第一章 妖と暗殺者
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「……桜!」
「…ああ、リゾットか。なんだ?私を捕まえて実験でもするつもりか?」
「な…違う。俺はただお前に会いたかっただけだ。それに、どうした。随分顔色が悪い」
「…貴様の仲間のせいで私は家を失ったんだ!!くそっ…どうしてくれる!あと数年で…!こうなったらもう殺す以外には、」
「落ち着けよ…ッ、おい!」
『桜様!!守護契約を蔑ろにすることは許されません!主人を殺すおつもりですか!?』
「私は…!早く野生の妖に戻らなきゃいけないんだ!首輪にいつまで縛られていればいい!?もううんざりだ!術も使えないただの狐なんて!」
悲痛な声を上げて狐火を睨みつける桜の肩をリゾットが抱く。それを桜が払って俺らを睨みつけた。…随分気が立っているらしい。
怒る姿が美しいのは妖だからか?
「…さっきから話についていけねぇんだが…話せ。桜」
「…分かった。話す。が、話したらここを出ていくぞ」
「……俺になにか出来ることはないか。お前の力になりたい」
「…人間に頼るなんて無様な真似はしない。私は妖だ。大昔、生を受けて今ここにいる。ジャポネーゼの妖怪だった私は数十年前、イタリアにやってきた。それまで野生の妖として好き放題やっていたが…守護契約というものが出来た。神が勝手に作った契約のことだ。私達危険な妖を封じるために力を抑えるためのものでな。それが出来て私も人間と守護契約を結ぶことになったんだ。最初はその人間になら結んでもいいという気になったからで…ああ、それ以降は上手く思い出せないが、偶然が重なって結んでいた。それで今回…やっと守護契約を結ばずに済むと思っていたらこのザマだ」
「…?なにかあったのか」
「そこの蒼い髪の小僧に結ばされた。そいつが死ぬまで私は守護契約が解けない」
バッ、と全員の視線が俺に集まる。
居心地が悪くなって舌打ちをするとプロシュートに頭を殴られた。い、いってェ…!
「お前なにしてんだ!!手ェ出すなって言ったろーが!」
「出してねーよッ!ただ…!足滑らせてあいつとキ…っ、口がぶつかってこう…、とにかく俺は悪くねェ!」
「…おいギアッチョ。桜とキスをしたのか?」
「無理矢理とかじゃねーからな!?」
殺気が物凄いリゾットに内心ビビる。
さすがにリゾットに俺のスタンドは敵わねえ。慌ててちがうちがうと否定すれば、リゾットは少し考えた後に桜の肩をがっしりと掴んだ。
「俺の家に来い。落ち着くまで住んでかまわない」
「「「「はァ!?」」」」
「…人間の世話にはならんと言ったろう。それならまだ吸血鬼のクソの世話になったほうがマシだ」
「おい女がクソなんて言葉を使うな桜」
「フン、リゾットお前には関係ない」
「なにを拗ねている?…おいこっちを向け」
「い・や・だ」
「桜」
…なんか…恋人のやりとりみてーじゃねーか?
