時を掛ける暗殺者 【オール】
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「ええ。愛してるわ」
「!!!」
カーラを呼びにアジトへ寄った際、聞こえた声にダンは思わず目を見開いた。
…なんだ、今のは。
ずきずきと異常に痛む胸に、ダンが眉を寄せる。なんだ?病気か?
「貴方のためなら私はなんだってするのよ」
「…!」
まただ。今度こそ自覚してダンは呻いた。
…自分はカーラに本気なのか?あんな綺麗な女、自分がモノにできる自信がない。
魂でさえ美しいカーラは、ダンにとって信じることができる太陽のような存在だった。
そんなこと絶対に本人には言わないが。
「という訳だ。協力しろ。相手の男を殺しに行く」
「ああ。拷問してから殺すぞ。一日はいたぶらないとな」
さすがクズ仲間。話が早い。ダンは満足気に頷いてからイルーゾォを見た。かなりブチ切れている。…この男、比較的普段は普通なのだがカーラが絡むとまるで暴走機関車のようになる。
恋ごときに無様だなと思ったがそれは自分もだった。
「つーかお前が来てから俺はカーラとの時間が減ったんだよッ!だから他の野朗に…くそっ」
「は、知るかよ。貴様がカスだからだろう」
「なんだと貴様ッ!」
「やるのか?いいぜ、わたしのスタンドは拷問に使えるのになァ」
「…これしきのことで怒るな…大丈夫、このイルーゾォはこんなゲス相手にしない…」
「ブツブツ気持ち悪いぞ、ヘタレ野朗」
「こ、殺す…ッ!!!」
殴りかかろうとするイルーゾォの拳を避けてダンはカーラの予定表を手に取った。
やはりカーラの予定はぎっしりだ。財団とギャング両方で働いているのだから尚更か。
だが彼女は要領がいいので、休暇も満足に取れているようだった。流石だ。
「ん?待て…なんだ?ここだけ三日休みになっているぞ」
「見せろ。…本当だ。この日は任務も何もないな」
「……怪しいな。つけるか」
「…おいなんだアレは」
「……トリッシュだ。クソッ!お前が勘違いしたんだよ。どうしてくれんだ俺の休み!」
「知るか!わたしこそどうしてくれる!今日こんなことしてなければバーに行けただろうが!」
「ふざけんなテメェはバーなんか行くな料理酒でも飲んどけカス!!」
「あら、なにしてるの?あなた達」
「と、トリッシュ…!」
相変わらず派手な髪色だ。
そんな彼女がこちらを見上げていて、イルーゾォはゾッとした。やばい、この女は性格が悪いところがある。バレたなんて最悪だ。
すぐさまカーラにあることないこと吹き込むに決まっている。何故ならこの女は暗殺チームの人間が嫌いだからだ。カーラ以外。
「…へぇ〜?もしかしてあんたらカーラをつけてきたんじゃあないの?」
「やあ可愛らしいお嬢さん。良ければわたしとそこでお茶でもどうかな。ああ、もちろんカーラも連れて」
「!?」
にこやかにトリッシュの手を取って笑うダンにイルーゾォが目を見開く。さすがエセ紳士だ。パッと見、ただのイケメン優男にしか見えない。中身はクズだが。
そんなダンに頬を少し染めてトリッシュが口を開いた。
「悪いけど…私にはもう心に決めた人がい「カーラを呼んできてくれるかい?お嬢さん」
待ちきれなかったのだろう。
早くカーラと会いたい、と目が語っているダンにイルーゾォが目を細めた。こいつ、失礼にも程があるだろう。今の態度はお前に興味などないと言っているようなモノだ。
案の定、トリッシュは照れで赤くなっていた頬を怒りで赤くした。
「…随分失礼な男ね、アンタ」
「?…おいなにかわたしが失礼なことをしたか?」
