バディ!【五部】
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最近リンの様子がおかしい。
一人で行動することが増えた。以前はイルーゾォやギアッチョとよく行動していたのに、今じゃアジトにあまり来ない。それについてなにかイルーゾォは知っているようだった。
「あー…まああいつも考え直してまともな動きしてるからさ。今は気にすんなよ」
「考え直す?なにかやっているのか」
「……もう少ししたらあいつから言うぜ、アンタに。それまでは待っててやってくれ」
そう言われてはなにもできない。
仕方なく頷いて任務に出ることにした。頭の中にリンの笑っている姿を思い浮かべてーー。
…任務の時は余計なことを考えるべきじゃあねぇな。暗くなっていく視界にチームのことを考える。…だめだ、まだ死ねない。あいつらを残しては…まだ…。
リン、お前もだ。お前には言いたいことが沢山あるんだ…。
「リゾット!!!リゾットぉ!目ぇ開けてよばかァ!!」
「おいやめろリンッ!!病院だぞッ!?」
「いやだ…ッ!私を置いていくなんて許さないッ!地獄まで追いかけてぶん殴ってやるーー!起きろリゾット・ネエロォ!」
ホルマジオに抑えられながら叫ぶリンはぼろぼろと涙を溢している。…前から思っていたが、こいつはリゾットのことになると酷く取り乱す。それに薄暗い感情を覚えながら、俺もリーダーを見た。隣のギアッチョは拳を握りしめている。
「っリゾットは死ぬのかよ!?」
「おいギアッチョ…不謹慎なこと言うんじゃねェ!」
「うるせェジジイ!!」
「…今はリゾットを信じろ。俺らはそれしか出来ねーんだよ。無駄に不安がるんじゃねェ、男なら仲間を信じて待てよ」
プロシュートの言葉にリンがぴたりと暴れるのをやめた。ホルマジオがほっとしてリンを離す。リンはうつむいたまま、ジャケットから指輪を取り出した。それをリゾットの手に付ける。
…あれはいつもリンが付けている指輪だ。
「…リゾットじゃないと嫌だよ。やっぱりリゾット以外のリーダーなんて認めない…地獄にもパッショーネにもどこにもあげないんだから…!…私たちのリーダーでしょ?起きて…リゾット。今なら殴らないからあ…ッ!うぅ、うわぁぁーん…っ!」
「…リン…」
リゾットの手を握りしめて泣くリンに全員が驚いた。いつもふざけたように振る舞って本心をあまり見せたがらないリンのその姿に。
ペッシもつられて涙ぐんでプロシュートに殴られている。
「…リン。明日また来ようぜ。俺が連れてきてやるから」
「やだぁ…離れたくないぃぃっ」
「っ、我儘言うんじゃあねぇよ!おら、行くぞっ。泣くな!」
「ふ、ぇ、うぅっ、りぞっとぉ、やだあ死なないでぇ!離してばか!イルーゾォのばかぁぁ!」
「ぐっ、おいこら、暴れんなリン!」
「……お前たち、少しは…静かに、出来ねえ、のか?」
「「「リーダー!」」」
「リゾット!!!」
リンが俺から飛び出してリゾットに抱きつく。
リゾットはそれを愛おしいというような目で宥めた。…初めてみたぜ、リーダーのそんな顔。
……くそ、俺だけだ。場違いにも嫉妬なんてしてるクズは。
「ばかッ!!なに勝手に死のうとしてるの!?許さない、許さないからね…!」
「…リン、その…胸が顔に当たってる。少し離れろ」
「い、や!我慢してッ!しばらくは私がリーダーやるからね!?絶対休んでよ!?働いたらお仕置きするからッ」
「……その格好で変なことを言うんじゃねェ。そろそろ降りろ、リン」
「やだ!離れないッ!」
「〜ッ、やめろ!!お前に変なことをする前に離れろって言ってんだ!犯されたいのかお前はッ!」
「きゃうっ」
叱られた仔犬のような悲鳴をあげたリンは顔を真っ赤にしている。まさかリーダーにそんなことを言われると思わなかったのだろう。
俺らも少し気まずい。
「…っ怒鳴って悪かった…が、頼むから離れてくれ。しばらく忙しかったから正直我慢がきかねぇんだ。お前に変なことはしたくない」
「……うん、ごめんなさい…落ち着いたよ…みんなもごめん……」