そう考えると無性に苛々としてきて、側にあったメローネのパソコンを叩き壊していた。
メローネのふざけるな!と怒る声を無視して桜の前に立つ。
「…っお前は俺が主人なんだろーが!!他のやつにほいほい尻尾振ってんじゃねーよッ!」
「……主人は私にそんなことを言わなかった」
「ああ!?テメーが尻尾振ってんのが悪いんだろ!?」
「…私はお前を主人と認めていない」
「はァ!?んなこと言っても俺がお前の主人だろ!?」
「〜〜おいそこの黒髪!お前の家に連れてけ!それでいい!しばらく貴様らと会わない!話すと殺してしまいそうだ!」
「は、はァ!?俺!?」
「行くぞ黒髪!」
「俺はイルーゾォだ!っつか待て!お、おい桜!」
アジトを後にする桜に、慌ててイルーゾォがついていく。その姿を見た俺とリゾットとプロシュートは同時にメローネのパソコンを蹴り飛ばした。
「だからアンタらやめろって!!!!」
「…なんかアンタ妖怪?のわりにガキみたいだよな。拗ねてんのか?」
「……貴様は黙って歩いてろクソ犬」
「い、犬だと!?おい桜お前マジで舐めてんじゃ…、」
前をずかずか歩く桜の肩をイルーゾォが掴む。つーかなんで俺はこの女について来てるんだ。放っときゃあいいものを。
だが、桜の顔を見て全ての思考が動かなくなった。
こいつ…泣いてる。
「…み、るな、ばか、犬!」
「だから犬って…つーか泣くなよ。まだなんもしてねーだろ…」
「うっ…ひ、ぐっ、」
「……(なんか…すげー人形みてーに綺麗だと思ってたけど…こいつ可愛いな…)」
涙も、凄く綺麗だ。
イルーゾォはそっと桜を抱き締めた。
桜は抵抗せずに抱き締められている。何故か心臓がばくばくとなって死にそうになった。
「…お前さ…その顔で泣くなよ」
「…私を醜顔だといいたいのか、そうか…遺言はそれでいいか?」
「ちげーよ!!…っ、だから!アンタの泣き顔めちゃくちゃ可愛いんだよ!しかもこんな簡単に男に抱き締められやがって!犯されても文句言うなよ!?」
「……はは、お前…少し…似てる」
「は?似てるって…」
「いや、なんでもない。行くぞ。お前の家はどこだ?」
「お、おう…つーか知らねーで歩いてたのか…」
「当たり前だろう。いいから早くしろ犬」
「……桜チャンはそろそろ犯されてーのかあァ?」
ぐい、と桜の細い腰を掴んで至近距離で目を合わせる。…妖怪かなんだか知らねーがあまり馬鹿にされると流石に腹が立つ。ましてイルーゾォはプライドが高いのだ。
美しい桜の瞳に、静かに冷たい目をしたイルーゾォが映った。
「…」
「…桜?」
「瞳…赤いんだな」
「あ?あ、ああ…それより、」
「綺麗だ…イルーゾォ」
「っ!!!」
桜の美しい白い手で頬を撫でられた瞬間、心臓に雷が落ちたような衝撃が走った。
つ、つーかこいつ…今…俺の名前、
「ふふ…お前の目はいいな。綺麗だ」
「…はァ。いいから行くぞ。…犬って次呼んだらキスするからな」
「それだけはやめてくれ…これ以上守護契約を結ばれるのは勘弁だ」
「はあ!?守護契約とやらって複数結べるのかよ!?」
「?そうだが」
「………危ねぇな。キスしてたらどうすんだよ…馬鹿狐」
「まずするな。お前ら人間はそんなに軽々しくするのか」
「ここはイタリアだぜ?アンタみたいな女はすぐ喰われちまうのがふつー」
「…ふぅん?」
家についてまずすることは桜の洋服を買いに行く準備をすることだった。桜の今の格好は着物のような美しい羽織りを着ているが、イタリアじゃ流石に目立ちすぎる。洋服を買ってやるか、とイルーゾォはちらりと桜を見た。
…ほんと…こんな綺麗な女初めて見たよ。
「…そういや守護契約って具体的に結ぶとどうなるんだ」
「主人の言うことを私は聞かなきゃいけなくなる」
「……それやばいな…」
「ん。だから早く野生に戻りたいんだ。野生に戻ったらイタリアで暴れてやろうかな…?」
「おいおい勘弁しろよ」
「ふふ、安心しろ。戻ったら日本に帰る」
「…………は?許さねーぞそんなの」
「…?いる、んんっ!?」
「…、!はッ!や、やべ、桜!」
「きっ、さま…」
「待て待て待て桜。落ち着け悪かったって!」
突然の衝動に突き動かされて、イルーゾォは無理矢理桜の唇を奪っていた。唇を奪った瞬間、一瞬視界が暗くなったのが気になるが、今はそれどころじゃない。
…何故キスをしたのかというと、単にむかついたのだ。俺から離れようなどと言う桜に。
俺はこいつの主人でもなんでもないのに…いや、まて。今主人になっちまったじゃねえか!
