ホーリーロード編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ヒラヒラと桜の花が、ぽかぽかとした陽のもと舞い落ちる。今日は雷門中学の入学式の日。
入学式だと言うのに、今日もサッカー部は早朝練習をしていた。
ピロン、となった携帯を開くと、着いた、と1文だけ送られてきていた。
携帯をスカートのポケットに捻混んで、紅露はそっと朝練習から抜け出した。
校門に着けば、雷門指定のものとは違う学ランを来た少年が、門柱に凭れ掛かっていた。
『剣城くん』
そう呼べば、彼は弄っていた携帯をパタンと閉じた。
「出迎えご苦労様です。日陰、先輩」
憎たらしい顔でそう言った彼に無言で背を向けて歩き出す。
向かうは、二軍が練習中のグラウンド。
「しっかしまぁ、だっせぇー格好」
後ろに着いてくるこの少年、剣城京介は、紅露のスカートの下にジャージを履いたうえに黒マフラーと言うなんとも言えない格好を笑った。
正直、学ランをマントみたいにしてる人に言われたくないが。
『そう言えば、他の人たちは?』
「さあな?後から来るだろ?」
『そう。……着いた』
グラウンドが見える位置で足を止める。
堀のようになっているので上から下の様子を眺めれば、白いユニフォームを来たサッカー部の生徒たちが練習している。
「案内ご苦労様」
片手をヒラヒラと振って、彼は下のグラウンドへと降りていった。
これから起こるであろう出来事を想像して、紅露は口角を上げた。
想像通り、剣城を連れて行ったグラウンドは一瞬にして悲惨な状態に変わった。
あちらこちらに倒れる選手、それを支えるマネージャー。
そんなグラウンドの真ん中では、剣城一人が立っていた。
「フン、この程度か」
「なんて事を!?」
一人の教員が久遠監督を連れ慌ててグラウンドへと駆けつけきた。
「雷門サッカー部は俺が破壊した」
「こんな事をして……!キミ!クラスと名前を言いたまえ!」
「さぁ?今日からなんでな」
「新入生か。名前は?」
久遠監督が聞けば、小さく鼻で笑った。
「剣城京介。アンタが久遠監督か」
「さあ、着いたわよ」
グラウンドの惨状を知らない様子で、私の近くに頭にメガネを乗せた女性と、雷門の制服を来た茶髪の少年がやってきた。
「えっ、」
メガネの女性、サッカー部の顧問の音無先生は、グラウンドをみて驚きの声を上げた。
「どうしたんですか?」
音無先生の後ろからグラウンドを覗きみている少年は、見るからに真新しそうな制服なので新入生だろうか。
「サッカー部を破壊しただと?」
「ああ。サッカー部なんて要らないだろ。くだらねぇし」
「久遠監督!!」
音無先生は、慌ててグラウンドに降りていった。
「ちょっと君!ケンカしちゃダメじゃない! 」
「ケンカ?俺ケンカなんかしたっけ?なあ?」
剣城は、ニヤリと自分の側に倒れている1人の生徒を見下ろした。
「コイツは一度も拳を使ってません。そのサッカーボール一個で俺達は……」
2年生のMF、一乃七助。彼はグッと悔しそうにサッカーボールを睨んだ。
「そんな……」
「本当です」
「こんな奴一人にやられるなんて……」
そんな……と呟く音無先生を置いて、サッカー部員達は次々と、なんでだ、と愚痴を溢す。
「何故、こんなことをする!」
「サッカーなど必要ない。だからこの俺が潰す」
一乃が叫べば剣城はとても冷たい表情では言いのけた。
「今日限りでサッカー部は廃部だ」
これでマネージャーの仕事ともおさらばかなと、思う紅露の視界に茶髪の少年が割り込んできた。
「廃部って!」
サッカー部への入部希望者だったのだろう。実に可哀想だ。
「そんなこと出来ると思っているの!?」
「できるさ。このオレならな」
「何かサッカー部に恨みでもあるの?」
音無先生の問に、剣城はさあなと答える。
「ただ、ひとつ言えることは、サッカーなんてくだらねぇもんは必要ねぇ!」
そう言って剣城は足元にあるボールを蹴り飛ばした。
高く、弧を描いたボールは、グラウンドの土手の上にあるゴミ箱へと綺麗にはいった。
『…………』
「キミ、サッカーを侮辱する気!?」
「侮辱?熱くなんなよセンセイ」
「なんですっ「まてよ」」
音無先生が叱ろうとすれば、茶髪の少年の声がそれを遮った。
