0章 勇者のお供に異世界の騎士はいかがですか?
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ツキちゃんと彗くんの幼馴染である黒中曜くん。
彼を見つけて話をしようとしたんだけど、どうやら彼は洗脳されてるのか、記憶を消されているのか知らないが話が噛み合わない。どうにか説明しようとしても、彼の傍にいる白いフードの男と剣を持った女が邪魔をしてきて話が出来ない。
いや、女の方はまだ、警戒をしていただけって感じだったんだけど、彼女や黒中曜くんに男の奴が、僕らが魔王の手下だの皆の仇だの、訳の分からないことを吹き込んでいて、見かねたQが男を静かにさせようとした時だった。
女の方は、黒中曜くんに近づく僕を警戒していたはずなのに、Qが拳を振り上げた瞬間に物凄いスピードで男とQの間に割って入った挙句、あのQの拳を剣の腹で受け止めた。
流石に驚いたよ。殺す気はないだろうから手加減してるとはいえ、それでもあのQの拳を女の子が、だ。
Qも驚いたようで、拳を剣の腹にぶつけたまま数秒固まってた。
そしたら、女が急に剣を手放し頭を抱えてしゃがみ込んだ。
嫌だと、怖いと繰り返す様に呟いてガタガタと震えていた。
さっきまでの威勢はどうしたんだ、と思っていれば、またフードの男が女に戦えと促した。
女はフラフラと立ち上がったかと思えば、落ちた剣も拾わずに叫びながらQに向かって拳を振り上げた。
必死なその攻撃は、Qが簡単に止めた。手首を掴み女吊り上げるように引っ張る。
「ニジュウ……!」
『……、いや、折らないで……!XBが出来なくなったら、私……!』
目に涙を溜めて、女はそう叫んだ。
なるほど。XBプレイヤーだったのか。だから先程のQの攻撃も防げたのか。
「…………」
昔のQなら折っていたかもしれない。けど、そう思っていたら、フードの男が口を開いた。
「チッ つかえねぇな」
「せんし?なにを言って……」
黒中曜くんは驚いたように男を見つめている。
「………。やはり、貴様は黙っていろ」
そう言ってQは女の手を離して、瞬時に男の方へ移動してそいつの腹をぶん殴って近くにあったハリボテの家にぶつかった。
男が、うっと唸ると同時に、Qが放り出した女の方も音を立てて倒れた。
……、これで静かに話ができるかな。
状況に混乱している様子の黒中曜くんに近づく。
「質問の続きに戻ろう。黒中曜くん、君は……彩葉ツキって名前と、八雲彗っていう名前に聞き覚えがない?」
そう聞けば、彼はノロノロと後ずさりした。
「……いろは、つき……。やくも…すい……?ぐっ、」
さっきの彼女のように黒中曜くんも頭を抱えて表情を歪ませた。
その瞬間、ちょうどよく先程男がぶつかったハリボテが倒れた。
「……………なんなんだよ。なんだよこれ、なんなんだよこれ!
どういうことだ!!!?」
彼はパニックになったようで叫びまくった。
「どうして……さっきまで家だったものがオモチャみたいに平べったくなってるんだよ!!!?」
そう叫んだあと彼はまた、うっ、と頭を押さえた。
「うあああああああああああっ!!」
悲鳴のような雄叫びを上げた後、彼は、はあはあと肩で息を始めた。
その顔は青く染まり冷や汗をかいている。
「なんだ……これ……。せんしの姿が……」
黒中曜くんは白いフードの男を見て目を凝らす。
僕らからすれば最初から彼はこの見た目だったし、先程彼がオモチャのようと言ったハリボテも最初からそうだった。
「こいつ……正気に戻りやがったのか!?」
「さて……勇者は目を覚ましたみたいだけど、君はどうするのかな?」
「チッ、緊急事態だ!応援要請!応援要請!」
白いフードの男がそう叫べば、8台のドローンがやってきた。
馬鹿だよね。もう一度、曜くんを洗脳するため、眠らそうと襲ったみたいだったけど、返り討ちにあっていた。
おかげでその後の話は、早かった。
途中でツキちゃんと彗くんが合流したこともあってか、少しだけだがメグロシティがゼロに襲われた時の事を思い出したらしく、僕らの計画やネオトーキョーで起こってることを聞いて納得したようだったのだが……。
「敵の本拠地で同じ場所に長いするもんじゃない」
曜くんにツキちゃんがスマホを返してるのを見ながら、僕は脱出経路の方へ歩いていく。
「早いとこ下層にある脱出ポッドを目指そう」
「脱出ポッド……?そんなものまであるのか?」
「乗り込んでおいて帰れません、じゃカッコ悪いでしょ?その辺はちゃんと調査済みさ。仲間が下層までのルートを確保しているはずだ。まずは彼らと合流しよう」
そう言って曜くん達を急かす。
曜くんは目を瞑り、顎に手をおいて少し考えたあと、先程倒れた女の傍に寄って、彼女の腕を自分の肩に回した。
「まさか、その子を連れていく気かい?」
「ああ。ニジュウは俺と同じ記憶喪失の奴なんだ。こんな所に放っておけないだろ」
「えっ!その人も記憶喪失なの!?」
「マジかよ」
ツキちゃんと彗くんは驚いた顔をして、意識を失ってる彼女の顔を覗き込む。
「その子もさっきの奴らと一緒で君を騙してただけじゃない?」
「騙す為に1年も記憶喪失のフリが出来るとは俺は思わない。大体、それなら他の人達と同じように村人のフリでよかっただろ?わざわざ異世界から来た騎士だなんて設定にしなくてさ」
曜くんはそう言って彼女を自分の背に乗せ背負い込んだ。
曜くんの言い分も一理ある。
本当なら不穏分子は連れていきたくないんだけど……、彼は連れていくと言って聞かないだろうし、もう時間もないし……。
「しょうがない。曜くんも知らない人ばかりじゃ不安だろうしね」
「連れて行っていいって事だよな?」
不安そうにこちらを見た曜くんに、うん、と頷いた後Qに目配せをすれば、分かったと言ったようにQは頷いて先導するため歩き始めた。
なにかあれば
まあ、僕とQなら対処できるでしょ。
