愛の分からない僕たちは【暗殺・護衛チーム】
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「…相変わらず歪んでんな、あの女」
「…イルーゾォくん」
姉はあれからすぐに部屋を出て行った。
…私は喉にたまった血を吐き捨てたかったが、ここは他所様のアジトだ。
そんなこと出来る訳なく嫌嫌飲み込んだ。鉄の味に吐きそうになっているところに、イルーゾォくんの声がした。
「…聞いた?」
「最初から全部な」
「…忘れて」
「…どうしようかな…お前が俺にキスするんなら忘れてやってもいいぜ」
「……なら忘れなくていい。もう帰るよ。お邪魔しました。ギアッチョとメローネによろしく」
立ち上がってさっさと帰ろうと足を動かす。
が、風景が変わったことに気付いて足を止めた。ここは…鏡の中。イルーゾォくんのスタンドだ。
「『ギアッチョ』?」
「…イルーゾォくん、どうして…」
「いつからそんなにアイツと仲良くなったんだ?なあジョア。ひでーなァ、俺の方が先に出会ったっつーのによ」
「?なんのこと?」
「名前だよ名前。ギアッチョだなんて呼んでなかっただろ?」
「…昨日から」
「……ほんとむかつくよ、クソ女」
ぐい、と胸元を引っ張られて無理矢理唇を合わされる。血をべろりと舐められて突き飛ばした。…なにを。
「…やめて」
「…」
「…お願いだからもう私に構わないで」
「ッふざけんな…」
「…姉さんのことをよろしく。もう帰りたい…」
「……あんなビッチをよろしくだって?随分冗談がうまいなお前」
「…プロシュートさんと姉のことを知ってるの…?」
「あの女はホルマジオとメローネとも寝てる。俺も誘われたが誰があんな女にいれてやるかよ。気持ち悪ィ」
「…っ!」
「しかもあいつら、お前の名前呼びながらあのビッチを抱いてるんだぜ…お、おい」
「う…っうぇ、げほっ!ごほっ」
イルーゾォくんに背を向けて嘔吐する。
なにを、いってるの?
姉さんが、暗殺チームの人たちと寝てる?
それも私の名前を…なにをいってるんだ気持ち悪い。
「…あいつら…お前が好きなんだとよ。だからお前の代わりにあいつを抱いてんだ。よかったな、姉貴の男達はお前に夢中、ッ!」
思わずイルーゾォを殴り飛ばした。
冗談でも気持ち悪すぎる。このクズは直直にぶちのめさないとだめだ。
姉さんの前で純情だった私は今は見る影もない。ただただ目の前の男を殴り飛ばすことで頭が一杯だった。
「君が…泣いて許しを乞うても殴るのをやめない」
「いっ…てぇぇ…テメーこれ、ほね、おった、だろ…ぐぁ…」
「……出せ。ここから、今すぐに出して」
「は、ははっ、嫌、だね。出すもんか、よ、うぐぁぁあ!いっ…!テメーちゃんとギャング、じゃあねーか、よ…」
「ボスの側近だから。トロくてもね」
「…意外と根に持つタイプかよ…くそ」
「いいからだせ。3秒以内にスタンドを解かないと殺す」
「…ちっ」
能力がとかれていつもの風景に戻る。このままボロボロのイルーゾォを放っておこうかと思ったが、さすがに仲間割れをしたとジョルノにバレたら面倒くさい。
手当てをしてから帰ることにした。
「…へェ。優しいじゃねーかよ、ジョア」
「……」
「おい、無視すんなよ…なあジョア…こっち見ろって、ジョア」
「包帯だけ巻いとく。あとは病院に行って。添え木もしておくけど素人だから。このことはボスに私が報告しておく。治療費は請求書とだして。それじゃあ。…あああと。もう二度と私に話しかけるな。それじゃあね、イルーゾォくん」
「ま、待て…悪かった、俺が悪かったよ!頼むからこっち見ろって!!」
イルーゾォは慌ててジョアの腕を掴んだ。
ここで帰せばもう二度とジョアの瞳は自分に向かない気がした。
「…さっきのは冗談じゃねーよ。本当のことだ」
「証拠は」
「…メローネに聞けよ。アイツならべらべらしゃべるだろ。お前の反応を楽しみたがるはずだ、あの変態は」
「……。気持ち悪い。君らが理解できない。姉も、全員気持ち悪い」
「……やっと本音吐いたなお前。知ってるか?俺らを見るときお前すげー冷たい目してるんだぜ」
「…それは、無意識だった。ごめん」
「…別に」
「…殴ってごめん。もう少し君の話も聞くべきだったかもしれない…」
イルーゾォの頬を撫でながらそう呟くジョアに、イルーゾォは顔を真っ赤にして固まった。
ジョアが…俺に触ってる…!