「サッカーは……サッカーはくだらなくなんてないし必要だ」
そんな彼に剣城くんは、ああ?と凄んだ。
「え、いや、あの、えっと……」
しっかりとした反論があって口にしたわけではなく、つい言ってしまったようで少年はしどろもどろになっている。
「誰だお前」
「えっ、オレは松風天馬。今日からサッカー部に入るんだ」
その言葉に剣城が高笑いするのを聴きながら先程ボールが入れられたゴミ箱の方へ向かう。
たった今無くなったから別の部に入れという剣城に、松風はサッカーをやるためにここにきたから困ると抗議している。
そんなに言うなら自信があるのかと、剣城は近くにあったボールを松風へ向かって蹴り飛ばした。
パスというにはあまりにも強すぎるまさにシュートのような蹴りで飛んできたボールは、ビリヤードのように松風を弾き飛ばした。
「ムカつくんだよなぁ。お前のようなサッカーをろくに知りもしない奴が語るの」
「知ってるさ」
松風は、音無先生に手を貸してもらいながらも立ち上がってボールを拾った。
「オレだってサッカーをしってる」
「ほう、じゃあその実力を見せて貰おうか」
こうして彼らの勝負か決まった。
音無先生が反対したが、久遠監督は何も言わないし、理事長と校長までグラウンドに現れ彼らの勝負に許可をだした。
『権力の犬め』
どう考えても勝ち目のない勝負。まともな大人は音無先生だけのようだと、様子を見ながらゴミ箱の中のボールを拾い上げた。
ゴミ箱の中が紙くずだけで良かった。食べ物のゴミが入ってたら悲惨なことになっていただろう。
勝負は、松風が剣城からボールを奪えば勝ち、 と言うものだが……、松風の動きはほとんど素人のようなもので全然ダメダメである。
ただ、リフティングをしているだけの剣城からボールを奪えないし、剣城が舐め腐って簡単なパスを出したのにも関わらずトラップすらまともに出来ずに取れない。
まあ、雷門のサッカー部員でも剣城からボールを奪えなかったようだし、彼に取るのは難しいんじゃないだろうか。
剣城は何度も松風に向かってボールぶつける。その度に松風は倒れて起き上がるのを繰り返している。
「そろそろこの辺にしておくか?」
「……っ、まだまだぁ!!」
松風はまた立ち上がり、ボールにくらいつこうとしたが、その様子が苛立たせるのか、剣城は容赦なくボールを蹴り松風に当てた。
『あれ……?』
何度も何度も剣城がボールを当てる中で、松風が弾き飛ばされる回数が減ってきた。
いや、依然体に当たってはいるのだが、それでもいなせるようになってきているようだ。
「そろそろ飽きてきた。終わりにするぜ」
サッと剣城の雰囲気が変わる。
『……必殺技か』
剣城はボールを片足で持ち上げ、すぐに足を戻したあと一瞬、ボールを宙に浮かせる。 それが落ちる前に彼が蹴りを入れれば、ボールは黒い光を纏っていく。
「デスソード」
もの凄い勢いでボールが、松風に向かって飛んでいく。
「サッカーやるんだ……。やると決めたら絶対、やるんだぁああああ !!」
どっしりと両足を広げ構えた松風が雄叫びをあげる。彼から黒い気が現れ、それがまとわりつく。
『……これは!?』
松風は剣城の必殺シュートであるデスソードを頭で受け止めた。
「……!取った!」
頭から下に落ちたボールを慌てて右足で踏んづけたあと、松風は喜んだ。
『うそ、でしょ?』
これには、剣城を含めた一同が驚いてい た。
「これでサッカーが出来る!」
「サッカーサッカー言うんじゃねぇ!!うぜぇんだよ!!」
剣城は怒り、思い切り足を振り上げボールを蹴った。
「ちょっと!約束が違う!」
音無先生が止めようとするも間に合わず、ボールは一直線に松風へと向かっ ていく。
だが、別のボールが飛んできて剣城の蹴ったボールにぶつかり、進路を反らした。
「なに!?」
剣城が驚きボールが飛んできた方を見る。
「お前達、神聖なサッカー部のグラウンドで何を騒いでいる!」
そこにはローズグレイ色のウェーブかかったセミロングヘアの少年が立っていた。
「やっと現れた」
待ってましたと言うようにニヤリと剣城が笑う。
『……神童拓人』
先程グラウンドに倒れていた者たちの白いユニフォームとは違う、黄色いユニフォームに身を包み、左の二の腕にキャプテンである赤い印を付けている。
そして、彼の後ろから我らが雷門イレブンが現れた。