顔を真っ赤にしながらリゾットから離れるリンはかなり可愛い。犬のしおれた耳や尻尾が見えてきそうだ。それくらい可愛かった。
リゾットも少し申し訳なさそうにしているのが、なんとなく面白い。…つーかやっと離れてくれたぜ。
「リン、お前はこっち来い。また抱きつきにいきそうだからな」
「な…っ、もうしないよ!」
「フン、どうだか」
「…へっへん、わかった。イルーゾォ嫉妬してるんでしょ〜?」
「ああ悪いか?嫉妬してるぜ。俺がお前を好きって言ったことをもう忘れたのか?」
「っ」
そっとリンの手を握る。
周りのやつらはリーダーと話しているから気付かない。リンは顔を赤く染めて手を離そうとした。…もちろん離す訳がない。さっきのお仕置きだ馬鹿め。
「…他の男に抱きついてんじゃねーよ。この阿保女め」
「〜っ、この、ヤキモチ焼き…!」
「イタリア南部の男を舐めるんじゃあないぜ。嫉妬深いのは有名だろ?」
「付き合ってもないのにそんなこと言われる筋合いありませーん」
「これから付き合うんだから一緒だ」
「付き合うなんて言ってない!ばか!」
「…おい。今なんつったんだァ…?あァ?」
「ひっ!ギアくん寒いッ!ど、どうし、」
「だっれがテメェに渡すかよッ!!リンは俺のモンだ!」
「は、はァ!?俺が先にリンに告ったんだから俺のだよ!!」
「ふざけんな!!リンと先に仲良くなったのは俺だ!テメェなんか最初嫌われてただろーが!」
「今は俺と一番一緒に居る!お前こそリンにビビられてるんじゃあねぇのか?あ?」
「ぐっ、ゲームとか本を貸し借りしたり俺らは距離がちけーんだよ!テメェはそんなことしてねーだろ!?」
「フン、俺はオトモダチごっこをしたいんじゃあないからな。俺の嫁になってほしいんだ。それにオトモダチごっこが必要だってのか!?」
いきなり暴れ始めた二人に私たちは思わず固まる。すぐに動いたのは我らの兄貴、プロシュートだった。
「テメェらッ!病室で騒いでんじゃねークソガキ共!!暴れんなら帰れ!」
「いってェ殴ることねーだろッ!」
「殴らねーと止まんねーのはお前らだろォが!!」
「…おい。お前達…一つ言っておくが、リンは誰にも渡さないぞ」
「「「!?!?」」」
リゾットがベッドに腰かけたままそう言った。
イルーゾォとギアッチョは胸ぐらを掴みあったまま固まっている。プロシュートもだ。
メローネは面白いことになった、と言わんばかりの表情だし、ホルマジオはしょーがねぇな、という顔。ペッシはおろおろしていてソルベとジェラートはにやにやとしている。
そして私は顔を真っ赤にさせていた。
「…俺のものでもないが…リンが他の男に抱かれるのは許せない。それに一番に目をかけていたのは俺だ。誰にも渡さない」
「…ん〜?でもさあリゾットはリンに告っても居ないだろ?それで渡さないは虫が良すぎるんじゃあないのか?」
「そ、そうだそうだ!変態の言う通りだぜッ!」
「…変態…」
「それも分かっている。…ならこう言えば満足か?リンに手を出した男は殺す。…チームの奴らの場合は…そうだな。全治一年程の怪我を負わせよう。これでいいか」
静かにそう宣言するとリゾットは点滴の管を抜いて立ち上がった。私が慌てて止めようとすると、そのまま抱き上げられる。
そして、キスをされた。
………リゾット、
「…リン。今まで言わなかった…だがもう言わせて貰う。今回死にかけてまずお前の顔が浮かんだ。愛している。俺のモノになれ」
「………どうして…」
「……浅ましいと罵ってもいい。…お前が他の男に好意を寄せられているのを見るのが限界に達しただけだ。…臆病な俺を軽蔑するか」
「…する訳ない!…でも…私は…人を恋愛的に好きになれないよ。…暗殺者だし…」
「そんなの気にならないくらい俺に惚れてくれればいいだけだろう。違うか?」
「………あああああ…むり…ッ」
「…何が無理なんだ。ん?」
「無理!!!もう帰るーーッ!!」
リゾットから離れて病室から走り去る。
顔が熱く燃えそうだった。…ばか、ばか、リゾットの馬鹿やろう!
…なんで嬉しい、なんて思ってるの!私のばか!