拳を握る桜に思わずイルーゾォはとりあえず落ち着いて座れ!と『命令』してしまった。
「ひゃあう!?」
「っ、桜!?」
「や…おまっ、いき、なり…めい、れい、するなぁ…!ばか、犬!」
ぺたりと床に座ってこちらを見上げる桜にぞくりとする。…本当になんでも言うこと聞くんだな。喉がごくりと鳴った。桜の瞳に映るイルーゾォは、まるで飢えた獣のような顔をしていた。
……少しくらいなら味見をしても罰は当たらないかもしれない。
じりじりと桜に近づくイルーゾォに、桜は耳をへにゃりと垂れさせた。こわい。
「い、イルーゾォ…?ま、待て…近づくな…っ、ばかいぬ!」
「…ん〜?さっき俺に犬って言うなって言ったよな?言ったらどうするって言ったっけなァ?」
「ぁ、っ!ちょっ、ほんとに、やめろ…!この、くず!」
「誰に言ってんだよ、桜。俺はもうお前のご主人様だろ?…ほら、『キスしてください、イルーゾォ様』って言ってみろよ」
「や…あ!き、いや…っ、や、き、きす、してください…っ、いるーぞぉ、さま…!〜っ、ころす…っ!」
「…ッ!よくできました。ほら、ペットにはご褒美やらなくちゃあな」
「ん〜っ…!ん、んぁ、ふ、ぅ、ぁっ」
「…はっ、おら、もっと舌、出せよ」
「ぁ、んんぅ…っ!や、らぁ、いる、ぅぞ」
「あー…すげえ可愛い…」
桜の耳元で低く囁く。桜はびくりと震えてぽろぽろと涙を溢した。イルーゾォはぎょっとして桜の肩を掴んで顔を覗き込む。
「…ぅ、ぅ…っ、」
「さく、ら…また泣いてんのかよ。可愛いだけだぞ?桜…悪かった、泣き止んでくれよ…俺が悪かったから…」
「や…!さわるなっ、ばか!きらい、きらいだ!」
「!!…おい、桜」
「ふぇ、ふぅぅ…っ!ひ、っく!もう、お前もいやだ…っ、もう、帰る…!」
「…っ帰らせるかよ…!お前はもう俺のモンだ!くそ…!脱げよ、一枚一枚脱いでいけ、桜」
「ぁ…!」
「早く」
「やだぁ…ほんとに、ゆるしてくれ…イルーゾォ…っ」
「嫌だね。俺のこと嫌いって言った罰、与えないと駄目だろ?」
「〜っふ、う、ぅぁ、あんっ」
泣きながら着物を脱いで行く桜にイルーゾォは人生で一番といっていいほど興奮していた。
…早く犯したい。この女の奥深くに自分の精を放って孕ましてやりたい。泣かせたい、一生俺の言うことを聞かせたい。
最低なことが次から次へと浮かんでくる。
この女を妖でもなんでもない、俺の女にしたいと思った。
「あ…」
ぱさ、と下着姿になった桜にイルーゾォはごくりと喉を鳴らした。着物だからかブラはつけていない。ショーツは女らしい黒のもので、いやらしさが半端じゃない。
桜は銀の髪を震わせながら俯いた。
「…それ、脱げよ。命令な」
「…!!…や…っ」
「桜。『脱げ』」
「〜…!おねがい、イルーゾォ。本当に、やなんだ…!それ以外なら、なんでも、するからっ」
「……じゃあ俺の膝の上座れよ」
「…っ、く、そ…っ」
そろそろとイルーゾォの膝の上に座る桜に、イルーゾォはもう耐えれなくなった。桜の口をめちゃくちゃに犯して胸を揉む。ぁんぁん喘ぐ桜に今すぐに突っ込みたくなる。…ああだめだこの女は。俺が一生繋いでおかないと。
ほっとけばすぐに他の野郎にも喰われる。
「や、やらぁっ!だめ、だめ、人間と、まじわる、なんていやぁっ!」
「…今からお前は人間に犯されんだよ…ッ!俺みたいな男に…!」
「ぁ、あ、ん〜っ!や、り、ぞっと!りぞっとぉ!」
「!…ッおっ前は本当に…!俺を怒らせて虐められんのがそんなに好きかよ!あぁ!?」
「きゃあぅっ!だめ…!やだ、やめろ…っ、ぁあぁっ!や、やぁんッ!しっぽ、やめ、やぁああっ」
「…ッ好きだって言え!!桜…!」
