天使の悪魔【暗殺チーム】
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ざあざあと雨が窓に叩きつけられている。
ぼんやりとその様子を眺める彼女に、そっと上着を掛けてやった。彼女が首を傾けたことで、俺の瞳と目が合う。
「…リゾット」
「…風邪を引くぞ。寝なくていいのか?」
「…大丈夫。これ、貴方の上着?」
「ああ。女には似合わないが我慢してくれ」
黒のパーカーをきゅ、と握りしめる彼女はどこか嬉しそうだった。何故、と疑問に思っているとダイヤがふわりと笑う。
「貴方に抱きしめられている、みたい」
「…お望みなら今すぐ抱きしめてやれるが」
「それは違う…」
「…そうか…」
内心ショックを受けたが仕方ない。
彼女が俺に笑いかけてくれただけでも、最初に比べれば大進歩だ。高望みはするもんじゃあねぇ。
「リゾットも眠れない?」
「ああ…気が昂ってな。任務を終えた後は眠れない」
「そう…。私は眠り方がよくわからないの。ギアッチョが居ると、少し眠れるけれど」
「あいつは今日任務だったな…。お前が良ければ一緒に寝るか。勿論手を出したりは絶対にしない」
「…うん。わたしも、リゾットと寝たい」
ダイヤが立ち上がって俺の手をとる。その手はひんやりとしていて、小さかった。
握り返していいものか迷っていると、ダイヤが小さく笑って手を離した。
「ふふ…少し悪戯した」
「…お前から触れることは中々ないからな。驚いたぞ」
今度は俺からダイヤの手をとって部屋まで連れて行く。ダイヤは少しだけ嬉しそうに俺のベッドに座った。そのまま見上げてくるので親愛の意味をこめて頬にキスをする。
「おやすみ。ダイヤ」
「うん…リゾットもおやすみ。手を繋いで寝る?」
「…ああ。そうしよう。握り潰さないように気をつけなくてはな」
「…こわい」
「冗談だ」
「おいリゾット。報告書終わったぜ」
「……(どうしよう)」
「…まだ寝てやがんのか?入るぞ」
「!!(やばい、早く隠れなきゃ)」
慌ててベッドから出てクローゼットの中に入る。中は狭く、リゾットの匂いで溢れかえっていた。それに少し気まずさを覚えながらも息を潜める。プロシュートはわたしがチームのみんなに近付くと機嫌が悪くなるのだ。
リゾットの部屋で寝ていたなんて知られたら殺されてしまうかもしれない。
「おい…チッ。まだ寝てやがんのかァ?」
(…リゾットは意外と眠りが深い?でも暗殺者なのに…)
「…誰かいんのか」
プロシュートのスタンドが現れた。
思わず息を呑む。どうしよう、わたしのことを敵だと勘違いしてる?本格的に殺される前に出ないと、と思っても脚が動かない。
プロシュートのことだ、長くは待ってくれないだろう。
「…ホワイトデビル。私を部屋の外に出して」
「部屋の外に男が一人。殺しますか?」
「!!こ、殺さない…!仲間だよ」
「分かりました。カウントダウン、3、2、1。部屋の外に召喚します」
目を開けると、そこはリゾットの部屋の前だった。ほっとしながら横を見るとギアッチョがカップを手にしたまま私を見ている。
さぁ、と血の気が引いた。
「…お前よォ〜まさかとは思うがリゾットと寝やがったのかァ?」
「ね、寝れなくて…でも今はそんな場合じゃ、」
「………ふっざけんなァァ!!男と寝るなってあれ程言ったろーが!!」
「ひっ、い、イルーゾォ!鏡の中に入れて…っ!」
「…仕方ねェなァ〜」
何故か嬉しそうなイルーゾォが私に手を伸ばす。その手をガッ、と横から誰かが掴んだ。
恐る恐る見上げるとプロシュートがこめかみを痙攣させながら私を見下ろしている。
「よォマンモーナァ。また男引っ掛けやがって…」
「!?!?」
「てめーには仕置きをしてやらねェと駄目みたいだな?おいギアッチョ。ダイヤ借りるぞ」
「ダイヤは俺が説教すんだよジジイは口出すんじゃあねェ!!」
ぎゃいぎゃいと二人が争っているのをぽかんと眺める。その間にイルーゾォが私を抱き上げて鏡の中に入れてくれた。
ダイヤを許可する、と機嫌良さげに呟いている。
「イルーゾォ…ありがとう…」
「あ?まァいいぜ。俺は今機嫌が良いからな」
