短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スマホがピコンとなって、なんだと画面を見ればNINEの通知が来ていた。
送ってきたのはリズムで、トラッシュ宛ではなく私個人に届くのは珍しく、何用だとNINEを開いて見る。
" 見て見て!可愛い子いた!"
その文章の後、またピコンと鳴って今度は画像が送られてきた。
その画像に映っていたのは、茶色い毛並みの猫を抱き抱えた満面の笑みのリズムだった。
いつもより砕けた口調の文章と唐突に送られてきた写真を不思議に思いながらも、私は画面をタップし文字を入力していく。
" 確かに可愛いな。"
そう返した後、1分くらいの間を置いてリズムからの次のメッセージが届いた。
" ごめんなさい、Qさん!カズキくんと間違えて置くってしまいました。"
送るの文字を間違えている事から慌てて打ったことが推測される。
しかし、道理で。私に送ってくるには珍しく砕けた言葉遣いだと思ったが、カズキ宛てだったのか。
返信の時間が空いたのも、返事に違和感覚え送った相手を確認した時間だったのだろう。
" そうだったのか。気にしていない。"
そう1度送った後、続きを打つ。
" いい笑顔だ。"
そう送れば、短く" え?"と返ってきて、それからすぐに続きが送られてきた。
" あ、ありがとうございます。ツキちゃんが一緒に撮ってくれたんです。"
画面の先の彼女は困惑しているだろうか。それとも照れているのだろうか。どちらの姿も容易く想像できてしまうから、実際の反応がどうだったのか文字のやり取りでは分からないのが少々もどかしいな。
" そうか。彩葉は写真を撮るのが上手いな。カズキにはよく写真を送るのか?"
純粋な疑問。いや、少し嫉妬も混じっていたかもしれないが、知りたくなって送った。
" はい。カズキくん猫が好きって言ってたんで見つけたら送ってます。"
なるほど。カズキは無類の猫好きだからな。
普段は猫の写真を送り合っているだけで、リズム自身の写真は今日たまたま彩葉が一緒に撮ってくれたから送っただけ、ということなのだろう。
" そうか。よかったらまた私にも写真を送ってくれ。"
" 猫のですか?"
お前の、と打ちかけて考え直す。
" Qさん?"
" どっちだろうな"
そう返事を打った。
" え?"
" 楽しみに待っている。"
" あの、"
" Qさん?"
猫の、ですよね?
返事はそれ以上返さなかった。リズムはきっと悩むだろうが、その時間は私のことをだけを考えてくれるだろうから。
1/1ページ