「っ!すき、すきっ、イルーゾォ!」
「〜っ!いれる、ぞ。桜…ッ」
「や、やぁぁあっ!」
そこからは本当に天国かと思った。
可愛すぎる桜にいやらしい言葉を言わせて辱める。最高すぎるセックスに、イルーゾォは大満足していた。今、桜はぐったりとしてベッドに沈んでいる。
「…やり過ぎたな…いくらなんでも」
ゆっくり腰を撫でてやれば、桜はびくびくと震えた。…まさかあいつらの中で自分が一番早くに我慢が効かなくなるとは。
最初はただ味見出来たらいいくらいだった感情が、今はもうこいつを俺のものにして一生外に出られなくしたいというところにまできている。
「…マジで閉じ込めてぇな…」
「こほ…っ、」
「!桜…起きたか?」
「んん…?イルーゾォ…?」
「あ、ああ。無理させて悪かったな…今飲み物を、」
「夢は楽しかったか?この変態犬」
「ッ!?!?」
「やっと起きたのか貴様…」
「は、はァァァ!?え、い、今の…は!?」
「お前…流石にドン引きだぞ。なんだあの夢は」
「ま、まて!どこから夢だ!?まさか、最初から…」
「阿保。お前に無理矢理キスをされたのは夢じゃない。…キスをされた瞬間に、昔の主人に教わった波紋というものを流して気絶させたんだ。流石にあのままだと私もやばいと思ったからな」
「な、な…ッ、つーかなんで俺の夢の内容を知ってんだお前は!」
「ああ、言ってなかったな。主人と守護契約を結んだ妖は主人の考えていることが触れている間は分かるんだ。よーく分かったよ。君という人間がな」
じっと目を合わせられてイルーゾォは顔を真っ赤にする。…まじかよ。あの夢を…!
ふん、と桜が馬鹿にしたよう笑ってイルーゾォを見た。
「…あんな夢より、現実の私のほうがよっぽど色っぽいぞ?イルーゾォ」
「…ッ!!!う、ぉ、やべ、鼻血…」
「…ああ、リゾットか。なんだ?私を捕まえて実験でもするつもりか?」
「な…違う。俺はただお前に会いたかっただけだ。それに、どうした。随分顔色が悪い」
「…貴様の仲間のせいで私は家を失ったんだ!!くそっ…どうしてくれる!あと数年で…!こうなったらもう殺す以外には、」
「落ち着けよ…ッ、おい!」
『桜様!!守護契約を蔑ろにすることは許されません!主人を殺すおつもりですか!?』
「私は…!早く野生の妖に戻らなきゃいけないんだ!首輪にいつまで縛られていればいい!?もううんざりだ!術も使えないただの狐なんて!」
悲痛な声を上げて狐火を睨みつける桜の肩をリゾットが抱く。それを桜が払って俺らを睨みつけた。…随分気が立っているらしい。
怒る姿が美しいのは妖だからか?
「…さっきから話についていけねぇんだが…話せ。桜」
「…分かった。話す。が、話したらここを出ていくぞ」
「……俺になにか出来ることはないか。お前の力になりたい」
「…人間に頼るなんて無様な真似はしない。私は妖だ。大昔、生を受けて今ここにいる。ジャポネーゼの妖怪だった私は数十年前、イタリアにやってきた。それまで野生の妖として好き放題やっていたが…守護契約というものが出来た。神が勝手に作った契約のことだ。私達危険な妖を封じるために力を抑えるためのものでな。それが出来て私も人間と守護契約を結ぶことになったんだ。最初はその人間になら結んでもいいという気になったからで…ああ、それ以降は上手く思い出せないが、偶然が重なって結んでいた。それで今回…やっと守護契約を結ばずに済むと思っていたらこのザマだ」
「…?なにかあったのか」
「そこの蒼い髪の小僧に結ばされた。そいつが死ぬまで私は守護契約が解けない」
バッ、と全員の視線が俺に集まる。
居心地が悪くなって舌打ちをするとプロシュートに頭を殴られた。い、いってェ…!
