天使の悪魔【暗殺チーム】
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飯を食い終わって時間が出来た俺は街に女を引っ掛けに行くことにした。ダイヤはリーダーと書類仕事だ。
…俺はダイヤを好いているが、性欲は湧く。入れなきゃオッケーだろうという考えの元、ダイヤに似た女を探した。
…茶髪、黒、茶髪…違う。金色の、きらきらとした、天使みてーな色。
あ、くすんだ色だが金髪がいた。顔はイマイチだが、髪色さえ似てりゃいい。それだけで、俺は。近付いて女が好きそうな笑顔を浮かべる。頬を赤く染めた女を見て、ダイヤを想った。
「ね、ねェ…どうして、私に声をかけてくれたのよ?」
「……アンタが綺麗だった、からかな」
「そ、そぉ?確かに私、モテるほうだけど。ふふ、あなた見る目があるわね」
「…ドーモ。それより、もっと楽しいことしようぜ。な?」
耳元で低く囁いてやると女は顔を赤くしてうっとりとした顔をした。ダイヤには似ても似つかない下品な顔だ。うんざりしながら心の中でため息を吐く。
「ん、おっきぃ…」
「…」
「ねぇ、あなたの名前は?」
「…今必要か?あとでたっぷり教えてやるから」
「う、うん…」
女はやはりうっとりとした顔をしながら俺のものを口に含んで舐め始めた。
…くそ、顔が見える。違う、違うんだ。
ダイヤ、ダイヤ…ダイヤじゃない。
「なァ、もう少し顔伏せてくれねェか?あんたが可愛すぎて、集中できない」
「…っん、ん」
こくこくと頷いて更に奥深く女は咥えた。
金髪の髪を撫でる。ダイヤ、ダイヤ。
お前が好きだ。どうしようもねェくらいに。
それなのに、なんで、なんでお前じゃないんだ…!!
必死に金髪だけを見つめてダイヤを考える。
ダイヤが俺のを恥ずかしそうに、泣きそうになりながら咥えている。そんな想像をもう何百回とした。
想像の中でダイヤが俺を見上げたところで限界が来た。女の頭を押さえ込んで出す。
嬉しそうに飲む女にインランだな、と呟いた。
「ん…ふふ、こんな女は嫌い?」
「…ああ。好みじゃない。悪いけど、もう帰る。金はここに置いとくから」
「え!?な、なんで!?ちょっとまってよ、まだ…ッ」
「ああ。名前だっけ?聞かないほうがいいぜ。じゃーな」
「な…ッ!!最低!!この…ッ!」
女が手を振り上げたので避けないでそれを受け入れる。…流石に今回はクズな自覚があった。商売女相手ならともかく、相手は一般人だ。大して痛くもないソレを受けて女を見る。
「これでチャラ、な」
「わ、私のなにが悪かったっていうのよ!!ちゃんと、舐めたじゃない…!」
「…正直最初から抱くつもりはなかった。これだけ言えば満足だろ。本当に悪かったよ」
ホテルを後にして路地裏に入る。
…うわ、唇切れてんじゃあねーかよ。くそ。
はあ、とため息を吐いて空を見上げた。あーあ、こんなことやめてーなぁ。
でもダイヤが俺を好きになることはない。
何故ならダイヤは人を好きになるということが分からないからだ。
「…イルーゾォ?」
「っ、だ、ダイヤ…ど、どうした!?こんな所で、あぶねーだろうが!」
「…それを言うならイルーゾォもじゃ?」
「俺はいいんだよ!お前はおん、な…」
「大丈夫…?唇、キレてる」
「ッ、ダイヤ…」
そっと俺の頬に当たる白い手に心臓がばくばくと鳴る。…や、べぇ。勃つ、可愛い、なんで、なんでこんなところに。
「し、んぱいならいらねェよ。こんなの、怪我でもなんでも」
「大丈夫。絆創膏ある。イルーゾォちょっと、しゃがんで」
「…」
「うん。…ふふ、あまり似合わない」
「っ〜、に、似合わねェなら、す、するんじゃねェよアホ!」
「絆創膏は、似合う、似合わないで決めるものじゃない」