「…自覚しろエセカス紳士。まあ俺も同感っちゃ同感だが。こんなガキよりカーラのほうが何倍も可愛くて綺麗でえろ、」
「イルーゾォとダン?どうしてここに?」
振り向くとカーラが花束を持って立っていた。
白の清楚なワンピースに、麦わらの帽子を被っている。…可愛すぎか?お前が天使なのか?とイルーゾォは詰め寄りそうになってぐっとこらえた。正直今すぐそこで犯したい。
「カーラ…今日はあのエロいライダースーツじゃないんだな。似合ってるぜ、可愛い」
「イルーゾォ…貴方が残念なとこは余計な一言が多いとこよ、ばか」
「…君が天使か。ああ、わたしは今初めて神に感謝したぜ。こんな天使に出会わせてくれた神にな」
「………アンタ達随分と私と態度が違うじゃあないの!ええ!?私の洋服も褒めなさいよッ」
渋々ダンとイルーゾォがカーラからトリッシュに視線を移す。二人はあからさまに興味ありません、といった目をしていた。
トリッシュはふん、と腰に手を当てて胸を強調する。カーラがこら、とかわいく笑った。ダンとイルーゾォがまたトリッシュからカーラに視線を移す。
「ちょっと!」
「ああはいはい…あー…うん。抱けるぜ、別に」
「ああ…可愛らしいと思うよ、お嬢さん」
「〜ぶっ飛ばすわ!!スパイシー…「トリッシュ」
「貴女はとっても素敵よ。ブチャラティなら魅力に気付くでしょうね。この人達は盲目なだけよ」
「ああ、カーラにな」
「黙ってろ殺すぞエセ紳士」
「ダブルデートだと!?」
「ええそうよ。荷物持ちに付き合いなさいよ、このクズ男ども」
「ねえトリッシュ…私はこの二人に慣れているからいいけど…イルーゾォとダンが貴女に失礼をしないか心配だわ」
「「…ッ」」
「…なに照れてるのよ気持ち悪いわねアンタ達」
「いや…俺のことを所有物みたいに言うところにグッと来た」
「ああ…カーラの犬にならなってやってもいいくらいにな…」
「きっも。いいから行くわよ!レディーを楽しませて見なさいよッ」
立ち上がったトリッシュに二人がのろのろと立ち上がる。カーラは楽しそうに笑ってイルーゾォの腕に抱き付いた。イルーゾォが顔を真っ赤にして硬直する。
「私はイルーゾォがいいわ。だって、ダンはイルーゾォと違って紳士に振る舞えるでしょう?トリッシュを楽しませてあげて」
「…………紳士?なんだその言葉。ならわたしは今すぐに紳士の面を捨てるッ!こんなガキとデートするよりわた、俺はアンタと!ぐはッ」
「お口が煩い男は嫌いなのよね、私」
トリッシュに頬を殴られたダンに苦笑しながら、カーラは冷えたペットボトルを当ててやった。三ヶ月程看病していたせいか、こうして世話を焼いてしまうことが増えた。ダンは目を細めながらカーラの手を取る。
「…『俺』はアンタが好きだ。こういう隙が多くて可愛らしいところも」
「え、んっぅ!?」
「…はぁ、可愛いぜ、カーラ…」
カーラの尻を撫でながら無茶苦茶にキスをするダンに、イルーゾォとトリッシュは唖然とした。と、突然なんだこいつ!?早く止めなければ、とイルーゾォとトリッシュが拳を握った瞬間、カーラからいやらしい悲鳴が漏れる。
「きゃうんっ!だめぇ、なにしてるの、ぉっ」
「ん?ほら、こんな可愛らしい下着を付けているんだからな。脱がしてやるのが男の役目だろう?」
「あ、ぁっ、やだぁ、やだやだやだっ!りぼん、といちゃ、やぁっ♡」
「…ッ、あー…完全に勃ったぞ今ので。カーラ…お前は可愛らしすぎる」
ついにイルーゾォがダンを殴り飛ばそうとした瞬間、カーラがダンに抱きついた。
イルーゾォはぽかんとしてカーラを見る。
……は?
