シスロディア
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ロウの持っていた煙幕のおかげで追手から逃れられ、ブレゴンの隠れ家へ身を隠す事が出来たが、その道中で限界が来たジルファが意識を失って倒れた。
「親父!目ぇ開けろ、親父!」
テーブルの上に寝かせられたジルファにシオンがずっと治癒術を掛け続けてくれるが、ガナベルトが並の治癒術ではどうにもならないと言っていたように、一向に良くなる気配はない。
私も他のブレス系の
「駄目、毒の進行が止まらない!」
必死に術を掛け続けるシオンの手に倒れたままのジルファの手がゆっくりと上がり、その手に触れるとバチバチ茨が飛ぶ。
「礼を言う」
ジルファが小さな声でそう言い、薄らと目を開けた。
「ジルファ!?」
アルフェンがテーブルに手をついて顔を覗き見る。
「……すまん、後を頼む」
その言葉にアルフェンは息を飲み、フラフラと後ろに後ずさる。
『……大丈夫。私が、見届けるよ』
何も言えなかったアルフェンに代わりそう告げれば、ジルファはそうか、と呟き目を閉じた。
「無事に、帰れることを祈っている……」
『……っ、ありが、とう』
溢れそうになる涙と嗚咽を抑えて返事をすれば、ジルファは再び目を開けて、何かを探すように小さく首を動かした。
「ロウ、そこにいるのか?」
「ああ、いる。いるよ、だから………」
「ロウ、見えない。いるのか、ロウ」
ずっと1番傍に居るのに、ジルファの目にはもう、視力が残っていないのか……。
「ロウ、俺はお前に……」
ジルファは左手をゆっくりと上げてロウを探す。
その手をロウは慌てて両手で握ろうとした。
だけど、ロウの手が触れる間際、ジルファの手は力無くだらりと下がった。
目を閉じたジルファはそこから先、ピタリとも動かなかった。
掴むことの出来なかった両手をそのままに、ロウは目を見開いてジルファを見下ろし、それを見たリンウェルが口元を覆い隠し、シオンは助けられなかった命から目を逸らし、アルフェンは悔しそうに歯を食いしばった。
「……冗談だろ。まだ何も……何も……」
ロウが瞳を潤ませ、震える声で呟き、動かなくなったジルファの上に覆い被さった。
「うわあああああああああ」
静まり返った部屋に、ロウの泣き叫ぶ声だけが響くのだった。
「──以前から内通者を疑ってはいたが、まさかメネックだったとは……」
悲しみに暮れる間もなく私たちは次の行動を考えなければならなかった。
隠れ家にいる他の銀の剣の人々が遺体のエンゼルケアと防腐処理を行ってくれている間にブレゴンが話を進めた。
「これからどうするの?」
銀の剣も我々も同時に指導者を失い、リンウェルが伺うようにそっと尋ねるが、皆黙り込んでしまう。
そんな中、コツコツと足音が出入口の方へ向かった。
「俺は行く」
「ロウ?」
どこへ?と言うようにアルフェンが名を呼べば彼は足を止めた。
「ガナベルトのやつをぶちのめす」
「ガナベルトは間違いなく待ち構えているわ。何もかも罠だったのよ」
そう……、罠だって分かっていたのに警戒していたのに、私は、ロウがジルファを助け出してくれていたことに安堵し警戒を緩めた結果隣で行われた行為に気づかなかった。
「罠なんか知ったことか。とにかくガナベルトの野郎は許せねえ」
怒りに満ちた顔でシオンに言い返すロウに、そうね、と私は小さく呟く。
「……そうだな。その通りだ。ガナベルトは許せない」
「アルフェン、あなたね─」
きっとアルフェンも私と同じくロウに加担しようと決めたのだろう。だけど、それを察したシオンが止めようと声を張るが、次を言わせないようアルフェンの方が先に口を開いた。
「どのみち
「そういうことを言ってるんじゃないわ。頭を冷やせと言っているの」
喧嘩腰になる2人の間にまあまあまあと割って入る。
『シオンの言いたいことはわかるけど、はらわた煮えくり返ってるんだから彼らは止められないよ』
大事な人が殺されて、
『それに、時間をかけるほど向こうにも罠を張る時間を与えてしまうわけだし、すぐに攻め入る方が得策だよ』
そう言えばシオンは、それは……と考え始めた。
「あんたたちが来る必要はない」
どうにか話をまとめれそうかな、と思った所で、ピシャリとロウに言われてしまった。
「これは俺のけじめだ」
「ジルファの仇を討ちたいのはお前だけじゃない」
アルフェンのその言葉に、うん、とリンウェルが頷いた。
「それに今、あいつを倒せないなら、きっとこの先もずっと倒せないよ」
リンウェルが真っ直ぐにそう言えば、シオンがやれやれといったように腕を組んだ。
「どうせ炎の剣を当てにしてるんでしょうに。いいこと、やるからには失敗は許されないわよ」
これはシオンもついてきてくれるってことだ。
「本当にいいのか?」
『私は見届けるって誓ったしね』
話が通じるような相手なら領将に取り入って私の世界へ帰る船を出してもらおうと思っていたけれど、カラグリアのビエゾとここのガナベルトを見てよく分かった。彼らが素直に私を帰してくれるとは思えない。
それならば、私の帰るすべを一緒に探してくれるだろうアルフェンに協力を続けた方がいい。
何より、私はあの時助けてくれたジルファを死なせてしまった。その罪は私にもある。
仇討ちぐらいはさせて欲しい
そして、ジルファが望んだこの世界の解放を見届けよう。