一人で行動することが増えた。以前はイルーゾォやギアッチョとよく行動していたのに、今じゃアジトにあまり来ない。それについてなにかイルーゾォは知っているようだった。
「あー…まああいつも考え直してまともな動きしてるからさ。今は気にすんなよ」
「考え直す?なにかやっているのか」
「……もう少ししたらあいつから言うぜ、アンタに。それまでは待っててやってくれ」
そう言われてはなにもできない。
仕方なく頷いて任務に出ることにした。頭の中にリンの笑っている姿を思い浮かべてーー。
…任務の時は余計なことを考えるべきじゃあねぇな。暗くなっていく視界にチームのことを考える。…だめだ、まだ死ねない。あいつらを残しては…まだ…。
リン、お前もだ。お前には言いたいことが沢山あるんだ…。
「リゾット!!!リゾットぉ!目ぇ開けてよばかァ!!」
「おいやめろリンッ!!病院だぞッ!?」
「いやだ…ッ!私を置いていくなんて許さないッ!地獄まで追いかけてぶん殴ってやるーー!起きろリゾット・ネエロォ!」
ホルマジオに抑えられながら叫ぶリンはぼろぼろと涙を溢している。…前から思っていたが、こいつはリゾットのことになると酷く取り乱す。それに薄暗い感情を覚えながら、俺もリーダーを見た。隣のギアッチョは拳を握りしめている。
「っリゾットは死ぬのかよ!?」
「おいギアッチョ…不謹慎なこと言うんじゃねェ!」
「うるせェジジイ!!」
「…今はリゾットを信じろ。俺らはそれしか出来ねーんだよ。無駄に不安がるんじゃねェ、男なら仲間を信じて待てよ」
プロシュートの言葉にリンがぴたりと暴れるのをやめた。ホルマジオがほっとしてリンを離す。リンはうつむいたまま、ジャケットから指輪を取り出した。それをリゾットの手に付ける。
…あれはいつもリンが付けている指輪だ。
「…リゾットじゃないと嫌だよ。やっぱりリゾット以外のリーダーなんて認めない…地獄にもパッショーネにもどこにもあげないんだから…!…私たちのリーダーでしょ?起きて…リゾット。今なら殴らないからあ…ッ!うぅ、うわぁぁーん…っ!」
「…リン…」
リゾットの手を握りしめて泣くリンに全員が驚いた。いつもふざけたように振る舞って本心をあまり見せたがらないリンのその姿に。
ペッシもつられて涙ぐんでプロシュートに殴られている。
「…リン。明日また来ようぜ。俺が連れてきてやるから」
「やだぁ…離れたくないぃぃっ」
「っ、我儘言うんじゃあねぇよ!おら、行くぞっ。泣くな!」
「ふ、ぇ、うぅっ、りぞっとぉ、やだあ死なないでぇ!離してばか!イルーゾォのばかぁぁ!」
「ぐっ、おいこら、暴れんなリン!」
「……お前たち、少しは…静かに、出来ねえ、のか?」
「「「リーダー!」」」
「リゾット!!!」
リンが俺から飛び出してリゾットに抱きつく。
リゾットはそれを愛おしいというような目で宥めた。…初めてみたぜ、リーダーのそんな顔。
……くそ、俺だけだ。場違いにも嫉妬なんてしてるクズは。
「ばかッ!!なに勝手に死のうとしてるの!?許さない、許さないからね…!」
「…リン、その…胸が顔に当たってる。少し離れろ」
「い、や!我慢してッ!しばらくは私がリーダーやるからね!?絶対休んでよ!?働いたらお仕置きするからッ」
「……その格好で変なことを言うんじゃねェ。そろそろ降りろ、リン」
「やだ!離れないッ!」
「〜ッ、やめろ!!お前に変なことをする前に離れろって言ってんだ!犯されたいのかお前はッ!」
「きゃうっ」
叱られた仔犬のような悲鳴をあげたリンは顔を真っ赤にしている。まさかリーダーにそんなことを言われると思わなかったのだろう。
俺らも少し気まずい。
「…っ怒鳴って悪かった…が、頼むから離れてくれ。しばらく忙しかったから正直我慢がきかねぇんだ。お前に変なことはしたくない」
「……うん、ごめんなさい…落ち着いたよ…みんなもごめん……」
顔を真っ赤にしながらリゾットから離れるリンはかなり可愛い。犬のしおれた耳や尻尾が見えてきそうだ。それくらい可愛かった。
