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主人公
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昼下がり。
日本警察とは切り離されたキラ捜査本部署内の尋常じゃないセキュリティシステム達の張り巡らされた厳重なロック。
一般的なオフィスビルに見立て、 Lによって設立された無機質なビル。
エントランスを潜ればセキュリティシステムの指紋認証からスタートする。
もう通って暫く経つと慣れた手筈でそのシステムのロックも解除出来るものだ。
何重にもかけられたデジタル的なロックにパスコードの入力。
ピピッと静まり返ったビルに響く小さな電子音。
シュッと音を立てれば重々しい扉が左右に開き、いつも通り、散りばめられたモニター達。
真ん中に Lがこちらに背を向けて膝を抱えて座っている。 Lと月君以外は全員不在の様だ。
扉が開いた瞬間にはこんがりとした焼き菓子の匂いが鼻を掠めた。
(今日は洋菓子か…)
「おはようございます。 L、月君」
昨夜からずっと作業をしていた様子の2人。
実は昨日、月君の推理によってヨツバグループ内にキラが潜んでいる可能性が割り出された。
雲を掴む様な作業と推理を繰り返してきた捜査本部にとっては突破口と見え、皆の士気が再び熱を帯びたところ。
「ええ、1秒でも早くキラの正体を暴く為です。」
「気がついたら朝だったんだ…」
少し疲れた顔で苦笑いする月君とサクサクと焼き立てのクッキーを齧る竜崎さん。
「2人とも無理はしないでくださいね」
「ありがとう。ナナさんもだよ。」
「私は2人に比べたら全然のんびりさせてもらってるから少し申し訳ないです。」
「……」
歳の近くてとても優秀な月君には敬語を使われるとなんだか気まずいの気さくに話して欲しいと頼んだところ、そうしてくれている。
竜崎は黙ったまま何か書類を見ながら、キーボードを叩き、クッキーを齧る。
「あ、そうだ。2人とも休憩がてらよかったら飲みませんか?」
買ったばかりのおしゃれなカップに入ったホットドリンク。
一つはホイップクリームをたっぷり入れてもらい、もう一つは少しビターにしたラテ。
「多分2人はいると思って、竜崎さんと月君の分も買ってきたんですよ」
「ありがとう、ナナさん」
「…ありがとうございます。」
僕は甘いのが苦手だってよく知っていたねと、端麗な顔立ちのまま、カップを煽る月君。
「私のは甘いですよ」
カップの蓋を外して、いつも紅茶を混ぜるスプーンを手にかき混ぜる竜崎。
どちらの合図もなく休暇とされた雰囲気だけを切り取ればここが凶悪殺人犯を追って捜査している場所だとはとても思われないほど穏やかで何気ない。
毎日張り詰めた空気と自らの死に迫る可能性の高い現場だけどせめて少しの時間だけはこうして、他愛無い会話をするくらいは許されて欲しいと切に願う。
警察を辞めてここに残った理由はもちろんキラ逮捕を望んだから。でもそれだけじゃなくて、何故か2人が少し心配だったから…
そんなお節介は必要ないのだろうけど、放っておけない自分がどこかにいたからだった。
「ねぇ、2人にちょっとお願いがあるんだけどいいですか?」
じゃらっと2人を繋いだ長い鎖の手錠が音を立て同時に答える。
「はい、なんでしょう?」
「どうしたの?」
間も無く2人が同時に返答する。それがつい可笑しくて笑いが堪えられなかった。
「ほんと2人は息ぴったりですね」
「嬉しくありません。」
「それは同意」
「それで、私にお願いとは何でしょう?」
「違うだろ。僕らに尋ねているんだぞ。」
「そんなに大したことじゃないんですけどね…」
とポケットから携帯を取りして2人に画面を見せて続ける。
「このパズル、どうしても解けないんですよ…
何度やってもクリアできなくて…。2人なら出来るかなぁ?と思って」
「なるほど。」
「携帯貸してもらっていい?」
はい、と月君に手渡すと2人がこうだろうとか、ここはこうした方が効率がいいとか、2人が可笑しくも真剣に討論を始めた。
「天才の2人にこんな事を相談して、なんだか贅沢ですね」
と笑うと
「私にかかればこのくらい余裕です。」
「そうだね、複雑そうには見るけどすごく簡単だ。」
ほんの数十秒とクリアの文字。
「2人ともさすがですね!」
何度も失敗したのになんて凄いんだろうと幾度となくもっと凄い場面に遭遇してきたはずなのに改めて感心した。
空になったカップを置いて
「続きをしましょう。」
「そうだな。」
と、どちらともなくまた先程の作業にお互い向き合った。
どうか、この2人がずっとこのままでいられる未来があります様に…。
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秀才と天才。
2人とも、恋心にはまだ蓋を。
何となくな三角関係。
ももた的には月君が秀才で Lが天才。
続きが書きたいかもしれない関係