プロローグ
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あれから同室の彼のおかげでタブレットの使い方もマスターしたし、翌日からの学校生活にもヌルッと馴染んだ。
事情を知るイデア先輩やオルトくんには、「男装!お約束展開キター!」と喜ばれたが、実際は幻術で男に見えるようにしていると三角形になった身体を見せたら、「イグニハイドに似合わぬ筋肉w」とバカウケしていた。
何となくで学園生活を続けて一学期が終わり、ホリデーの際みんなが闇の鏡で実家に帰って行くのを見て、帰る方法あるじゃん!と喜んだら「汝の帰る場所はこの世界の何処にもない」とか闇の鏡に言われた。
初日で
がまあ、凹んでてもしょうがないかとホリデー中は同級生の力を借りてバイト三昧し、お金を稼ぎ、そのまま二学期へと進んだ。
そんなふうに次のホリデーも、三学期も終わって……気がついたら2年生に進級していた。
「シシッ、今年も同じクラスっすね、パニーくん」
「おはようラギー。そうみたいだね」
ラギー・ブッチ。私より少し背の高い彼は、頭の上にに生えた獣の耳をぴくぴくと動かしながら壁に貼られたクラス割りを見ていた。 彼は獣人族という種族らしく、彼と同じサバナクローの寮生には彼のように獣の耳や尻尾が生えた子が多くいる。
「ついに私たちも先輩だね」
「っすねー。どんな一年坊が入ってくるやら」
「サバナはどうせムキムキのケモ耳でしょうよ」
私とラギーの同級生も上級生も、サバナクロー寮の生徒はそういう生徒が多かった。
「そんじゃ、イグニハイドはひょろひょろの根暗ばかりになるっすね」
「かもね」
「かもねって、パニーくんはムキムキじゃないっすか」
「いや、私のは無駄筋肉だから。てか、根暗も一緒に否定しろ〜?」
「オレとイグニハイド寮以外のダチ作ってから言ってくださーい」
「いや、無理。だって他寮生こわいし」
特にオクタヴィネルとかいう寮。1年生の一学期、たまたま授業が一緒だったなんかやたら身長のデカい同じ顔した2人に絡まれてから本当に無理。特に右側にメッシュある方は、やたら触れて来るから身バレしないかめっちゃ心配だったし、二度と関わりたくない。
あと、スカラビア寮の転入生。なんか今年寮長になったらしいけど、彼もコミュ強で、ボディタッチが多いから見かけたら逃げるようにしてる。
ラギーも他寮生だけど、去年も一緒のクラスで、ティル・ナ・ノーグとツイステッドワンダーランドでは通貨が違ったため、無一文の貧乏人となり食堂で食事出来なかった私を哀れんだ彼がタンポポつみに誘ってくれたところから仲良くなった。今ではすっかりバイト仲間で気も合う友達だ。
「まあ、とりあえず何がなんでも入学式までにレオナさんを起こさねーと……」
「毎日ご苦労さまです。うちの寮長も引っ張り出すの大変だろうなあ……」
はあ、と前寮長の進級と共に新たに任命された引きこもりの現寮長を思い遠くを見つめるのだった。