『さぁ、ここからはサッカーの時間だ』
私は黒いマフラーを口元へと引き上げて小さく笑うのだった。
入学式だと言うのに、今日もサッカー部は早朝練習をしていた。
ピロン、となった携帯を開くと、着いた、と1文だけ送られてきていた。
携帯をスカートのポケットに捻混んで、紅露はそっと朝練習から抜け出した。
校門に着けば、雷門指定のものとは違う学ランを来た少年が、門柱に凭れ掛かっていた。
『剣城くん』
そう呼べば、彼は弄っていた携帯をパタンと閉じた。
「出迎えご苦労様です。日陰、先輩」
憎たらしい顔でそう言った彼に無言で背を向けて歩き出す。
向かうは、二軍が練習中のグラウンド。
「しっかしまぁ、だっせぇー格好」
後ろに着いてくるこの少年、剣城京介は、紅露のスカートの下にジャージを履いたうえに黒マフラーと言うなんとも言えない格好を笑った。
正直、学ランをマントみたいにしてる人に言われたくないが。
『そう言えば、他の人たちは?』
「さあな?後から来るだろ?」
『そう。……着いた』
グラウンドが見える位置で足を止める。
堀のようになっているので上から下の様子を眺めれば、白いユニフォームを来たサッカー部の生徒たちが練習している。
「案内ご苦労様」
片手をヒラヒラと振って、彼は下のグラウンドへと降りていった。
これから起こるであろう出来事を想像して、紅露は口角を上げた。
想像通り、剣城を連れて行ったグラウンドは一瞬にして悲惨な状態に変わった。
あちらこちらに倒れる選手、それを支えるマネージャー。
そんなグラウンドの真ん中では、剣城一人が立っていた。
「フン、この程度か」
「なんて事を!?」
一人の教員が久遠監督を連れ慌ててグラウンドへと駆けつけきた。
「雷門サッカー部は俺が破壊した」
「こんな事をして……!キミ!クラスと名前を言いたまえ!」
「さぁ?今日からなんでな」
「新入生か。名前は?」
久遠監督が聞けば、小さく鼻で笑った。
「剣城京介。アンタが久遠監督か」
「さあ、着いたわよ」
グラウンドの惨状を知らない様子で、私の近くに頭にメガネを乗せた女性と、雷門の制服を来た茶髪の少年がやってきた。
「えっ、」
メガネの女性、サッカー部の顧問の音無先生は、グラウンドをみて驚きの声を上げた。
「どうしたんですか?」
音無先生の後ろからグラウンドを覗きみている少年は、見るからに真新しそうな制服なので新入生だろうか。
「サッカー部を破壊しただと?」
「ああ。サッカー部なんて要らないだろ。くだらねぇし」
「久遠監督!!」
音無先生は、慌ててグラウンドに降りていった。
「ちょっと君!ケンカしちゃダメじゃない! 」
「ケンカ?俺ケンカなんかしたっけ?なあ?」
剣城は、ニヤリと自分の側に倒れている1人の生徒を見下ろした。
「コイツは一度も拳を使ってません。そのサッカーボール一個で俺達は……」
2年生のMF、一乃七助。彼はグッと悔しそうにサッカーボールを睨んだ。
「そんな……」
「本当です」
「こんな奴一人にやられるなんて……」
そんな……と呟く音無先生を置いて、サッカー部員達は次々と、なんでだ、と愚痴を溢す。
「何故、こんなことをする!」
「サッカーなど必要ない。だからこの俺が潰す」
一乃が叫べば剣城はとても冷たい表情では言いのけた。
「今日限りでサッカー部は廃部だ」
これでマネージャーの仕事ともおさらばかなと、思う紅露の視界に茶髪の少年が割り込んできた。
「廃部って!」
サッカー部への入部希望者だったのだろう。実に可哀想だ。
「そんなこと出来ると思っているの!?」
「できるさ。このオレならな」
「何かサッカー部に恨みでもあるの?」
音無先生の問に、剣城はさあなと答える。
「ただ、ひとつ言えることは、サッカーなんてくだらねぇもんは必要ねぇ!」
そう言って剣城は足元にあるボールを蹴り飛ばした。
高く、弧を描いたボールは、グラウンドの土手の上にあるゴミ箱へと綺麗にはいった。
『…………』
「キミ、サッカーを侮辱する気!?」
「侮辱?熱くなんなよセンセイ」
「なんですっ「まてよ」」
音無先生が叱ろうとすれば、茶髪の少年の声がそれを遮った。
「サッカーは……サッカーはくだらなくなんてないし必要だ」
そんな彼に剣城くんは、ああ?と凄んだ。
「え、いや、あの、えっと……」