「…は、離れないでっ…」
「んん〜?どうした?ついにわたしが好きになったのか?カーラ」
「…いやっ、へんたい、ゆるさないわ!」
「そんなに胸を押しつけられながら言われてもなぁ。誘ってるだけにしか聞こえないぜ?」
「ふっ、うぅ〜…イルーゾォ…っ、とりっしゅぅ」
ぐずぐずとえろ、可愛、可哀想な泣き顔を見せながらダンの腕の中からイルーゾォとトリッシュを見上げるカーラにどうした、と慌てて問いかける。カーラは顔を真っ赤にして目を伏せた。えろい。
「だ、ダンにブラを、とられたの…っ、やぁっ、見ないでっ、イルーゾォ!」
イルーゾォがカーラの両手首を掴んで広げると、そこにはたしかに豊かな美しい胸と、下着を着ていない証拠である突起が二つあった。
カーラが恥ずかしさで涙を流しながら身をよじる。もうこれはダメだ。抱くしかない。
「や、イルーゾォ?やめて、なにしてるのっ」
「本当か?」
「あっ、ん!やぁ、やっ…もま、ないでぇっ、ひ、くぅ、んっ」
「ん?下着つけてるんじゃあないか?ああ、これが触れるってことはつけてないのか」
「きゃ、ぁっう、ん〜っ、だぁ、めっ、あ、ぁ、ふぅ、んんっ♡」
くりくりと突起を摘んでやればカーラは舌を少し出して涙を流してひくひくと震えた。
……やべえ、マジに出そうだ。ごくりと喉を鳴らしながらイルーゾォが胸に噛みつこうと口を開けた瞬間、トリッシュの拳がついに炸裂した。
ぐったりとダンに寄りかかるカーラに、トリッシュがすかさず上着を羽織らせる。情事のあとの女のような顔をしているカーラに、トリッシュまで顔が熱くなった。…可愛い。
「…で、わたしは紳士なんかじゃあないだろう?ならカーラとデートするのはこのダンだぜ」
「んな話もう無しだわ!この強姦魔!カーラには近づけない!そこのイルーゾォもよッ!」
「はぁ、結局アンタとかよ…」
「おいカーラ?大丈夫か?わ、悪かったよ」
「うぅ…むり。なんか、うとうと、してきた、わ…?」
そのままダンに抱き寄せられたままスゥスゥと寝始めるカーラにダンは思わず柔らかく笑ってしまった。…可愛いなァ、こいつ。
素直にそう思ったのだ。あのダンが。
イルーゾォもだろう。柔らかく目元を緩ませている。トリッシュは少し驚いた顔で二人を見た。
「…黙ってればイケメンなのにもったいないわ。アンタ達」
「ああ?このイルーゾォは黙ってなくてもイケメンだ」
「そういうとこじゃあないの?」
「はっ!と、とりっしゅは!」
「おお、おはよう。カーラ。昨日は可愛かったぜ」
「ふにゃあ!?な、ななななっ、なんでベッドの上!?う、うそよ…私の初めて…」
「初めて!?!?」
「あっ」
思わずといった様子で口を押さえるカーラに、ダンが食い気味に驚く。というかなんでダンがカーラの部屋に入って居るんだろう。カーラは少し眉を下げたが、服を着ていたのでほっとした。
「…バージンですけど、なにか?」
「ありがとう。わたしのために残してたんだよな?有り難く頂くぜ。…まずはそのスカートをめくっ、ぐは!」
「や、め、て」
「いっ、てぇじゃあねーか!カーラ、お前最近子猫みたいに引っ掻きすぎだぞ!」
「ふん、私、貴方には遠慮しないって決めたのよ。…ちょっと、なんで顔が赤いの?」
「い、いや…なんでもない…」
それは、わたしが特別だということか。
ダンはそう聞きそうになってやめた。
まだ全然カーラの中には入れていない。この質問をするのはもう少し先だ。
「トリッシュとイルーゾォは?」
「あのあと帰ったぜ。アンタが寝たあと、すぐに解散した」
「そう…申し訳ないわ」
「気にするな。ガキとヘタレのことなんて」
ダンが煙草に火をつけながらそう言う。
煙草吸うんだ、とカーラが驚いていると、お前も吸うか?とにやりとダンが笑った。
ふるふると首を横に振るカーラに、ダンは残念だと笑った。
「アンタが吸ってたらかなりエロいと思ってな」
「…ふうん。えっちな私が見たいの?」
「っ、…、い、いや…み、見たいに、決まってる、だろう」
ダンを覗き込んで悪戯っ子のような笑みで笑うカーラに、動揺した。…処女のくせに、こうして容易く男に近づく彼女の悪い癖だ。
ダンが彼女に手を伸ばそうとした瞬間、カーラはぱっと離れて立ち上がった。
「さあて、お仕事お仕事!」
「……小悪魔だな、アンタ…」
「ふふ、そうかしら」
「ああ…天使かと思ってたが」
「天使は貴方をあんなに殴るかしら」
「悪かったよ。『天使のような』ギャングに訂正するぜ」
「それはどうも。今度は貴方とデートをしてみたいわ。ダン」
「〜っ、お、お安い御用だ。ベッラ」
「!!!」
カーラを呼びにアジトへ寄った際、聞こえた声にダンは思わず目を見開いた。
…なんだ、今のは。
ずきずきと異常に痛む胸に、ダンが眉を寄せる。なんだ?病気か?