歯を食いしばって喜びに打ち震える。イルーゾォは今なら天国に行ける、と本気でそう思った。
「…姉さんは昔から私に対する敵対心が強かった。…正直、私は姉さんより母さんと父さんの愛情を受けて育った。理由は…私も母さんと父さんを愛してたからだと思う。反面、姉さんは二人のことを金としか思ってなかった。でも姉さんはそれに気付いてない」
「姉さんは愛が分からない。お金のほうが好きな人だから…でもそれを認めたくないんだ」
「必死に愛を求めてる…だから…君にお願いしたい。仲間としてでもいい、姉さんを愛してあげて…。私じゃもう姉さんには届かない」
ジョアの悲痛なその声に思わず頷きそうになったが、イルーゾォはそのお願いにぞっとした。
…あの女を愛せだと?ふざけるな、俺はお前が…。口には出せない自分にイラつきながら嫌だ、とだけ呟いた。
「あの女は信用できない。…あいつは自分が助かるなら仲間なんて平気で見殺しにするやつだ」
「……」
「…お、俺は…っ、俺はお前が、」
「なにしてるのよ、アンタ達」
あの女の声だ。イルーゾォは勢いよく振り返った。ぎらぎらとした眼差しでジョアを睨みつけている。…あいつらよくこんな女を抱けるな。ジョアとは全く似つかないその目の醜さに、イルーゾォはうえ、と舌を出しそうになった。
「あんた…イルーゾォを殴ったの!?」
「…うん」
「ッよくも…!」
「ジョアをテメーが殴ったら殺すぞ。ビッチ」
「私は貴方のために、」
「この際だから言っとくが…俺はお前が他の野朗に抱かれてんのも知ってる。触んな、きもちわりー」
「…!ジョア、ジョアが言ったのね!?」
「ちげーよ。元から知ってるわ、舐めるな」
イルーゾォくんが姉に挑発的に言う。
姉は怒り狂った顔をして私を睨みつけた。…本当に姉さんがそんなことをしてるだなんて。
「姉さん…どうして暗殺チームの人達とそんなことをする必要があるの…?彼らは仲間でしょう」
「はあ?私は女よ。それを使ってなにが悪いって言うの?一度寝た女には甘くなるのが男よ。それに知ってる?あいつらアンタの名前呼んで私を抱くの。馬鹿みたいでしょ?」
「姉さん!!もうやめてよ!そんなこと、姉さんも辛いでしょ!?」
「あいつらがアンタを抱けないで苦しがってる顔、サイコーよ。…アンタを好きな男は私が奪ってやる。アンタは一人ぼっちになればいいのよ。そうしたら私はアンタを愛してあげる…私だけの物になるならね」
「……なに、を言ってるの…」
「…アンタが私をおかしくしたのよ。出会った時からアンタが…!」
「…姉さん?」
意味の分からない言葉を羅列する姉に困惑する。私が一人になったら愛してあげる…?
意味が分からない。イルーゾォくんを見ると馬鹿にしたような笑みを姉に向けていた。
「お前も俺らと同じってことだろ?」
「……ジョアは私の奴隷なのよ。アンタらなんかには絶対に渡さない」
一体彼らはなんの話をしてるんだろう。
姉さんは言っていることが支離滅裂だ。さっきまで彼らは私に渡さないと言っていたのに、その彼らに私を渡さないと言っている。
それではまるで…姉さんは私のほうに執着があるようだ。
「…姉さんは、私を家族だって思ってくれてるの…?」
「!!…誰がアンタを家族だなんて思うのよ!私から全て奪うくせに…いつもいつもアンタのことが私の頭から離れない!気が狂いそうになるの!!早く一人になって…私のところに堕ちて来なさいよ…ジョア…!」
「…姉さ、」
イラついたようにヒールを鳴らして姉が部屋から出て行く。一体なにを言っていたんだろう、姉は。混乱している私に、イルーゾォくんが顔を近づけた。
「…お前って悪魔かなんかだったりするか?」
「…は?」
「人を惑わす悪魔ってやつ。なあそうだろ」
「…私の周りに居る人はおかしくなる。昔からそうだった。…だから君も…私と関わらないほうがいい」
「……なら俺はおかしくならないままお前を愛してやるよ。それならいいだろ?なあジョア。俺のモンになれよ…」
「………」
イルーゾォの手を振り払って立ち上がる。
今度こそ小走りでアジトから出た。
気分は吐きそうで最悪だ。ああ、だから暗殺チームなんて嫌いなんだ。リゾットさん以外あの人たち全員イカれてる。