しっかりとした反論があって口にしたわけではなく、つい言ってしまったようで少年はしどろもどろになっている。
「誰だお前」
「えっ、オレは松風天馬。今日からサッカー部に入るんだ」
その言葉に剣城が高笑いするのを聴きながら先程ボールが入れられたゴミ箱の方へ向かう。
たった今無くなったから別の部に入れという剣城に、松風はサッカーをやるためにここにきたから困ると抗議している。
そんなに言うなら自信があるのかと、剣城は近くにあったボールを松風へ向かって蹴り飛ばした。
パスというにはあまりにも強すぎるまさにシュートのような蹴りで飛んできたボールは、ビリヤードのように松風を弾き飛ばした。
「ムカつくんだよなぁ。お前のようなサッカーをろくに知りもしない奴が語るの」
「知ってるさ」
松風は、音無先生に手を貸してもらいながらも立ち上がってボールを拾った。
「オレだってサッカーをしってる」
「ほう、じゃあその実力を見せて貰おうか」
こうして彼らの勝負か決まった。
音無先生が反対したが、久遠監督は何も言わないし、理事長と校長までグラウンドに現れ彼らの勝負に許可をだした。
『権力の犬め』
どう考えても勝ち目のない勝負。まともな大人は音無先生だけのようだと、様子を見ながらゴミ箱の中のボールを拾い上げた。
ゴミ箱の中が紙くずだけで良かった。食べ物のゴミが入ってたら悲惨なことになっていただろう。
勝負は、松風が剣城からボールを奪えば勝ち、 と言うものだが……、松風の動きはほとんど素人のようなもので全然ダメダメである。
ただ、リフティングをしているだけの剣城からボールを奪えないし、剣城が舐め腐って簡単なパスを出したのにも関わらずトラップすらまともに出来ずに取れない。
まあ、雷門のサッカー部員でも剣城からボールを奪えなかったようだし、彼に取るのは難しいんじゃないだろうか。
剣城は何度も松風に向かってボールぶつける。その度に松風は倒れて起き上がるのを繰り返している。
「そろそろこの辺にしておくか?」
「……っ、まだまだぁ!!」
松風はまた立ち上がり、ボールにくらいつこうとしたが、その様子が苛立たせるのか、剣城は容赦なくボールを蹴り松風に当てた。
『あれ……?』
何度も何度も剣城がボールを当てる中で、松風が弾き飛ばされる回数が減ってきた。
いや、依然体に当たってはいるのだが、それでもいなせるようになってきているようだ。
「そろそろ飽きてきた。終わりにするぜ」
サッと剣城の雰囲気が変わる。
『……必殺技か』
剣城はボールを片足で持ち上げ、すぐに足を戻したあと一瞬、ボールを宙に浮かせる。 それが落ちる前に彼が蹴りを入れれば、ボールは黒い光を纏っていく。
「デスソード」
もの凄い勢いでボールが、松風に向かって飛んでいく。
「サッカーやるんだ……。やると決めたら絶対、やるんだぁああああ !!」
どっしりと両足を広げ構えた松風が雄叫びをあげる。彼から黒い気が現れ、それがまとわりつく。
『……これは!?』
松風は剣城の必殺シュートであるデスソードを頭で受け止めた。
「……!取った!」
頭から下に落ちたボールを慌てて右足で踏んづけたあと、松風は喜んだ。
『うそ、でしょ?』
これには、剣城を含めた一同が驚いてい た。
「これでサッカーが出来る!」
「サッカーサッカー言うんじゃねぇ!!うぜぇんだよ!!」
剣城は怒り、思い切り足を振り上げボールを蹴った。
「ちょっと!約束が違う!」
音無先生が止めようとするも間に合わず、ボールは一直線に松風へと向かっ ていく。
だが、別のボールが飛んできて剣城の蹴ったボールにぶつかり、進路を反らした。
「なに!?」
剣城が驚きボールが飛んできた方を見る。
「お前達、神聖なサッカー部のグラウンドで何を騒いでいる!」
そこにはローズグレイ色のウェーブかかったセミロングヘアの少年が立っていた。
「やっと現れた」
待ってましたと言うようにニヤリと剣城が笑う。
『……神童拓人』
先程グラウンドに倒れていた者たちの白いユニフォームとは違う、黄色いユニフォームに身を包み、左の二の腕にキャプテンである赤い印を付けている。
そして、彼の後ろから我らが雷門イレブンが現れた。
『さぁ、ここからはサッカーの時間だ』
私は黒いマフラーを口元へと引き上げて小さく笑うのだった。
2/2ページ