リゾットも少し申し訳なさそうにしているのが、なんとなく面白い。…つーかやっと離れてくれたぜ。
「リン、お前はこっち来い。また抱きつきにいきそうだからな」
「な…っ、もうしないよ!」
「フン、どうだか」
「…へっへん、わかった。イルーゾォ嫉妬してるんでしょ〜?」
「ああ悪いか?嫉妬してるぜ。俺がお前を好きって言ったことをもう忘れたのか?」
「っ」
そっとリンの手を握る。
周りのやつらはリーダーと話しているから気付かない。リンは顔を赤く染めて手を離そうとした。…もちろん離す訳がない。さっきのお仕置きだ馬鹿め。
「…他の男に抱きついてんじゃねーよ。この阿保女め」
「〜っ、この、ヤキモチ焼き…!」
「イタリア南部の男を舐めるんじゃあないぜ。嫉妬深いのは有名だろ?」
「付き合ってもないのにそんなこと言われる筋合いありませーん」
「これから付き合うんだから一緒だ」
「付き合うなんて言ってない!ばか!」
「…おい。今なんつったんだァ…?あァ?」
「ひっ!ギアくん寒いッ!ど、どうし、」
「だっれがテメェに渡すかよッ!!リンは俺のモンだ!」
「は、はァ!?俺が先にリンに告ったんだから俺のだよ!!」
「ふざけんな!!リンと先に仲良くなったのは俺だ!テメェなんか最初嫌われてただろーが!」
「今は俺と一番一緒に居る!お前こそリンにビビられてるんじゃあねぇのか?あ?」
「ぐっ、ゲームとか本を貸し借りしたり俺らは距離がちけーんだよ!テメェはそんなことしてねーだろ!?」
「フン、俺はオトモダチごっこをしたいんじゃあないからな。俺の嫁になってほしいんだ。それにオトモダチごっこが必要だってのか!?」
いきなり暴れ始めた二人に私たちは思わず固まる。すぐに動いたのは我らの兄貴、プロシュートだった。
「テメェらッ!病室で騒いでんじゃねークソガキ共!!暴れんなら帰れ!」
「いってェ殴ることねーだろッ!」
「殴らねーと止まんねーのはお前らだろォが!!」
「…おい。お前達…一つ言っておくが、リンは誰にも渡さないぞ」
「「「!?!?」」」
リゾットがベッドに腰かけたままそう言った。
イルーゾォとギアッチョは胸ぐらを掴みあったまま固まっている。プロシュートもだ。
メローネは面白いことになった、と言わんばかりの表情だし、ホルマジオはしょーがねぇな、という顔。ペッシはおろおろしていてソルベとジェラートはにやにやとしている。
そして私は顔を真っ赤にさせていた。
「…俺のものでもないが…リンが他の男に抱かれるのは許せない。それに一番に目をかけていたのは俺だ。誰にも渡さない」
「…ん〜?でもさあリゾットはリンに告っても居ないだろ?それで渡さないは虫が良すぎるんじゃあないのか?」
「そ、そうだそうだ!変態の言う通りだぜッ!」
「…変態…」
「それも分かっている。…ならこう言えば満足か?リンに手を出した男は殺す。…チームの奴らの場合は…そうだな。全治一年程の怪我を負わせよう。これでいいか」
静かにそう宣言するとリゾットは点滴の管を抜いて立ち上がった。私が慌てて止めようとすると、そのまま抱き上げられる。
そして、キスをされた。
………リゾット、
「…リン。今まで言わなかった…だがもう言わせて貰う。今回死にかけてまずお前の顔が浮かんだ。愛している。俺のモノになれ」
「………どうして…」
「……浅ましいと罵ってもいい。…お前が他の男に好意を寄せられているのを見るのが限界に達しただけだ。…臆病な俺を軽蔑するか」
「…する訳ない!…でも…私は…人を恋愛的に好きになれないよ。…暗殺者だし…」
「そんなの気にならないくらい俺に惚れてくれればいいだけだろう。違うか?」
「………あああああ…むり…ッ」
「…何が無理なんだ。ん?」
「無理!!!もう帰るーーッ!!」
リゾットから離れて病室から走り去る。
顔が熱く燃えそうだった。…ばか、ばか、リゾットの馬鹿やろう!
…なんで嬉しい、なんて思ってるの!私のばか!
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