに声をかける。
…が、頭にはあまり入ってこない。そして思考は動き出す。
そうか、これでやっとこの事件の開始。今までの月日は序章に過ぎないのだと悟る。
「…白樺さん?どうしたんだ?」
「ユリ?」
夜神君と竜崎の声を他所に過去のピース達が頭を駆け回る。そうだ、
これは間違いなく死神だ……
死神…?
“える、しっているか死神は、リンゴしか食べない”
キラ、そして第二のキラ…
!?
ノートは2冊以上存在しているということ?
途端、思考が動き巡る。
驚きの事実に硬直する自分の身体。
「ユリ!ユリ!?」
耳元には不安そうな竜崎の声。
「…白樺どうした?」
「大丈夫か?」
心配そうな夜神さんと模木さんが近付いてきて、私の手に持つノートの端に触れる。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
夜神さんは慌てふためき、胸ポケットに入っていないはずの拳銃を慌てて探し、模木さんは地面に尻餅をついた。いつも冷静な2人の動揺。
…無理もないだろう。
「ど、どうしたんだ!父さん!模木さん!」
「ユリ動けますか?ノートを…」
竜崎はヘリを降り、こちらに来ようとするので慌てて私がヘリまで歩こうとしたがだめだ、全身、脚の痛みが限界で動けない…極限状態を超えたのか私はその場に倒れ込んでしまった。
多分アドレナリン切れ。どうする?大量のパトカー、そして数人の警官が降りてきている。に竜崎の姿は絶対晒したくない。晒すわけにはいかない。この事実もいまは公にすべきではない。…
その事に気がついた夜神さん、警官達にはパトカーから絶対に降りない様、指示を入れてくれた。ヘリのライトが急に強くなり煌々としている、これなら眩しくて姿を見ることはできない。
今更気がついたが、この警官達…
こんな事相沢さんの仕業だろう。大方、竜崎からの警察への指示を聞きつけ、統率を取りやってきたのだ。
そして竜崎は夜神月との手錠を無理矢理壊し、こちらへ走り寄った。
「…っ馬鹿野郎!あれほど無茶をするなと言っただろう!?」
「…っっいいでしょ?ッ捕まえたんだから…」
竜崎がばっと素早く私を抱き抱え、ノートを手にしたままの私をヘリまで運ぶ。
「ワタリ!出血があります。強い打撲も…おそらく全身でしょう。すぐにユリの手当てを」
「はい」
私をヘリの後部座席へ寝かせるよう下ろし、素早くワタリが応急処置を施してくれた。ワタリも少々不安そうな表情を見せ、苦笑いを返す。
こうして竜崎はノートを手にし、死神の姿を確認。そして、ノートをつまむ竜崎の手からノートを奪い取る夜神月。
時が止まった様な…動き出した様な…。
痛みなど忘れるほどの絶叫
-----うあぁああああああああ!!!!!!
「だ、大丈夫ですか。夜神君。誰だってあんなものを見れば驚きます…」
これは、終わりじゃない…むしろ始まりなんだわ…
そして、程なくして捕まえたはずの火口を夜神さん、模木さんが車に乗せようとすると途端火口が叫び出し苦しみもがく。
「火口!火口!!」
「どうしたんだ!」
「火口!いや…まさか…!?しかしこれはもう…」
捕まえた途端、火口は心臓麻痺によって死んだ……いやおそらく殺された。
そして幸いな事に私は骨折などといった怪我には至ってなかった。
こうして、白い色の死神を連れ、私達は本部へ踵を返した。
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「…っっ、竜崎!デスノートは?」
目を覚ますと自室に横たわっていた。
すぐ側には竜崎、そして後ろに夜神月。手錠はあの時壊して、それよりもう外されたままなのだろうか?
ワタリの打ってくれた鎮痛剤と僅かな睡眠剤で私は眠っていたそうだ。そうだった、ヘリに乗って以来記憶が乏しい。
「ここにあります。そして、死神の方は松田さん、模木さん、相沢さんの3人誰か必ず必ずそばにいる様言ってありますから大丈夫です。私が戻るまで誰も何も触れない、誰も何も話さない様命じてあります…
それよりもあなたです。」
「…はい。なんでしょうか?」
「…やけに聞き分けが良さそうですね?」
「なぜあんな無茶をした…」
「火口はあそこで止めようと思ったのよ、」
「私は……よかった、無事で」
ちら、と背後の夜神月に一瞬だけ視線を移して何か言い掛けたのをやめた。
「…やむを得ないじゃない?」
「…言いたい事は山程ありますが、それは治ってからにしましょう。レントゲン、MRIなどあらゆる検査はしましたが、異常は見られませんでした。点滴にも少量の鎮痛剤を混ぜていますし、すぐに良くなるはずです」
「平気よ、少々大袈裟「いい加減にしてください。」
「……ねぇ捕まえたら終わりそう思っていたけど全然終わりじゃなさそうよね。むしろ始まりだわ」
「あぁ、そうだね白樺さん。むしろ本場はここからだ。ノートはもう一冊はあるだろうし死神から聞くこともたくさんある」
なんだか雰囲気が変わったような…
それにノートを手にした時の彼の異常な程の叫声。普段より冷静で淡々とした彼があそこまで驚くだろうか…。夜神さんや模木さんでもあそこまでではなかった…まるで、命が乗り替わるような瞬間に見えた。
「どうであれ、相手の武器は分かったんです。あとは誰がキラなのか…まずは当てはまる者を挙げます。より慎重により徹底して調べましょう。私もこのノートに関してよく考察したい。」
「なんであれ、早く炙り出そう」
「僕は戻ってノートに書かれた人物達の実際の死亡照合を見てみるよ」
そう言い残し夜神月は先に私の部屋から出て行った。
「…まるで監視ね」
「はい、私達がノートを検証しないか監視しているといったところでしょう。……とりあえず今日は眠ってください、それとも果物食べますか?」
「…食べる」
「では、」
竜崎が私の口元へ葡萄を一粒運ぶ。
「…自分で出来るわよ」
「いいから」
「…おいしい」
満足げににっと笑って自分の口へと一粒放り込んだ。
「…もう少ししたら話したい事があります」
「?え、えぇ…」
「最後の大詰めの後ですか…」
竜崎は目を逸らすように紅茶に口つけた。
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探偵達の極限