「なら言うなこのっ」
「ひゃ、や、やめて、イルーゾォ」
「ッ、っ、へ、変な声出すんじゃねェ!」
「変な声?」
ダイヤの頬をつまむと可愛らしい声が唇から漏れ出た。先程までダイヤのあられもない姿を想像していたからか、思わずそんなことを言ってしまう。慌てて目をそらした。
すると次の瞬間、女の怒鳴り声が路地裏に響く。
「ちょっと…!!私よりその女を抱くっていうの!?」
「……。ダイヤ、先に帰ってろ。少し面倒なことだから」
「…ううん。表で待ってる」
ダイヤがちらりと俺と女を見て言った。
…ああ最悪だ。よりにもよってダイヤに見られるなんて。ずきずきする頭を抑えながらああ、と答える。
「ちょっとッ!待ちなさいよッ!この泥棒猫!顔がいいからって、スカしてんじゃあないわよ!!」
「…?す、スカしてる?」
「おい!こいつは関係ねーだろ!!」
「なによ!あんた、馬鹿にしてんの!?私を抱かなかったくせに、この、この女を抱こうとするなんて…!」
「〜ッダイヤ!早く行け!」
「う、うん!」
顔を赤くして路地裏から走り去るダイヤに少しほっとする。…クソ、この女ぶっ殺してやろうか。
「おいテメェ…調子に乗ってんじゃあねーぞ。さっきお前は俺を殴った。それでチャラになった筈だ。挙げ句の果てにダイヤに汚ねぇ声を浴びせやがって。ぶっ殺してやってもいいんだぜ」
「ひ…っ、だ、だって…アンタがいけないんじゃない!!わ、わたしは、アンタのことが、好きになっちゃったのに…」
「…………は?」
「抱いてよ!!ここでいいから!ねえ、お願いっ!」
「(げ…マジかよ…!)お、俺が悪かった!二度とアンタの前に姿を現さない!金もさっきの二倍払う。これでいいだろ?」
「そんなクズなとこが最高に私の好みなのよ…!お願い、アンタの女にして…っ」
「はァ!?誰がクズだこのクソ女ッ!くそ、あーもうめんどくせェ、マンインザミラー!この女、」
「ホワイトデビル!!彼女からイルーゾォの記憶を消して!」
ダイヤが俺と女の間に入って叫んだ。
ダイヤのスタンドが女の頭をそっと掴む。女は倒れて、ダイヤが慌てて壁に寄り掛からせた。
ダイヤは少しだけ悲しそうな瞳をしながら女に自分の上着を掛けて俺を見上げる。
「…イルーゾォ。一般人を無闇に殺そうとしちゃだめ」
「…ッ、わ、悪ィ。殺すつもりはなかった。ただ…少し脅そうと」
「任務でもないのに拷問も脅しもだめ。…それに、この人はイルーゾォのことが好き、だった」
「ッそれがなんの関係があんだよ!」
「…人を好きになるのはすごいこと。好きになってもらうのは、きっと、もっとすごい。だから…大切にしないと」
「だったら…だったら俺は、」
「…イルーゾォ。早く女の人から離れよう。目を覚ます前に。行こう」
ぐい、と俺の腕を引っ張って路地裏から出ようとするダイヤを後ろから抱きしめる。
びくりと震えたがダイヤは不思議そうに俺を振り返った。
「イルーゾォ…?」
「好きだ。お前のことを愛してる。ずっとずっと好きだったんだ。初めて会った時、お前俺を見上げて少し驚いた顔したよな。あの時、天使だってマジに思ったんだぜ。なあ、本当に好きなんだよ、無防備で、すぐ人を信用して、でも頼りになって、可愛くて可愛いお前が…だから、」
「………俺のモンになれ、ダイヤ」
「…え…?」
「それでパッショーネを抜けてくれ。俺のモンになってくれ。一緒に逃げよう。一生大切にして、一生守るから。だから…頼む。好きなんだ、ダイヤ…!」
酷く困惑して怯えた顔で俺を見上げるダイヤに、しまった、と思った。
ああ、やばい。やってしまった。
自分の欲望を全てダイヤにぶつけてしまったことに酷い後悔を覚える。