「…どうして?」
「はん、お前さっき俺に助けを求めただろ?あいつらより俺を選んだってことは、俺が一番強いということだからな!」
「(ただあの場から逃げたかっただけなんだけど…)」
う、うん、と頷きながら辺りを見渡す。
相変わらず静かな世界だ。少し不安になってイルーゾォの服を掴むと顔を真っ赤にして固まってしまった。
「…、い、イルーゾォ?」
「……お、お前から触れるのは許可しない」
「だめなの?」
「ああ!駄目だッ!」
「そう…ごめんなさい」
「…だが俺から触れるのは許可する」
そう呟いてイルーゾォは私の手をその大きな手で包み込んだ。…温かい。
見上げるとイルーゾォが柔らかく微笑んでいたので思わずぽかんと惚ける。こんな笑顔、初めて見た。イルーゾォは馬鹿にするような笑みを浮かべるけど、こんなに綺麗な笑顔は初めて見たのだ。
「…わたし、その顔すき」
「は、はァ!?そ、その顔って!?」
「……イルーゾォの、微笑み。きれい、すき」
「…………お、お前のほうが、綺麗だ…ッ!」
ぎゅう、と握り締められてひゃ、と思わず声が漏れた。慌てて手を離して悪い、と謝るイルーゾォに苦笑する。イルーゾォは任務の時は高慢で残酷なことを平気でするけど、普通に生活している時は意外と優しい時もある。
それが仲間にしか向けられないものだから、私は絶対にここを裏切ることは出来ないと強く思えるのだ。
「外に出たら…怒られちゃうかな」
「…ならずっとここに居ればいんじゃあねーの」
その言葉に顔を上げてイルーゾォを見る。
イルーゾォは冗談のような口調のわりに、どこか目は真剣で、私はそうしようかな、と呟いた。その瞬間、イルーゾォがぱっとこちらを向く。
「二人が落ち着くまで」
「…チッ、つまんねェの」
「ふふ、イルーゾォと二人は、寂しい」
「……俺じゃ役不足ってか?あ?」
「ち、ちがう。だって…ずっとなら他のみんなも来て欲しい。でしょ?」
「フン、別に俺はお前と二人でもいいぜ。許可してやる」
「…そ、そう…」
もしかして、意外と私のこと嫌いじゃあないのかな。そう思って嬉しくなった。
わたしも、イルーゾォのこと、嫌いじゃない。
すき。
ぼんやりとその様子を眺める彼女に、そっと上着を掛けてやった。彼女が首を傾けたことで、俺の瞳と目が合う。
「…リゾット」
「…風邪を引くぞ。寝なくていいのか?」
「…大丈夫。これ、貴方の上着?」
「ああ。女には似合わないが我慢してくれ」
黒のパーカーをきゅ、と握りしめる彼女はどこか嬉しそうだった。何故、と疑問に思っているとダイヤがふわりと笑う。
「貴方に抱きしめられている、みたい」
「…お望みなら今すぐ抱きしめてやれるが」
「それは違う…」
「…そうか…」
内心ショックを受けたが仕方ない。
彼女が俺に笑いかけてくれただけでも、最初に比べれば大進歩だ。高望みはするもんじゃあねぇ。
「リゾットも眠れない?」
「ああ…気が昂ってな。任務を終えた後は眠れない」
「そう…。私は眠り方がよくわからないの。ギアッチョが居ると、少し眠れるけれど」
「あいつは今日任務だったな…。お前が良ければ一緒に寝るか。勿論手を出したりは絶対にしない」
「…うん。わたしも、リゾットと寝たい」
ダイヤが立ち上がって俺の手をとる。その手はひんやりとしていて、小さかった。
握り返していいものか迷っていると、ダイヤが小さく笑って手を離した。
「ふふ…少し悪戯した」
「…お前から触れることは中々ないからな。驚いたぞ」
今度は俺からダイヤの手をとって部屋まで連れて行く。ダイヤは少しだけ嬉しそうに俺のベッドに座った。そのまま見上げてくるので親愛の意味をこめて頬にキスをする。
「おやすみ。ダイヤ」
「うん…リゾットもおやすみ。手を繋いで寝る?」
「…ああ。そうしよう。握り潰さないように気をつけなくてはな」
「…こわい」
「冗談だ」
「おいリゾット。報告書終わったぜ」
「……(どうしよう)」
「…まだ寝てやがんのか?入るぞ」
「!!(やばい、早く隠れなきゃ)」
慌ててベッドから出てクローゼットの中に入る。中は狭く、リゾットの匂いで溢れかえっていた。それに少し気まずさを覚えながらも息を潜める。プロシュートはわたしがチームのみんなに近付くと機嫌が悪くなるのだ。
