書きかけ小説

 地獄にある七つの階層のうちの1つ、傲慢の階層、そこにあるド派手に輝くビル【Vタワー】そのタワーの最上階にあるオフィスにテレビの悪魔事ビデオ・スターのヴォックスはいた。天国と地獄を巻き込んだ心中未遂事件等があったがそれはだいぶ前のことになりつつあった。CEOがその際ヴァレンティノに変わったがヴォックスの体が戻ったことによりヴァレンティノがヴォックスをCEOに戻すと言い出し再びCEOになった。CEOに戻りまた慌ただしく仕事をしているとヴェルヴェットから着信がはいった。

 「なんだこんな時に…」

 ヴァレンティノが溜めた仕事をしていたヴォックスは不思議に思いながら着信に出た。

 「ヴェル何かあったのか?まさかまたヴァルがまた何かやらかしたか?」
 『そうじゃないけど……あんた今すぐこっちに来て』
 「?何故だ何もないなら行かなくていいのでは?」
 『いいから来なさいヴォックス今すぐ』

 そう言うとヴェルヴェットは通信を切った。そんなヴェルヴェットを見たヴォックスは頭にハテナマークを浮かべたが行かなければ何が起こるからわからない。

 「兎に角行くか…」

 オフィスの監視カメラに電気になり飛び込むとヴェルヴェットの仕事場に飛んだ。










 ヴェルヴェットの仕事場に着くと部屋の中がだいぶ荒れていたあっちこっちにドレスが置かれヴェルヴェットはイライラしながら悩んでいるようだった。そこでふと今度の衣装は確かドレスだったかと思い出したヴォックスは部屋の状況とヴェルヴェットを見てまだ決まっていないのかと考えた。

 「ダーリン大丈夫かな?もしかして……今度の衣装が決まらないから私を呼んだのかな?」
 「ヴォックス来たのね……えぇそうよ最後の衣装がどうしても似合う人がいなくてね困ってたところなの」
 「なるほどそれなら何人か手配をした方がいいのかな?……いや待てそれだったら呼ばなくても先程のやり取りで済む筈……?」
 「そうよヴォックスそれならさっきので済むの……ねぇヴォックスちょっとあそこに立ってくれないかしら?」

 ヴェルヴェットが言いながら指で指し示した先は彼女がモデルの衣装を変える為の場所で、この時瞬時に何かを察したヴォックスは後退りした。

 「ヴェル……まさか私に着せようとしてないだろうね?」
 「フフッそのまさかよヴォックス……ヴァレンティノ」

 その瞬間後ろから羽交い締めにされる。後ろから掴んできたのは呼ばれたヴァレンティノだった。

 「ヴァル!?!?」
 「そう言うことだヴォックス浅く諦めてそこに立てよ」
 「断るんだが!?」
 「もう無理なんだってうちのエンジェルも試したが駄目みたいでさ」

 ヴァレンティノに持ち上げられ移動しながら部屋を見渡すと部屋の隅の柱にエンジェルがいた。

 「彼が無理なら私でも無理では!?」
 「意外と似合いそうだけどな……まあ色がな……」
 「ヴァル?」
 「じゃあ覚悟を決めろよヴォックス」

 そう言うのと手を離すのが同じてヴァレンティノはすぐに離れた。ヴォックスは前を向くとそれはそれはいい笑顔のヴェルヴェットがいた。

 「まあ駄目だったら別のにするしそうじゃなかったら……ねぇ?」
 「ヴェルだいぶ恐いんだが!?」
 「ほらいくよヴォックス」

 そう言うとヴェルヴェットは指を振り魔法でヴォックスの衣装を変えた。

 「……!?!?!!?」

 てっきりお出掛け用の動きやすいドレスを想像していたヴォックスは驚いた。まさか結婚式に着るウェディングドレスだとは思わなかった。だがそこまでだったらまだよかった問題は色だった。その色がまさか───赤色だとは見たくもない奴を思い出させる色だとは想像していなかった。