だが出てきた言葉はもう戻らない。ドッドッ、と嫌な音を立てる心臓に俺は吐きそうになった。
「…イルーゾォ、ご、ごめんなさ、「ダイヤ!」
「今の…お前のスタンドで記憶を消してくれ。…使わせるの、悪いけど頼む。俺が今言った記憶と、お前の記憶も。女のところは消さなくていいから、頼む」
「……」
「頼む…お互い、いらねー記憶だ」
「……、ホワイトデビル。五分前の二人の記憶を、消して…」
ああ、くそ。
今のダイヤは好きなんてわからないのに。
自分のためだけに伝えた言葉なんて、消えたほうがいい。消えていく記憶にほっとしながら、少し虚しく思った。
「で。お前は女をぞんざいに扱った代償にその無残な姿をダイヤに見られて助けられた訳だな」
「お、おお…」
「挙げ句の果てにその一般人を殺そうとしたのか。…もう分かっている筈だ。今から俺が言う言葉を」
「はいッ!!!反省書三十枚提出、今月の特別報酬カット!すいませんでした!!」
「プラス今月の食事当番はお前だ。ダイヤの代わりにな」
「…ダイヤの飯食えねーのかよ!!」
「何か言ったか?」
リゾットの黒い視線から逃げるように部屋を出る。部屋の前にはダイヤが眉を下げて立っていた。申し訳なさそうな顔をしている。
「報告は義務、だから…」
「…分かってるよ。ケーキ奢る。お前にスタンド使わせて悪かったな」
「そのことなんだけど…少し不思議なことが起きてる。彼女の記憶を消すためにスタンドを使った後、もう一度なにかにスタンドを使ったことになってる。でも、私たちにその記憶がない。…なぜ?」
「マジかよ…お前の負担増えるじゃねーか!」
「…そこは重要じゃない。…なにに使ったんだろう?」
「さぁな。大して重要なことじゃあねーんだろ。お前が任務に関する記憶を消す訳ねえし。なにか下らねーことでも起きたんじゃねえか?」
「下らなくない」
「…、ダイヤ?」
「あ…く、下らなくない、と思う。なぜか。でも、今は消えたほうがいい、もの。なんとなくだけど…」
「?…なんだよそれ」
「わからない…けど、そう思った」
「…ふぅん?つーかその…女のことだけど。もう辞める。これで懲りた。少し紳士にならねーとな。お前以外にも」
「…イルーゾォが私に、紳士…?」
「な、紳士だろッ!?」
「…うん」
「おいなんだよその返事はッ!」
…俺はダイヤを好いているが、性欲は湧く。入れなきゃオッケーだろうという考えの元、ダイヤに似た女を探した。
…茶髪、黒、茶髪…違う。金色の、きらきらとした、天使みてーな色。
あ、くすんだ色だが金髪がいた。顔はイマイチだが、髪色さえ似てりゃいい。それだけで、俺は。近付いて女が好きそうな笑顔を浮かべる。頬を赤く染めた女を見て、ダイヤを想った。
「ね、ねェ…どうして、私に声をかけてくれたのよ?」
「……アンタが綺麗だった、からかな」
「そ、そぉ?確かに私、モテるほうだけど。ふふ、あなた見る目があるわね」
「…ドーモ。それより、もっと楽しいことしようぜ。な?」
耳元で低く囁いてやると女は顔を赤くしてうっとりとした顔をした。ダイヤには似ても似つかない下品な顔だ。うんざりしながら心の中でため息を吐く。
「ん、おっきぃ…」
「…」
「ねぇ、あなたの名前は?」
「…今必要か?あとでたっぷり教えてやるから」
「う、うん…」
女はやはりうっとりとした顔をしながら俺のものを口に含んで舐め始めた。
…くそ、顔が見える。違う、違うんだ。
ダイヤ、ダイヤ…ダイヤじゃない。
「なァ、もう少し顔伏せてくれねェか?あんたが可愛すぎて、集中できない」
「…っん、ん」
こくこくと頷いて更に奥深く女は咥えた。
金髪の髪を撫でる。ダイヤ、ダイヤ。
お前が好きだ。どうしようもねェくらいに。
それなのに、なんで、なんでお前じゃないんだ…!!