リゾットの部屋で寝ていたなんて知られたら殺されてしまうかもしれない。
「おい…チッ。まだ寝てやがんのかァ?」
(…リゾットは意外と眠りが深い?でも暗殺者なのに…)
「…誰かいんのか」
プロシュートのスタンドが現れた。
思わず息を呑む。どうしよう、わたしのことを敵だと勘違いしてる?本格的に殺される前に出ないと、と思っても脚が動かない。
プロシュートのことだ、長くは待ってくれないだろう。
「…ホワイトデビル。私を部屋の外に出して」
「部屋の外に男が一人。殺しますか?」
「!!こ、殺さない…!仲間だよ」
「分かりました。カウントダウン、3、2、1。部屋の外に召喚します」
目を開けると、そこはリゾットの部屋の前だった。ほっとしながら横を見るとギアッチョがカップを手にしたまま私を見ている。
さぁ、と血の気が引いた。
「…お前よォ〜まさかとは思うがリゾットと寝やがったのかァ?」
「ね、寝れなくて…でも今はそんな場合じゃ、」
「………ふっざけんなァァ!!男と寝るなってあれ程言ったろーが!!」
「ひっ、い、イルーゾォ!鏡の中に入れて…っ!」
「…仕方ねェなァ〜」
何故か嬉しそうなイルーゾォが私に手を伸ばす。その手をガッ、と横から誰かが掴んだ。
恐る恐る見上げるとプロシュートがこめかみを痙攣させながら私を見下ろしている。
「よォマンモーナァ。また男引っ掛けやがって…」
「!?!?」
「てめーには仕置きをしてやらねェと駄目みたいだな?おいギアッチョ。ダイヤ借りるぞ」
「ダイヤは俺が説教すんだよジジイは口出すんじゃあねェ!!」
ぎゃいぎゃいと二人が争っているのをぽかんと眺める。その間にイルーゾォが私を抱き上げて鏡の中に入れてくれた。
ダイヤを許可する、と機嫌良さげに呟いている。
「イルーゾォ…ありがとう…」
「あ?まァいいぜ。俺は今機嫌が良いからな」
「…どうして?」
「はん、お前さっき俺に助けを求めただろ?あいつらより俺を選んだってことは、俺が一番強いということだからな!」
「(ただあの場から逃げたかっただけなんだけど…)」
う、うん、と頷きながら辺りを見渡す。
相変わらず静かな世界だ。少し不安になってイルーゾォの服を掴むと顔を真っ赤にして固まってしまった。
「…、い、イルーゾォ?」
「……お、お前から触れるのは許可しない」
「だめなの?」
「ああ!駄目だッ!」
「そう…ごめんなさい」
「…だが俺から触れるのは許可する」
そう呟いてイルーゾォは私の手をその大きな手で包み込んだ。…温かい。
見上げるとイルーゾォが柔らかく微笑んでいたので思わずぽかんと惚ける。こんな笑顔、初めて見た。イルーゾォは馬鹿にするような笑みを浮かべるけど、こんなに綺麗な笑顔は初めて見たのだ。
「…わたし、その顔すき」
「は、はァ!?そ、その顔って!?」
「……イルーゾォの、微笑み。きれい、すき」
「…………お、お前のほうが、綺麗だ…ッ!」
ぎゅう、と握り締められてひゃ、と思わず声が漏れた。慌てて手を離して悪い、と謝るイルーゾォに苦笑する。イルーゾォは任務の時は高慢で残酷なことを平気でするけど、普通に生活している時は意外と優しい時もある。
それが仲間にしか向けられないものだから、私は絶対にここを裏切ることは出来ないと強く思えるのだ。
「外に出たら…怒られちゃうかな」
「…ならずっとここに居ればいんじゃあねーの」
その言葉に顔を上げてイルーゾォを見る。
イルーゾォは冗談のような口調のわりに、どこか目は真剣で、私はそうしようかな、と呟いた。その瞬間、イルーゾォがぱっとこちらを向く。
「二人が落ち着くまで」
「…チッ、つまんねェの」
「ふふ、イルーゾォと二人は、寂しい」
「……俺じゃ役不足ってか?あ?」
「ち、ちがう。だって…ずっとなら他のみんなも来て欲しい。でしょ?」
「フン、別に俺はお前と二人でもいいぜ。許可してやる」
「…そ、そう…」
もしかして、意外と私のこと嫌いじゃあないのかな。そう思って嬉しくなった。
わたしも、イルーゾォのこと、嫌いじゃない。
すき。