もう行きたくない…けど、姉さんは私を呼ぶだろう。次が来るのを憂鬱に思いながら私は美しい街並みを走った。
「…イルーゾォくん」
姉はあれからすぐに部屋を出て行った。
…私は喉にたまった血を吐き捨てたかったが、ここは他所様のアジトだ。
そんなこと出来る訳なく嫌嫌飲み込んだ。鉄の味に吐きそうになっているところに、イルーゾォくんの声がした。
「…聞いた?」
「最初から全部な」
「…忘れて」
「…どうしようかな…お前が俺にキスするんなら忘れてやってもいいぜ」
「……なら忘れなくていい。もう帰るよ。お邪魔しました。ギアッチョとメローネによろしく」
立ち上がってさっさと帰ろうと足を動かす。
が、風景が変わったことに気付いて足を止めた。ここは…鏡の中。イルーゾォくんのスタンドだ。
「『ギアッチョ』?」
「…イルーゾォくん、どうして…」
「いつからそんなにアイツと仲良くなったんだ?なあジョア。ひでーなァ、俺の方が先に出会ったっつーのによ」
「?なんのこと?」
「名前だよ名前。ギアッチョだなんて呼んでなかっただろ?」
「…昨日から」
「……ほんとむかつくよ、クソ女」
ぐい、と胸元を引っ張られて無理矢理唇を合わされる。血をべろりと舐められて突き飛ばした。…なにを。
「…やめて」
「…」
「…お願いだからもう私に構わないで」
「ッふざけんな…」
「…姉さんのことをよろしく。もう帰りたい…」
「……あんなビッチをよろしくだって?随分冗談がうまいなお前」
「…プロシュートさんと姉のことを知ってるの…?」
「あの女はホルマジオとメローネとも寝てる。俺も誘われたが誰があんな女にいれてやるかよ。気持ち悪ィ」
「…っ!」
「しかもあいつら、お前の名前呼びながらあのビッチを抱いてるんだぜ…お、おい」
「う…っうぇ、げほっ!ごほっ」
イルーゾォくんに背を向けて嘔吐する。
なにを、いってるの?
姉さんが、暗殺チームの人たちと寝てる?
それも私の名前を…なにをいってるんだ気持ち悪い。
「…あいつら…お前が好きなんだとよ。だからお前の代わりにあいつを抱いてんだ。よかったな、姉貴の男達はお前に夢中、ッ!」
思わずイルーゾォを殴り飛ばした。
冗談でも気持ち悪すぎる。このクズは直直にぶちのめさないとだめだ。
姉さんの前で純情だった私は今は見る影もない。ただただ目の前の男を殴り飛ばすことで頭が一杯だった。
「君が…泣いて許しを乞うても殴るのをやめない」
「いっ…てぇぇ…テメーこれ、ほね、おった、だろ…ぐぁ…」
「……出せ。ここから、今すぐに出して」
「は、ははっ、嫌、だね。出すもんか、よ、うぐぁぁあ!いっ…!テメーちゃんとギャング、じゃあねーか、よ…」
「ボスの側近だから。トロくてもね」
「…意外と根に持つタイプかよ…くそ」
「いいからだせ。3秒以内にスタンドを解かないと殺す」
「…ちっ」
能力がとかれていつもの風景に戻る。このままボロボロのイルーゾォを放っておこうかと思ったが、さすがに仲間割れをしたとジョルノにバレたら面倒くさい。
手当てをしてから帰ることにした。
「…へェ。優しいじゃねーかよ、ジョア」
「……」
「おい、無視すんなよ…なあジョア…こっち見ろって、ジョア」
「包帯だけ巻いとく。あとは病院に行って。添え木もしておくけど素人だから。このことはボスに私が報告しておく。治療費は請求書とだして。それじゃあ。…あああと。もう二度と私に話しかけるな。それじゃあね、イルーゾォくん」
「ま、待て…悪かった、俺が悪かったよ!頼むからこっち見ろって!!」
イルーゾォは慌ててジョアの腕を掴んだ。
ここで帰せばもう二度とジョアの瞳は自分に向かない気がした。
「…さっきのは冗談じゃねーよ。本当のことだ」
「証拠は」
「…メローネに聞けよ。アイツならべらべらしゃべるだろ。お前の反応を楽しみたがるはずだ、あの変態は」
「……。気持ち悪い。君らが理解できない。姉も、全員気持ち悪い」
「……やっと本音吐いたなお前。知ってるか?俺らを見るときお前すげー冷たい目してるんだぜ」
「…それは、無意識だった。ごめん」
「…別に」
「…殴ってごめん。もう少し君の話も聞くべきだったかもしれない…」
イルーゾォの頬を撫でながらそう呟くジョアに、イルーゾォは顔を真っ赤にして固まった。
ジョアが…俺に触ってる…!