必死に金髪だけを見つめてダイヤを考える。
ダイヤが俺のを恥ずかしそうに、泣きそうになりながら咥えている。そんな想像をもう何百回とした。
想像の中でダイヤが俺を見上げたところで限界が来た。女の頭を押さえ込んで出す。
嬉しそうに飲む女にインランだな、と呟いた。
「ん…ふふ、こんな女は嫌い?」
「…ああ。好みじゃない。悪いけど、もう帰る。金はここに置いとくから」
「え!?な、なんで!?ちょっとまってよ、まだ…ッ」
「ああ。名前だっけ?聞かないほうがいいぜ。じゃーな」
「な…ッ!!最低!!この…ッ!」
女が手を振り上げたので避けないでそれを受け入れる。…流石に今回はクズな自覚があった。商売女相手ならともかく、相手は一般人だ。大して痛くもないソレを受けて女を見る。
「これでチャラ、な」
「わ、私のなにが悪かったっていうのよ!!ちゃんと、舐めたじゃない…!」
「…正直最初から抱くつもりはなかった。これだけ言えば満足だろ。本当に悪かったよ」
ホテルを後にして路地裏に入る。
…うわ、唇切れてんじゃあねーかよ。くそ。
はあ、とため息を吐いて空を見上げた。あーあ、こんなことやめてーなぁ。
でもダイヤが俺を好きになることはない。
何故ならダイヤは人を好きになるということが分からないからだ。
「…イルーゾォ?」
「っ、だ、ダイヤ…ど、どうした!?こんな所で、あぶねーだろうが!」
「…それを言うならイルーゾォもじゃ?」
「俺はいいんだよ!お前はおん、な…」
「大丈夫…?唇、キレてる」
「ッ、ダイヤ…」
そっと俺の頬に当たる白い手に心臓がばくばくと鳴る。…や、べぇ。勃つ、可愛い、なんで、なんでこんなところに。
「し、んぱいならいらねェよ。こんなの、怪我でもなんでも」
「大丈夫。絆創膏ある。イルーゾォちょっと、しゃがんで」
「…」
「うん。…ふふ、あまり似合わない」
「っ〜、に、似合わねェなら、す、するんじゃねェよアホ!」
「絆創膏は、似合う、似合わないで決めるものじゃない」
「なら言うなこのっ」
「ひゃ、や、やめて、イルーゾォ」
「ッ、っ、へ、変な声出すんじゃねェ!」
「変な声?」
ダイヤの頬をつまむと可愛らしい声が唇から漏れ出た。先程までダイヤのあられもない姿を想像していたからか、思わずそんなことを言ってしまう。慌てて目をそらした。
すると次の瞬間、女の怒鳴り声が路地裏に響く。
「ちょっと…!!私よりその女を抱くっていうの!?」
「……。ダイヤ、先に帰ってろ。少し面倒なことだから」
「…ううん。表で待ってる」
ダイヤがちらりと俺と女を見て言った。
…ああ最悪だ。よりにもよってダイヤに見られるなんて。ずきずきする頭を抑えながらああ、と答える。
「ちょっとッ!待ちなさいよッ!この泥棒猫!顔がいいからって、スカしてんじゃあないわよ!!」
「…?す、スカしてる?」
「おい!こいつは関係ねーだろ!!」
「なによ!あんた、馬鹿にしてんの!?私を抱かなかったくせに、この、この女を抱こうとするなんて…!」
「〜ッダイヤ!早く行け!」
「う、うん!」
顔を赤くして路地裏から走り去るダイヤに少しほっとする。…クソ、この女ぶっ殺してやろうか。
「おいテメェ…調子に乗ってんじゃあねーぞ。さっきお前は俺を殴った。それでチャラになった筈だ。挙げ句の果てにダイヤに汚ねぇ声を浴びせやがって。ぶっ殺してやってもいいんだぜ」
「ひ…っ、だ、だって…アンタがいけないんじゃない!!わ、わたしは、アンタのことが、好きになっちゃったのに…」
「…………は?」
「抱いてよ!!ここでいいから!ねえ、お願いっ!」
「(げ…マジかよ…!)お、俺が悪かった!二度とアンタの前に姿を現さない!金もさっきの二倍払う。これでいいだろ?」
「そんなクズなとこが最高に私の好みなのよ…!お願い、アンタの女にして…っ」
「はァ!?誰がクズだこのクソ女ッ!くそ、あーもうめんどくせェ、マンインザミラー!この女、」
「ホワイトデビル!!彼女からイルーゾォの記憶を消して!」