「お前なにしてんだ!!手ェ出すなって言ったろーが!」
「出してねーよッ!ただ…!足滑らせてあいつとキ…っ、口がぶつかってこう…、とにかく俺は悪くねェ!」
「…おいギアッチョ。桜とキスをしたのか?」
「無理矢理とかじゃねーからな!?」
殺気が物凄いリゾットに内心ビビる。
さすがにリゾットに俺のスタンドは敵わねえ。慌ててちがうちがうと否定すれば、リゾットは少し考えた後に桜の肩をがっしりと掴んだ。
「俺の家に来い。落ち着くまで住んでかまわない」
「「「「はァ!?」」」」
「…人間の世話にはならんと言ったろう。それならまだ吸血鬼のクソの世話になったほうがマシだ」
「おい女がクソなんて言葉を使うな桜」
「フン、リゾットお前には関係ない」
「なにを拗ねている?…おいこっちを向け」
「い・や・だ」
「桜」
…なんか…恋人のやりとりみてーじゃねーか?
そう考えると無性に苛々としてきて、側にあったメローネのパソコンを叩き壊していた。
メローネのふざけるな!と怒る声を無視して桜の前に立つ。
「…っお前は俺が主人なんだろーが!!他のやつにほいほい尻尾振ってんじゃねーよッ!」
「……主人は私にそんなことを言わなかった」
「ああ!?テメーが尻尾振ってんのが悪いんだろ!?」
「…私はお前を主人と認めていない」
「はァ!?んなこと言っても俺がお前の主人だろ!?」
「〜〜おいそこの黒髪!お前の家に連れてけ!それでいい!しばらく貴様らと会わない!話すと殺してしまいそうだ!」
「は、はァ!?俺!?」
「行くぞ黒髪!」
「俺はイルーゾォだ!っつか待て!お、おい桜!」
アジトを後にする桜に、慌ててイルーゾォがついていく。その姿を見た俺とリゾットとプロシュートは同時にメローネのパソコンを蹴り飛ばした。
「だからアンタらやめろって!!!!」
「…なんかアンタ妖怪?のわりにガキみたいだよな。拗ねてんのか?」
「……貴様は黙って歩いてろクソ犬」
「い、犬だと!?おい桜お前マジで舐めてんじゃ…、」
前をずかずか歩く桜の肩をイルーゾォが掴む。つーかなんで俺はこの女について来てるんだ。放っときゃあいいものを。
だが、桜の顔を見て全ての思考が動かなくなった。
こいつ…泣いてる。
「…み、るな、ばか、犬!」
「だから犬って…つーか泣くなよ。まだなんもしてねーだろ…」
「うっ…ひ、ぐっ、」
「……(なんか…すげー人形みてーに綺麗だと思ってたけど…こいつ可愛いな…)」
涙も、凄く綺麗だ。
イルーゾォはそっと桜を抱き締めた。
桜は抵抗せずに抱き締められている。何故か心臓がばくばくとなって死にそうになった。
「…お前さ…その顔で泣くなよ」
「…私を醜顔だといいたいのか、そうか…遺言はそれでいいか?」
「ちげーよ!!…っ、だから!アンタの泣き顔めちゃくちゃ可愛いんだよ!しかもこんな簡単に男に抱き締められやがって!犯されても文句言うなよ!?」
「……はは、お前…少し…似てる」
「は?似てるって…」
「いや、なんでもない。行くぞ。お前の家はどこだ?」
「お、おう…つーか知らねーで歩いてたのか…」
「当たり前だろう。いいから早くしろ犬」
「……桜チャンはそろそろ犯されてーのかあァ?」
ぐい、と桜の細い腰を掴んで至近距離で目を合わせる。…妖怪かなんだか知らねーがあまり馬鹿にされると流石に腹が立つ。ましてイルーゾォはプライドが高いのだ。
美しい桜の瞳に、静かに冷たい目をしたイルーゾォが映った。
「…」
「…桜?」
「瞳…赤いんだな」
「あ?あ、ああ…それより、」
「綺麗だ…イルーゾォ」
「っ!!!」
桜の美しい白い手で頬を撫でられた瞬間、心臓に雷が落ちたような衝撃が走った。