歯を食いしばって喜びに打ち震える。イルーゾォは今なら天国に行ける、と本気でそう思った。
「…姉さんは昔から私に対する敵対心が強かった。…正直、私は姉さんより母さんと父さんの愛情を受けて育った。理由は…私も母さんと父さんを愛してたからだと思う。反面、姉さんは二人のことを金としか思ってなかった。でも姉さんはそれに気付いてない」
「姉さんは愛が分からない。お金のほうが好きな人だから…でもそれを認めたくないんだ」
「必死に愛を求めてる…だから…君にお願いしたい。仲間としてでもいい、姉さんを愛してあげて…。私じゃもう姉さんには届かない」
ジョアの悲痛なその声に思わず頷きそうになったが、イルーゾォはそのお願いにぞっとした。
…あの女を愛せだと?ふざけるな、俺はお前が…。口には出せない自分にイラつきながら嫌だ、とだけ呟いた。
「あの女は信用できない。…あいつは自分が助かるなら仲間なんて平気で見殺しにするやつだ」
「……」
「…お、俺は…っ、俺はお前が、」
「なにしてるのよ、アンタ達」
あの女の声だ。イルーゾォは勢いよく振り返った。ぎらぎらとした眼差しでジョアを睨みつけている。…あいつらよくこんな女を抱けるな。ジョアとは全く似つかないその目の醜さに、イルーゾォはうえ、と舌を出しそうになった。
「あんた…イルーゾォを殴ったの!?」
「…うん」
「ッよくも…!」
「ジョアをテメーが殴ったら殺すぞ。ビッチ」
「私は貴方のために、」
「この際だから言っとくが…俺はお前が他の野朗に抱かれてんのも知ってる。触んな、きもちわりー」
「…!ジョア、ジョアが言ったのね!?」
「ちげーよ。元から知ってるわ、舐めるな」
イルーゾォくんが姉に挑発的に言う。
姉は怒り狂った顔をして私を睨みつけた。…本当に姉さんがそんなことをしてるだなんて。
「姉さん…どうして暗殺チームの人達とそんなことをする必要があるの…?彼らは仲間でしょう」
「はあ?私は女よ。それを使ってなにが悪いって言うの?一度寝た女には甘くなるのが男よ。それに知ってる?あいつらアンタの名前呼んで私を抱くの。馬鹿みたいでしょ?」
「姉さん!!もうやめてよ!そんなこと、姉さんも辛いでしょ!?」
「あいつらがアンタを抱けないで苦しがってる顔、サイコーよ。…アンタを好きな男は私が奪ってやる。アンタは一人ぼっちになればいいのよ。そうしたら私はアンタを愛してあげる…私だけの物になるならね」
「……なに、を言ってるの…」
「…アンタが私をおかしくしたのよ。出会った時からアンタが…!」
「…姉さん?」
意味の分からない言葉を羅列する姉に困惑する。私が一人になったら愛してあげる…?
意味が分からない。イルーゾォくんを見ると馬鹿にしたような笑みを姉に向けていた。
「お前も俺らと同じってことだろ?」
「……ジョアは私の奴隷なのよ。アンタらなんかには絶対に渡さない」
一体彼らはなんの話をしてるんだろう。
姉さんは言っていることが支離滅裂だ。さっきまで彼らは私に渡さないと言っていたのに、その彼らに私を渡さないと言っている。
それではまるで…姉さんは私のほうに執着があるようだ。
「…姉さんは、私を家族だって思ってくれてるの…?」
「!!…誰がアンタを家族だなんて思うのよ!私から全て奪うくせに…いつもいつもアンタのことが私の頭から離れない!気が狂いそうになるの!!早く一人になって…私のところに堕ちて来なさいよ…ジョア…!」
「…姉さ、」
イラついたようにヒールを鳴らして姉が部屋から出て行く。一体なにを言っていたんだろう、姉は。混乱している私に、イルーゾォくんが顔を近づけた。
「…お前って悪魔かなんかだったりするか?」
「…は?」
「人を惑わす悪魔ってやつ。なあそうだろ」
「…私の周りに居る人はおかしくなる。昔からそうだった。…だから君も…私と関わらないほうがいい」
「……なら俺はおかしくならないままお前を愛してやるよ。それならいいだろ?なあジョア。俺のモンになれよ…」
「………」
イルーゾォの手を振り払って立ち上がる。
今度こそ小走りでアジトから出た。
気分は吐きそうで最悪だ。ああ、だから暗殺チームなんて嫌いなんだ。リゾットさん以外あの人たち全員イカれてる。
もう行きたくない…けど、姉さんは私を呼ぶだろう。次が来るのを憂鬱に思いながら私は美しい街並みを走った。