「貴方のためなら私はなんだってするのよ」
「…!」
まただ。今度こそ自覚してダンは呻いた。
…自分はカーラに本気なのか?あんな綺麗な女、自分がモノにできる自信がない。
魂でさえ美しいカーラは、ダンにとって信じることができる太陽のような存在だった。
そんなこと絶対に本人には言わないが。
「という訳だ。協力しろ。相手の男を殺しに行く」
「ああ。拷問してから殺すぞ。一日はいたぶらないとな」
さすがクズ仲間。話が早い。ダンは満足気に頷いてからイルーゾォを見た。かなりブチ切れている。…この男、比較的普段は普通なのだがカーラが絡むとまるで暴走機関車のようになる。
恋ごときに無様だなと思ったがそれは自分もだった。
「つーかお前が来てから俺はカーラとの時間が減ったんだよッ!だから他の野朗に…くそっ」
「は、知るかよ。貴様がカスだからだろう」
「なんだと貴様ッ!」
「やるのか?いいぜ、わたしのスタンドは拷問に使えるのになァ」
「…これしきのことで怒るな…大丈夫、このイルーゾォはこんなゲス相手にしない…」
「ブツブツ気持ち悪いぞ、ヘタレ野朗」
「こ、殺す…ッ!!!」
殴りかかろうとするイルーゾォの拳を避けてダンはカーラの予定表を手に取った。
やはりカーラの予定はぎっしりだ。財団とギャング両方で働いているのだから尚更か。
だが彼女は要領がいいので、休暇も満足に取れているようだった。流石だ。
「ん?待て…なんだ?ここだけ三日休みになっているぞ」
「見せろ。…本当だ。この日は任務も何もないな」
「……怪しいな。つけるか」
「…おいなんだアレは」
「……トリッシュだ。クソッ!お前が勘違いしたんだよ。どうしてくれんだ俺の休み!」
「知るか!わたしこそどうしてくれる!今日こんなことしてなければバーに行けただろうが!」
「ふざけんなテメェはバーなんか行くな料理酒でも飲んどけカス!!」
「あら、なにしてるの?あなた達」
「と、トリッシュ…!」
相変わらず派手な髪色だ。
そんな彼女がこちらを見上げていて、イルーゾォはゾッとした。やばい、この女は性格が悪いところがある。バレたなんて最悪だ。
すぐさまカーラにあることないこと吹き込むに決まっている。何故ならこの女は暗殺チームの人間が嫌いだからだ。カーラ以外。
「…へぇ〜?もしかしてあんたらカーラをつけてきたんじゃあないの?」
「やあ可愛らしいお嬢さん。良ければわたしとそこでお茶でもどうかな。ああ、もちろんカーラも連れて」
「!?」
にこやかにトリッシュの手を取って笑うダンにイルーゾォが目を見開く。さすがエセ紳士だ。パッと見、ただのイケメン優男にしか見えない。中身はクズだが。
そんなダンに頬を少し染めてトリッシュが口を開いた。
「悪いけど…私にはもう心に決めた人がい「カーラを呼んできてくれるかい?お嬢さん」
待ちきれなかったのだろう。
早くカーラと会いたい、と目が語っているダンにイルーゾォが目を細めた。こいつ、失礼にも程があるだろう。今の態度はお前に興味などないと言っているようなモノだ。
案の定、トリッシュは照れで赤くなっていた頬を怒りで赤くした。
「…随分失礼な男ね、アンタ」
「?…おいなにかわたしが失礼なことをしたか?」
「…自覚しろエセカス紳士。まあ俺も同感っちゃ同感だが。こんなガキよりカーラのほうが何倍も可愛くて綺麗でえろ、」
「イルーゾォとダン?どうしてここに?」