 「えっと…ヴェル……これはどういう……」

 何とか平常心で声をかけるがヴェルヴェットは何かを考えるように顎に指をかけて少し考えて頷くと答えた。

 「ヴォックスこれで撮影するわよ」
 「そんな話しも聞いてないんだが!?」
 「言えば逃げるでしょ大丈夫よ今回はドレスだけのせるから頭とか腕とかは映らないから」
 「じゃあ何故私を!?」
 「体型と色を考えるとどうしても似合うのがいなかったのよ」
 「そう色だ!?何故この色なんだ!?」
 「あら?テレビスターはなにを来ても似合うんじゃ?」
 「そうだが……赤一色は……ぐぅっ……」
 「ほら諦めて撮影するわよ」
 「何で私がこんな目に……」




















 「ねぇねぇヴァギーこれ見てよ」
 「どうしたのよチャーリー……これは?」
 「ヴェルヴェットの最新ファッション情報でさテーマがドレスなんだよで、みんなにどれがいいか聞いててさ」
 「俺はこういうのわからないから動きやすいドレスのこれがいいかなと」
 「ハスクっぽい……ニフティは?」
 「私このメイドっぽいドレスがいい!」
 「流石メイド……チャーリーは?」
 「私はやっぱり純白のウェディングドレスかな……」
 「確かに選びそうヴァギーは?」
 「私はチャーリーが選んだのと同じかな」
 「ヴァギー……!!」

 そんな会話をしながらみんなで楽しんでいると上の階からアラスターが降りてきた。

 《みなさん!!ごきげんよう!!集まってなにをしているのですか?》
 「アラスターもこっち来てどれがいいか聞かせて!」
 「チャーリー流石にアラスターに聞くのは……」
 《おやおや私は仲間外れですか?》
 「そう言うつもりはないけど……」
 「えっと……ヴェルヴェットが最新ファッションをあげててそれがドレスでならみんなの中でどれがいいか聞いてたんだ」

 エンジェルがスマホをアラスターに見せながらスクロールしていく。アラスターは最初はつまらなそうに見ていたが最後のドレスを見た時、目が止まった。

 《……この最後のドレス……ですかね……》

 最後のドレスってなんだったっけと思い直しエンジェルはスマホを見ると思考が止まった。まさかよりにもよってそれを選ぶとは思わなかった。

 「えっと……一応聞くけど……何で?」
 《私と同じ赤というのもありますが……えぇ…このドレスを着ている方が凄く似合っていると思ったのでそれにいい肉付きをしていますし……個人的にはもう少し腰に肉があった方がいいかなと……》
 「うんわかったうん……」

 エンジェルは何かに耐えるように顔を片手で覆いながら横を向いた。その様子にチャーリーとハスクは疑問に思ったが何も聞かなかった。










 アラスターが歩いていると前の方からヴォックスが歩いて来ていた。スマホを片手に仕事をこなしながら歩いていた為に目の前にアラスターがいることに気付いていなかった。

 《おやおやこれはこれは旧友よこんなところでは会うとは奇遇ですね~》
 「なっ!?アラスター!?」
 







 《あぁそうでした》
 「なんだ」
 《貴方のお仲間の一人の最新ファッションと言うものをエンジェルに見せられましてね》
 「……は?……」
 《その中で赤色のドレスを着た方に言葉を送りたくなりましてね》
 「っ!?……そ、そうか……」
 《えぇ凄く似合っていると思ったので色も肉付きをもえぇ凄く!……個人的にはもう少し腰に肉があった方がいいかなと思いましたがまあそれでもよかったものでえぇ!》
 「っ……あぁ……わかった……それでは失礼させてもらう……」

 まるで逃げるように去るヴォックスを不思議に思いながらアラスターはホテルに戻る為に歩き出した。










 《あぁそう言えば散歩の途中でヴォックスに出会いましてね》
 「うん?」
 《先程の見せてもらったドレスを着た方にたいしての言伝てを頼みました♪》

 それを聞いたエンジェルは飲んでいた酒を右斜め下に吹き出し息を整えた。

 「えっ!?はっ!?何で!?」
 《何でと言われましても素敵なものを見せてもらったのにそれを伝えないのはえぇえぇ紳士として駄目ではありませんか?》
 「いや…うん…そうなんだけど……」

