【キサラとヴィアベル】

『うーーーん』

「ヴィアベル？そんなに唸ってどうしたんだ」

『いやね、あだ名を付けるのが趣味になってきたんだけど、いっつも女の子には名前を略して"ちゃん"を付けるだけでバリエーションがないなぁと思って』

「趣味になってきた、とは不思議な言い方をするな」

『うん。元は知り合いが、仲良くなるにはあだ名が1番でしょーよ！って言ってたからそれを真似るところから初めてみたんだけど』

「ほう。確かに、親しい者とはあだ名や略称で呼ぶこともあるな。ヴィアベルもその者にあだ名で呼ばれていたのか？」

『ええ。ヴィー姉さんって。……なるほど、姉さんか…！』

「どうした？」

『いや、キサラのあだ名！サラ姉さんはどう？』

「お前と私は歳が変わらないだろう？それに、サラは他にいるからダメな気がするぞ」

『えー。じゃあキー』

「うーん……鍵みたいだな」

『キサキサ！』

「それはちょっと…」

『キサラン！』

「いやぁ……。悪いがあだ名は無しにしてくれないか」

『え〜っ！！』