振り向くとカーラが花束を持って立っていた。
白の清楚なワンピースに、麦わらの帽子を被っている。…可愛すぎか?お前が天使なのか?とイルーゾォは詰め寄りそうになってぐっとこらえた。正直今すぐそこで犯したい。
「カーラ…今日はあのエロいライダースーツじゃないんだな。似合ってるぜ、可愛い」
「イルーゾォ…貴方が残念なとこは余計な一言が多いとこよ、ばか」
「…君が天使か。ああ、わたしは今初めて神に感謝したぜ。こんな天使に出会わせてくれた神にな」
「………アンタ達随分と私と態度が違うじゃあないの!ええ!?私の洋服も褒めなさいよッ」
渋々ダンとイルーゾォがカーラからトリッシュに視線を移す。二人はあからさまに興味ありません、といった目をしていた。
トリッシュはふん、と腰に手を当てて胸を強調する。カーラがこら、とかわいく笑った。ダンとイルーゾォがまたトリッシュからカーラに視線を移す。
「ちょっと!」
「ああはいはい…あー…うん。抱けるぜ、別に」
「ああ…可愛らしいと思うよ、お嬢さん」
「〜ぶっ飛ばすわ!!スパイシー…「トリッシュ」
「貴女はとっても素敵よ。ブチャラティなら魅力に気付くでしょうね。この人達は盲目なだけよ」
「ああ、カーラにな」
「黙ってろ殺すぞエセ紳士」
「ダブルデートだと!?」
「ええそうよ。荷物持ちに付き合いなさいよ、このクズ男ども」
「ねえトリッシュ…私はこの二人に慣れているからいいけど…イルーゾォとダンが貴女に失礼をしないか心配だわ」
「「…ッ」」
「…なに照れてるのよ気持ち悪いわねアンタ達」
「いや…俺のことを所有物みたいに言うところにグッと来た」
「ああ…カーラの犬にならなってやってもいいくらいにな…」
「きっも。いいから行くわよ!レディーを楽しませて見なさいよッ」
立ち上がったトリッシュに二人がのろのろと立ち上がる。カーラは楽しそうに笑ってイルーゾォの腕に抱き付いた。イルーゾォが顔を真っ赤にして硬直する。
「私はイルーゾォがいいわ。だって、ダンはイルーゾォと違って紳士に振る舞えるでしょう?トリッシュを楽しませてあげて」
「…………紳士?なんだその言葉。ならわたしは今すぐに紳士の面を捨てるッ!こんなガキとデートするよりわた、俺はアンタと!ぐはッ」
「お口が煩い男は嫌いなのよね、私」
トリッシュに頬を殴られたダンに苦笑しながら、カーラは冷えたペットボトルを当ててやった。三ヶ月程看病していたせいか、こうして世話を焼いてしまうことが増えた。ダンは目を細めながらカーラの手を取る。
「…『俺』はアンタが好きだ。こういう隙が多くて可愛らしいところも」
「え、んっぅ!?」
「…はぁ、可愛いぜ、カーラ…」
カーラの尻を撫でながら無茶苦茶にキスをするダンに、イルーゾォとトリッシュは唖然とした。と、突然なんだこいつ!?早く止めなければ、とイルーゾォとトリッシュが拳を握った瞬間、カーラからいやらしい悲鳴が漏れる。
「きゃうんっ!だめぇ、なにしてるの、ぉっ」
「ん?ほら、こんな可愛らしい下着を付けているんだからな。脱がしてやるのが男の役目だろう?」
「あ、ぁっ、やだぁ、やだやだやだっ!りぼん、といちゃ、やぁっ♡」
「…ッ、あー…完全に勃ったぞ今ので。カーラ…お前は可愛らしすぎる」
ついにイルーゾォがダンを殴り飛ばそうとした瞬間、カーラがダンに抱きついた。
イルーゾォはぽかんとしてカーラを見る。
……は?
