第一章 妖と暗殺者
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「…殺さないのか?」
「…よく考えればお前は人間じゃない。俺が殺すのはターゲットとそれを知った『人間』だ」
「…屁理屈だな、それは」
「…お前こそ、俺に首を絞められただけじゃあ死ななかったんじゃねぇのか。妖」
「………桜と呼べ。妖と言われるのはもう懲り懲りだ」
「…」
きっと俺如きではこの妖…桜は殺せないのだろう。先程の行為も桜の暇つぶしかもしれない。
立ち上がって部屋を見渡す。部屋はジャポネーゼの和室のような部屋で花の香りが広がっていた。…妙に落ち着く。
「なんだ、もう帰るのか」
「…ああ。仲間が居る」
「そうか。もう会うことも無いだろうが、達者でな」
ふわりと笑う桜に酷く心臓が締め付けられた。
…。…暗殺者の俺は、こんなこと言うべきじゃない。だが、勝手に口が動いた。
「…また会いたい」
「…は?」
「お前に会いたい。また来てもいいか」
「…驚いた。お前のような硬派な人間もイタリアーノということか。流石イタリアだ」
「誤魔化すな。また会うぞ、桜」
「それは無理だ。私は一度会った人間とは二度会わない。何故かわかるか?妖の匂いがその人間に染みついてしまうからだ」
「…いけないことなのか」
「ああ。妖に惹かれてしまうんだ。妖は人間を虜にする力がある。…お前も、きっとそれに惹かれたんだろう」
「…別にお前になら惹かれても構わない。もうすでにお前を好きになりかけている」
「…いいから帰れ、二度と来るな」
ぽん、と桜が手を叩く。
その瞬間、俺の目の前にはアジトがあった。
いつもの変わらない、ただの建物だ。
今までいたあの幻想的な世界も、桜も居ない。
…でもまた会える気がする。
それは俺の願望ではない。
「…よく考えればお前は人間じゃない。俺が殺すのはターゲットとそれを知った『人間』だ」
「…屁理屈だな、それは」
「…お前こそ、俺に首を絞められただけじゃあ死ななかったんじゃねぇのか。妖」
「………桜と呼べ。妖と言われるのはもう懲り懲りだ」
「…」
きっと俺如きではこの妖…桜は殺せないのだろう。先程の行為も桜の暇つぶしかもしれない。
立ち上がって部屋を見渡す。部屋はジャポネーゼの和室のような部屋で花の香りが広がっていた。…妙に落ち着く。
「なんだ、もう帰るのか」
「…ああ。仲間が居る」
「そうか。もう会うことも無いだろうが、達者でな」
ふわりと笑う桜に酷く心臓が締め付けられた。
…。…暗殺者の俺は、こんなこと言うべきじゃない。だが、勝手に口が動いた。
「…また会いたい」
「…は?」
「お前に会いたい。また来てもいいか」
「…驚いた。お前のような硬派な人間もイタリアーノということか。流石イタリアだ」
「誤魔化すな。また会うぞ、桜」
「それは無理だ。私は一度会った人間とは二度会わない。何故かわかるか?妖の匂いがその人間に染みついてしまうからだ」
「…いけないことなのか」
「ああ。妖に惹かれてしまうんだ。妖は人間を虜にする力がある。…お前も、きっとそれに惹かれたんだろう」
「…別にお前になら惹かれても構わない。もうすでにお前を好きになりかけている」
「…いいから帰れ、二度と来るな」
ぽん、と桜が手を叩く。
その瞬間、俺の目の前にはアジトがあった。
いつもの変わらない、ただの建物だ。
今までいたあの幻想的な世界も、桜も居ない。
…でもまた会える気がする。
それは俺の願望ではない。