つ、つーかこいつ…今…俺の名前、
「ふふ…お前の目はいいな。綺麗だ」
「…はァ。いいから行くぞ。…犬って次呼んだらキスするからな」
「それだけはやめてくれ…これ以上守護契約を結ばれるのは勘弁だ」
「はあ!?守護契約とやらって複数結べるのかよ!?」
「?そうだが」
「………危ねぇな。キスしてたらどうすんだよ…馬鹿狐」
「まずするな。お前ら人間はそんなに軽々しくするのか」
「ここはイタリアだぜ?アンタみたいな女はすぐ喰われちまうのがふつー」
「…ふぅん?」
家についてまずすることは桜の洋服を買いに行く準備をすることだった。桜の今の格好は着物のような美しい羽織りを着ているが、イタリアじゃ流石に目立ちすぎる。洋服を買ってやるか、とイルーゾォはちらりと桜を見た。
…ほんと…こんな綺麗な女初めて見たよ。
「…そういや守護契約って具体的に結ぶとどうなるんだ」
「主人の言うことを私は聞かなきゃいけなくなる」
「……それやばいな…」
「ん。だから早く野生に戻りたいんだ。野生に戻ったらイタリアで暴れてやろうかな…?」
「おいおい勘弁しろよ」
「ふふ、安心しろ。戻ったら日本に帰る」
「…………は?許さねーぞそんなの」
「…?いる、んんっ!?」
「…、!はッ!や、やべ、桜!」
「きっ、さま…」
「待て待て待て桜。落ち着け悪かったって!」
突然の衝動に突き動かされて、イルーゾォは無理矢理桜の唇を奪っていた。唇を奪った瞬間、一瞬視界が暗くなったのが気になるが、今はそれどころじゃない。
…何故キスをしたのかというと、単にむかついたのだ。俺から離れようなどと言う桜に。
俺はこいつの主人でもなんでもないのに…いや、まて。今主人になっちまったじゃねえか!
拳を握る桜に思わずイルーゾォはとりあえず落ち着いて座れ!と『命令』してしまった。
「ひゃあう!?」
「っ、桜!?」
「や…おまっ、いき、なり…めい、れい、するなぁ…!ばか、犬!」
ぺたりと床に座ってこちらを見上げる桜にぞくりとする。…本当になんでも言うこと聞くんだな。喉がごくりと鳴った。桜の瞳に映るイルーゾォは、まるで飢えた獣のような顔をしていた。
……少しくらいなら味見をしても罰は当たらないかもしれない。
じりじりと桜に近づくイルーゾォに、桜は耳をへにゃりと垂れさせた。こわい。
「い、イルーゾォ…?ま、待て…近づくな…っ、ばかいぬ!」
「…ん〜?さっき俺に犬って言うなって言ったよな?言ったらどうするって言ったっけなァ?」
「ぁ、っ!ちょっ、ほんとに、やめろ…!この、くず!」
「誰に言ってんだよ、桜。俺はもうお前のご主人様だろ?…ほら、『キスしてください、イルーゾォ様』って言ってみろよ」
「や…あ!き、いや…っ、や、き、きす、してください…っ、いるーぞぉ、さま…!〜っ、ころす…っ!」
「…ッ!よくできました。ほら、ペットにはご褒美やらなくちゃあな」
「ん〜っ…!ん、んぁ、ふ、ぅ、ぁっ」
「…はっ、おら、もっと舌、出せよ」
「ぁ、んんぅ…っ!や、らぁ、いる、ぅぞ」
「あー…すげえ可愛い…」
桜の耳元で低く囁く。桜はびくりと震えてぽろぽろと涙を溢した。イルーゾォはぎょっとして桜の肩を掴んで顔を覗き込む。
「…ぅ、ぅ…っ、」
「さく、ら…また泣いてんのかよ。可愛いだけだぞ?桜…悪かった、泣き止んでくれよ…俺が悪かったから…」
「や…!さわるなっ、ばか!きらい、きらいだ!」
「!!…おい、桜」
「ふぇ、ふぅぅ…っ!ひ、っく!もう、お前もいやだ…っ、もう、帰る…!」
「…っ帰らせるかよ…!お前はもう俺のモンだ!くそ…!脱げよ、一枚一枚脱いでいけ、桜」
「ぁ…!」
「早く」