 明らかに動揺していて何かを隠しているエンジェルを不思議に思いアラスターは問いただそうと近づいた。

 《貴方……なにを隠しているんですか?》
 「いやえっ!?な、何も隠してなんか……!」
 《じゃあ言える筈ですよね?》
 「あ、いやちょっと……」

 エンジェルは助けを求めてハスクを見たが諦めろと言う顔をしていた。

 《隠していることを言いなさい……》

 底冷えするような低い声に観念してエンジェルは話し始めた。

 「わ、わかったよ……その赤いウェディングドレスは……なかなかモデルが決まらなくて俺も試したんだけど駄目みたいでさどうするかをヴェルヴェットが悩んでたんだよそれで……」
 《それで……?》
 「うっ……イライラしながら何か考えてると何か思い付いたのかスマホを取り出して電話をかけたんだ……」

 これを聞いてハスクは何か嫌な予感がしたが黙って聞くことにした。

 「電話の相手は凄く忙しそうだったんだけどヴェルヴェットがすぐに来いと呼び出して少しして来たんだ……で、来た時はなにをやらされるか知らなかったから察したんだろうな逃げようとしてヴァルに羽交い締めにされてたんだよ……」

 話のオチが見え始めたハスクはだんだんと苦笑いになっていったが当のアラスターはまだ何もわかってなく話を聞いていた。

 「着せられて本人はだいぶ不服だったけどヴェルヴェットの有無を言わさない圧力で黙ってしたがってたんだよね……それを最初から見てたから誰がこの服を着ることに決まったのか知ってるんだよ……」 
 《それで、何故隠すことになるんですか……》
 「っ……その……赤いウェディングドレスを……着たのは……"ヴォックス"なんだ」
 《……は?……》

 いち早くオチに気付いたハスクはこれは不味いなと心のなかで思った。

 「俺もまさか……そんなことになるなんて思わなくてただみんなにどれがいいか聞きたくて……」
 《じゃあつまり何ですか……私は言伝てを頼んだつもりが……本人を褒めていたと……?》
 「うん……そう……」

 これにはアラスターは凄く動揺した。

 《っ!?な、何でドレスを選んだ時点で言わなかったんですか!?》
 「言ったら確実に俺殺される可能性あったし!それにまさか本人に言うとは思っても見なかった!」
 《っ……次会った時どんな顔して会えばいいと……》
 「あ~それは向こうも考えてると思うぞ……まさかアラスターに褒められると思ってなかったから向こうも多分そのことを考えてると思うぞ……」
 「あ~……やっぱり?」

 顔が服と同じぐらい赤くなったアラスターに二人は声を掛けることが出来なかった。










 「……くっ……くぁっ……っ……!?」
 「ヴォクシー……帰ってきてからその調子だけどなにがあったんだよ?」
 「……この間……ドレスを……着ただろ……」
 「あぁあのウェディングドレスね凄く似合ってたし私の目に狂いはなかったわ」
 「っ……それを……褒められたんだ……」
 「?褒められた?でもあれドレスの部分だけだから体つきだけだろ何でお前が褒められる?」
 「……多分ただそのドレスがよかったのと着ているモデルに対して言ってたんだろ……だから言伝てを頼まれたんだ……」
 「誰によ?」
 「………………アラスター………………」
 「「………………は?………………」」
 「……着ていた相手に送るつもりが私に言ったことで……直接……面と向かって褒めてしまったんだろ……多分……」
 「つまり何か?アラスターにあのウェディングドレスを褒められたと?」
 「……うん……凄く似合ってたとか色や肉付きがいいとか……個人的にはもう少し腰に肉があった方がいいとか……言われた……」
 「最後のは褒めると言うより捕食者のそれよ危ないわね」
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