ダイヤが俺と女の間に入って叫んだ。
ダイヤのスタンドが女の頭をそっと掴む。女は倒れて、ダイヤが慌てて壁に寄り掛からせた。
ダイヤは少しだけ悲しそうな瞳をしながら女に自分の上着を掛けて俺を見上げる。
「…イルーゾォ。一般人を無闇に殺そうとしちゃだめ」
「…ッ、わ、悪ィ。殺すつもりはなかった。ただ…少し脅そうと」
「任務でもないのに拷問も脅しもだめ。…それに、この人はイルーゾォのことが好き、だった」
「ッそれがなんの関係があんだよ!」
「…人を好きになるのはすごいこと。好きになってもらうのは、きっと、もっとすごい。だから…大切にしないと」
「だったら…だったら俺は、」
「…イルーゾォ。早く女の人から離れよう。目を覚ます前に。行こう」
ぐい、と俺の腕を引っ張って路地裏から出ようとするダイヤを後ろから抱きしめる。
びくりと震えたがダイヤは不思議そうに俺を振り返った。
「イルーゾォ…?」
「好きだ。お前のことを愛してる。ずっとずっと好きだったんだ。初めて会った時、お前俺を見上げて少し驚いた顔したよな。あの時、天使だってマジに思ったんだぜ。なあ、本当に好きなんだよ、無防備で、すぐ人を信用して、でも頼りになって、可愛くて可愛いお前が…だから、」
「………俺のモンになれ、ダイヤ」
「…え…?」
「それでパッショーネを抜けてくれ。俺のモンになってくれ。一緒に逃げよう。一生大切にして、一生守るから。だから…頼む。好きなんだ、ダイヤ…!」
酷く困惑して怯えた顔で俺を見上げるダイヤに、しまった、と思った。
ああ、やばい。やってしまった。
自分の欲望を全てダイヤにぶつけてしまったことに酷い後悔を覚える。
だが出てきた言葉はもう戻らない。ドッドッ、と嫌な音を立てる心臓に俺は吐きそうになった。
「…イルーゾォ、ご、ごめんなさ、「ダイヤ!」
「今の…お前のスタンドで記憶を消してくれ。…使わせるの、悪いけど頼む。俺が今言った記憶と、お前の記憶も。女のところは消さなくていいから、頼む」
「……」
「頼む…お互い、いらねー記憶だ」
「……、ホワイトデビル。五分前の二人の記憶を、消して…」
ああ、くそ。
今のダイヤは好きなんてわからないのに。
自分のためだけに伝えた言葉なんて、消えたほうがいい。消えていく記憶にほっとしながら、少し虚しく思った。
「で。お前は女をぞんざいに扱った代償にその無残な姿をダイヤに見られて助けられた訳だな」
「お、おお…」
「挙げ句の果てにその一般人を殺そうとしたのか。…もう分かっている筈だ。今から俺が言う言葉を」
「はいッ!!!反省書三十枚提出、今月の特別報酬カット!すいませんでした!!」
「プラス今月の食事当番はお前だ。ダイヤの代わりにな」
「…ダイヤの飯食えねーのかよ!!」
「何か言ったか?」
リゾットの黒い視線から逃げるように部屋を出る。部屋の前にはダイヤが眉を下げて立っていた。申し訳なさそうな顔をしている。
「報告は義務、だから…」
「…分かってるよ。ケーキ奢る。お前にスタンド使わせて悪かったな」
「そのことなんだけど…少し不思議なことが起きてる。彼女の記憶を消すためにスタンドを使った後、もう一度なにかにスタンドを使ったことになってる。でも、私たちにその記憶がない。…なぜ?」
「マジかよ…お前の負担増えるじゃねーか!」
「…そこは重要じゃない。…なにに使ったんだろう?」
「さぁな。大して重要なことじゃあねーんだろ。お前が任務に関する記憶を消す訳ねえし。なにか下らねーことでも起きたんじゃねえか?」
「下らなくない」
「…、ダイヤ?」
「あ…く、下らなくない、と思う。なぜか。でも、今は消えたほうがいい、もの。なんとなくだけど…」
「?…なんだよそれ」
「わからない…けど、そう思った」
「…ふぅん?つーかその…女のことだけど。もう辞める。これで懲りた。少し紳士にならねーとな。お前以外にも」
「…イルーゾォが私に、紳士…?」
「な、紳士だろッ!?」
「…うん」
「おいなんだよその返事はッ!」