今日は少しだけ涼しかったから、お出かけをすることにした。

ノートにペンにシャンプーとリンス。食べ物も少し買いたい。

次にお買い物に行くのがいつになるのかわからないから、ついつい買い込んでしまった。

「失敗したなー」

今日に限って履いてきてしまった少しだけお高めのハイヒール。

久しぶりに気軽に出かけるからと、年甲斐もなく浮かれていたようだ。

重いなあ、帰れるかなあ。どこかのカフェで休憩でもしていこうかな。

そう思った時だった。

「よっ、重そうだな。持つよ。」

後ろから声を掛けられて振り返ると、そこには幼馴染の景光くんがいた。

警察官になったみたいで、大人になってからは滅多に会わない。

「景光くん？久しぶりだね。ありがたいけど、すごく重いよ？か
「桃が重いって思うなら男の俺が持った方がいいだろ？女の子が無理しちゃだめだって。」
「…ありがとう。」

二人とも小さかった頃は、こんな風に女の子扱いされたことなんてなかったからドキドキしてしまう。