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主人公
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受験から数週間。
桜が咲き乱れる季節を迎えた頃。
あたり一面ピンク色に染まった晴天の下で私達は東応大学への入学試験を受け、晴れて大学生となった。
「スカート、少し短くありませんか?」
「そうかしら?」
入学式ですらいつもと変わらない格好の竜崎とスーツを着込んだ私。並んで歩く桜が咲き乱れる歩道。
そして私達の歩く周りを人がざわつく。
…確実に竜崎のせいで目立ってしまっている。
猫背を目立たせたシルエット。よれた白いTシャツにデニム、踵を踏んだ履き潰されたスニーカーの男。
どこからどう見ても目立つだろう。周りには一般的に日本の入学式に合わせた格好の人間ばかりなのだからあまりにも相応しくない格好の人間がいれば当然注目の的になってしまう。
それもそう、この男は今まで外に出て表舞台に立つ事など今までなかったのだから。
これも一つ彼の中では命懸けなのだろうが…
「竜崎…?あなたのせいで目立ってるじゃない…」
「あなたですよユリ。男の視線ばかりです。」
「あなた危機感ないわけ?」
「その言葉そっくりお返しします」
こうして軽口を叩き合いながら会場の中に入った私達は言われた通りの一番前列へ座る様指示された。竜崎の隣には端麗な顔立ちとスーツを着こなした夜神月が座る。彼もまた周りの注目の的だった。…特に女子達に。
姿勢を正して座る夜神月…対して膝を抱える様に座り込む竜崎。
その姿はどちらもを互いに注目の的にするような、対象的な存在に見えた。まるで互いの存在を掻き立て合うようだ。
----まさにキラとL……ね。
こうして入学式が始まった。
程なくして首席挨拶。
[夜神月]
「はい」
はっきりとした返事と共に立ち上がりる夜神月。
本人と対峙してより一層思う。夜神月はまさに完璧な好青年、真面目で優秀な大学生といった印象だった。一度部屋に潜入していて、監視カメラでも生活の一部を確認しているからなんとなくわかっていたが実物を見ても尚納得だった。
(とてもこの好青年をキラとは思えないんでしょうけど…それがまたキラらしさを引き立てるというか、私的には犯人像に最も近い感じがしてしまうのよね)
そうして、もう1人の首席…
[流河早樹]
「あ、はい」
…どうするのかと少し気にはなっていたけどまさかこんな偽名を使うだなんて。
(え?流河ってあのアイドルの?)
(アイドルに東大入る頭ねーよ)
(噂によると首席3人いるらしーけど、1人は挨拶辞退したって話らしいよ)
この名前なら嫌でもあの日本の国民的アイドルが顔をチラつく。下手に殺せないし、死んだり死を操って行方不明になればすぐ疑いをかけられる。なるほどね…。
そうこうしている間に挨拶を終え、降壇してくる最中。
夜神月が一瞬目を見開いた。2人は互いにしか聞こえない声で何か話している様。だが、夜神月が明らかに一瞬だけ動揺を見せたかと思えばすぐ冷静に戻ると、2人は握手を交わす。
首席同士、尊敬を向けての激励の挨拶と勘違いした人々は2人に激励を込め拍手を送った。
(何も無かったら2人の天才達の感動的なシーン…だけど生憎、世間を騒がせるキラとLなのよねぇ)
と、周りに合わせてにこやかに微笑み拍手を送った。
こうして私達の入学式は幕を閉じた。
「…流河、その方は?」
「私の友人で彼女も首席合格の白樺ユリさんです」
「あぁ、君が噂の3人目の首席の…僕は夜神月です。改めてよろしく。」
どこからどう見ても好青年としか捉えられない夜神月が右手を差し出した。
「白樺ユリよ。ごめんなさい…人前が苦手で挨拶は辞退したの。よろしくね夜神君」
私も手を差し出して握手を交わした後、またキャンパスでと軽く手を振り声を掛け合って解散した。
「彼、驚くほど真面目な好青年って感じね」
「くれぐれも注意してください」
「?えぇ、もちろんそうだけど」
「…" 色んな意味で "です。」
「…うん?」
「…ケーキ食べて帰りましょう。」
「いいけど…てか降壇のとき夜神月になんて言ったの?」
ポケットに手を突っ込んでスタスタと歩き出した竜崎。
「1人では大学へは行かないでください」
「そのつもりだけど…?」
「なら良いです。彼には私がLだと名乗りました。」
少しだけ歩くペースが遅くなった竜崎。
なんだか最近、昔より人っぽくなってきた様な気がするような……さすがに気のせいよね。
と思って後を追った。
「え?彼に名乗ったの!?」
「はい、ですから流河早樹という名前を使いました。」
「…なるほど。彼が本当にキラなら相当悔しいでしょうね」
「先手必勝です」
竜崎はほんの少し楽しそうに笑った。
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探偵達の攻撃