「やだぁ…ほんとに、ゆるしてくれ…イルーゾォ…っ」
「嫌だね。俺のこと嫌いって言った罰、与えないと駄目だろ?」
「〜っふ、う、ぅぁ、あんっ」
泣きながら着物を脱いで行く桜にイルーゾォは人生で一番といっていいほど興奮していた。
…早く犯したい。この女の奥深くに自分の精を放って孕ましてやりたい。泣かせたい、一生俺の言うことを聞かせたい。
最低なことが次から次へと浮かんでくる。
この女を妖でもなんでもない、俺の女にしたいと思った。
「あ…」
ぱさ、と下着姿になった桜にイルーゾォはごくりと喉を鳴らした。着物だからかブラはつけていない。ショーツは女らしい黒のもので、いやらしさが半端じゃない。
桜は銀の髪を震わせながら俯いた。
「…それ、脱げよ。命令な」
「…!!…や…っ」
「桜。『脱げ』」
「〜…!おねがい、イルーゾォ。本当に、やなんだ…!それ以外なら、なんでも、するからっ」
「……じゃあ俺の膝の上座れよ」
「…っ、く、そ…っ」
そろそろとイルーゾォの膝の上に座る桜に、イルーゾォはもう耐えれなくなった。桜の口をめちゃくちゃに犯して胸を揉む。ぁんぁん喘ぐ桜に今すぐに突っ込みたくなる。…ああだめだこの女は。俺が一生繋いでおかないと。
ほっとけばすぐに他の野郎にも喰われる。
「や、やらぁっ!だめ、だめ、人間と、まじわる、なんていやぁっ!」
「…今からお前は人間に犯されんだよ…ッ!俺みたいな男に…!」
「ぁ、あ、ん〜っ!や、り、ぞっと!りぞっとぉ!」
「!…ッおっ前は本当に…!俺を怒らせて虐められんのがそんなに好きかよ!あぁ!?」
「きゃあぅっ!だめ…!やだ、やめろ…っ、ぁあぁっ!や、やぁんッ!しっぽ、やめ、やぁああっ」
「…ッ好きだって言え!!桜…!」
「っ!すき、すきっ、イルーゾォ!」
「〜っ!いれる、ぞ。桜…ッ」
「や、やぁぁあっ!」
そこからは本当に天国かと思った。
可愛すぎる桜にいやらしい言葉を言わせて辱める。最高すぎるセックスに、イルーゾォは大満足していた。今、桜はぐったりとしてベッドに沈んでいる。
「…やり過ぎたな…いくらなんでも」
ゆっくり腰を撫でてやれば、桜はびくびくと震えた。…まさかあいつらの中で自分が一番早くに我慢が効かなくなるとは。
最初はただ味見出来たらいいくらいだった感情が、今はもうこいつを俺のものにして一生外に出られなくしたいというところにまできている。
「…マジで閉じ込めてぇな…」
「こほ…っ、」
「!桜…起きたか?」
「んん…?イルーゾォ…?」
「あ、ああ。無理させて悪かったな…今飲み物を、」
「夢は楽しかったか?この変態犬」
「ッ!?!?」
「やっと起きたのか貴様…」
「は、はァァァ!?え、い、今の…は!?」
「お前…流石にドン引きだぞ。なんだあの夢は」
「ま、まて!どこから夢だ!?まさか、最初から…」
「阿保。お前に無理矢理キスをされたのは夢じゃない。…キスをされた瞬間に、昔の主人に教わった波紋というものを流して気絶させたんだ。流石にあのままだと私もやばいと思ったからな」
「な、な…ッ、つーかなんで俺の夢の内容を知ってんだお前は!」
「ああ、言ってなかったな。主人と守護契約を結んだ妖は主人の考えていることが触れている間は分かるんだ。よーく分かったよ。君という人間がな」
じっと目を合わせられてイルーゾォは顔を真っ赤にする。…まじかよ。あの夢を…!
ふん、と桜が馬鹿にしたよう笑ってイルーゾォを見た。
「…あんな夢より、現実の私のほうがよっぽど色っぽいぞ?イルーゾォ」
「…ッ!!!う、ぉ、やべ、鼻血…」
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