「…は、離れないでっ…」
「んん〜?どうした?ついにわたしが好きになったのか?カーラ」
「…いやっ、へんたい、ゆるさないわ!」
「そんなに胸を押しつけられながら言われてもなぁ。誘ってるだけにしか聞こえないぜ?」
「ふっ、うぅ〜…イルーゾォ…っ、とりっしゅぅ」
ぐずぐずとえろ、可愛、可哀想な泣き顔を見せながらダンの腕の中からイルーゾォとトリッシュを見上げるカーラにどうした、と慌てて問いかける。カーラは顔を真っ赤にして目を伏せた。えろい。
「だ、ダンにブラを、とられたの…っ、やぁっ、見ないでっ、イルーゾォ!」
イルーゾォがカーラの両手首を掴んで広げると、そこにはたしかに豊かな美しい胸と、下着を着ていない証拠である突起が二つあった。
カーラが恥ずかしさで涙を流しながら身をよじる。もうこれはダメだ。抱くしかない。
「や、イルーゾォ?やめて、なにしてるのっ」
「本当か?」
「あっ、ん!やぁ、やっ…もま、ないでぇっ、ひ、くぅ、んっ」
「ん?下着つけてるんじゃあないか?ああ、これが触れるってことはつけてないのか」
「きゃ、ぁっう、ん〜っ、だぁ、めっ、あ、ぁ、ふぅ、んんっ♡」
くりくりと突起を摘んでやればカーラは舌を少し出して涙を流してひくひくと震えた。
……やべえ、マジに出そうだ。ごくりと喉を鳴らしながらイルーゾォが胸に噛みつこうと口を開けた瞬間、トリッシュの拳がついに炸裂した。
ぐったりとダンに寄りかかるカーラに、トリッシュがすかさず上着を羽織らせる。情事のあとの女のような顔をしているカーラに、トリッシュまで顔が熱くなった。…可愛い。
「…で、わたしは紳士なんかじゃあないだろう?ならカーラとデートするのはこのダンだぜ」
「んな話もう無しだわ!この強姦魔!カーラには近づけない!そこのイルーゾォもよッ!」
「はぁ、結局アンタとかよ…」
「おいカーラ?大丈夫か?わ、悪かったよ」
「うぅ…むり。なんか、うとうと、してきた、わ…?」
そのままダンに抱き寄せられたままスゥスゥと寝始めるカーラにダンは思わず柔らかく笑ってしまった。…可愛いなァ、こいつ。
素直にそう思ったのだ。あのダンが。
イルーゾォもだろう。柔らかく目元を緩ませている。トリッシュは少し驚いた顔で二人を見た。
「…黙ってればイケメンなのにもったいないわ。アンタ達」
「ああ?このイルーゾォは黙ってなくてもイケメンだ」
「そういうとこじゃあないの?」
「はっ!と、とりっしゅは!」
「おお、おはよう。カーラ。昨日は可愛かったぜ」
「ふにゃあ!?な、ななななっ、なんでベッドの上!?う、うそよ…私の初めて…」
「初めて!?!?」
「あっ」
思わずといった様子で口を押さえるカーラに、ダンが食い気味に驚く。というかなんでダンがカーラの部屋に入って居るんだろう。カーラは少し眉を下げたが、服を着ていたのでほっとした。
「…バージンですけど、なにか?」
「ありがとう。わたしのために残してたんだよな?有り難く頂くぜ。…まずはそのスカートをめくっ、ぐは!」
「や、め、て」
「いっ、てぇじゃあねーか!カーラ、お前最近子猫みたいに引っ掻きすぎだぞ!」
「ふん、私、貴方には遠慮しないって決めたのよ。…ちょっと、なんで顔が赤いの?」
「い、いや…なんでもない…」
それは、わたしが特別だということか。
ダンはそう聞きそうになってやめた。
まだ全然カーラの中には入れていない。この質問をするのはもう少し先だ。
「トリッシュとイルーゾォは?」
「あのあと帰ったぜ。アンタが寝たあと、すぐに解散した」
「そう…申し訳ないわ」
「気にするな。ガキとヘタレのことなんて」
ダンが煙草に火をつけながらそう言う。
煙草吸うんだ、とカーラが驚いていると、お前も吸うか?とにやりとダンが笑った。
ふるふると首を横に振るカーラに、ダンは残念だと笑った。
「アンタが吸ってたらかなりエロいと思ってな」
「…ふうん。えっちな私が見たいの?」
「っ、…、い、いや…み、見たいに、決まってる、だろう」
ダンを覗き込んで悪戯っ子のような笑みで笑うカーラに、動揺した。…処女のくせに、こうして容易く男に近づく彼女の悪い癖だ。
ダンが彼女に手を伸ばそうとした瞬間、カーラはぱっと離れて立ち上がった。
「さあて、お仕事お仕事!」
「……小悪魔だな、アンタ…」
「ふふ、そうかしら」
「ああ…天使かと思ってたが」
「天使は貴方をあんなに殴るかしら」
「悪かったよ。『天使のような』ギャングに訂正するぜ」
「それはどうも。今度は貴方とデートをしてみたいわ。ダン」
「〜っ、お、お安い御用だ。ベッラ」