第1部
夢小説設定
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ラパン洞穴を抜けた先の、ブルナーク台地の崖をぴょんぴょんといくつか飛び降りた先にウォーティガンへの陸地からの入口である大きな門が見えた。
まあ、ぴょんぴょんなんて可愛らしく言っているが、台地から飛び降りるなど業魔や聖隷などヒト成らざる者たちの集まりだから為せる技である。
「警備がいないな、押してみるか?」
岩陰から門の様子を覗きみているロクロウに、待てとアイゼンが止める。
「調べた状況と違う」
『みんな、よく見て』
ふわり、と台地に吹く風が葉を浮かせその葉が門近くへ運ばれると瞬間に消滅した。
「結界が張られてるのか」
「警備を変えやがったな」
「なるほどね。さっきのサソリやこの結界が死神の不幸ってわけか」
「・・・この程度で済めばいいんだがな」
ベルベットの言葉にアイゼンは含みのある笑を浮かべる。
「正面突破は難しいな。どう攻める?」
「崖を降りた先に建設時に使われた搬入口があるはずだ。そっちを探る」
『このまだ下ね』
崖に近づいて、そっと下を見る。
『崖の出っぱりを上手く使えばさっきと同じように下まで降りれそうよ。ただ、搬入口の所に警備がいるわね』
「そこから見えるの?」
側に来たベルベットが、見えないじゃないと顔をしかめる。
『ヒトより目が良いんだよ私は』
「俺も目が良いほうだが流石にそんな下までは見えんぞ。凄いなレシ」
「とにかく、警備がいるって事は結界はないってことね」
ベルベットの言葉に、おそらく、と頷く。
「ならば行くぞ。レシ先行してくれ」
『ええ、わかったわ』
頷いて、ぴょん、と崖の下へ身を投げた。
数十メートルほど降りた所で、レシは岩陰に隠れた。
後から続いて崖から降りてくる皆も、察して岩陰へと入る。
「警備は2人だけね。行くわよ」
「応!」
飛び出していった、ベルベットとロクロウにため息を吐く。
『馬鹿正直に正面突破しなくても・・・』
魔法で奇襲をかければ良いのに。
警備のもの立ちがベルベット達の足音に気がついて振り返る。
それを見て、聖隷くんがハッとしたように叫んだ。
「だめ・・・その人は・・・!」
その様子を見てアイゼンも何かに気がついた。
「気をつけろ、そいつは!」
言うが早いか、警備兵2人は突如黒いモヤに包まれたかと思うとヒト成らざる者へと姿を変えた。
「いきなり業魔になりやがった!」
「どういう不運よ!」
「・・・だから言っただろう」
『はいはい、文句はあとで。倒すのが先決よ』
みな、武器を取り業魔へ立ち向かう。
相手が業魔と言えど2対5数の有利で難なく倒し終えた。
「警備が業魔病に罹ってるとはな、これも死神の力か?」
「まあな」
ドヤって言うことじゃないわよね。
「けど、突っ込んでたら危なかった。
止めてくれて助かったわ」
「俺じゃない。気づいたのはこいつだ」
アイゼンの言葉にベルベットは少年を見た。
少年はなにも言わずただ沈黙している。
「これからも、しっかり警戒頼むわよ。死神が一緒なんだから」
そう言って踵を返し歩き出したベルベットに少年はえ?と首を傾げた。
「喋ってもいいってことだよ」
ぱぁ、と少年の目に光が宿る。
「警戒はしっかり」
『報告もしっかりね』
ぽん、と少年の頭に手を置けば不思議そうに見上げられたのち、報告もしっかり、とオウム返しのように繰り返して少年は頷いた。
まあ、ぴょんぴょんなんて可愛らしく言っているが、台地から飛び降りるなど業魔や聖隷などヒト成らざる者たちの集まりだから為せる技である。
「警備がいないな、押してみるか?」
岩陰から門の様子を覗きみているロクロウに、待てとアイゼンが止める。
「調べた状況と違う」
『みんな、よく見て』
ふわり、と台地に吹く風が葉を浮かせその葉が門近くへ運ばれると瞬間に消滅した。
「結界が張られてるのか」
「警備を変えやがったな」
「なるほどね。さっきのサソリやこの結界が死神の不幸ってわけか」
「・・・この程度で済めばいいんだがな」
ベルベットの言葉にアイゼンは含みのある笑を浮かべる。
「正面突破は難しいな。どう攻める?」
「崖を降りた先に建設時に使われた搬入口があるはずだ。そっちを探る」
『このまだ下ね』
崖に近づいて、そっと下を見る。
『崖の出っぱりを上手く使えばさっきと同じように下まで降りれそうよ。ただ、搬入口の所に警備がいるわね』
「そこから見えるの?」
側に来たベルベットが、見えないじゃないと顔をしかめる。
『ヒトより目が良いんだよ私は』
「俺も目が良いほうだが流石にそんな下までは見えんぞ。凄いなレシ」
「とにかく、警備がいるって事は結界はないってことね」
ベルベットの言葉に、おそらく、と頷く。
「ならば行くぞ。レシ先行してくれ」
『ええ、わかったわ』
頷いて、ぴょん、と崖の下へ身を投げた。
数十メートルほど降りた所で、レシは岩陰に隠れた。
後から続いて崖から降りてくる皆も、察して岩陰へと入る。
「警備は2人だけね。行くわよ」
「応!」
飛び出していった、ベルベットとロクロウにため息を吐く。
『馬鹿正直に正面突破しなくても・・・』
魔法で奇襲をかければ良いのに。
警備のもの立ちがベルベット達の足音に気がついて振り返る。
それを見て、聖隷くんがハッとしたように叫んだ。
「だめ・・・その人は・・・!」
その様子を見てアイゼンも何かに気がついた。
「気をつけろ、そいつは!」
言うが早いか、警備兵2人は突如黒いモヤに包まれたかと思うとヒト成らざる者へと姿を変えた。
「いきなり業魔になりやがった!」
「どういう不運よ!」
「・・・だから言っただろう」
『はいはい、文句はあとで。倒すのが先決よ』
みな、武器を取り業魔へ立ち向かう。
相手が業魔と言えど2対5数の有利で難なく倒し終えた。
「警備が業魔病に罹ってるとはな、これも死神の力か?」
「まあな」
ドヤって言うことじゃないわよね。
「けど、突っ込んでたら危なかった。
止めてくれて助かったわ」
「俺じゃない。気づいたのはこいつだ」
アイゼンの言葉にベルベットは少年を見た。
少年はなにも言わずただ沈黙している。
「これからも、しっかり警戒頼むわよ。死神が一緒なんだから」
そう言って踵を返し歩き出したベルベットに少年はえ?と首を傾げた。
「喋ってもいいってことだよ」
ぱぁ、と少年の目に光が宿る。
「警戒はしっかり」
『報告もしっかりね』
ぽん、と少年の頭に手を置けば不思議そうに見上げられたのち、報告もしっかり、とオウム返しのように繰り返して少年は頷いた。