オルブス・カラグリア
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砂塵吹き荒れる中、ティルザがため息を履いた。
「やっぱり賛成できないわ」
「そんなこと言ったところで今更、止められやしねえよ」
諦めろと言わんばかりにガナルがそう言い、やれやれと肩を落とす。
「分かってるわよ、そんなこと」
「本当に行くのか?5人だけで」
険しい顔のままネアズがジルファに問う。
「ああ。留守は任せる」
最終的にはジルファの案、ビエゾの時と同じように少数精鋭部隊で行くことになった。
全ての
「それがあんただものな」
腕を組んで目をつぶり、うーんとネアズは悩んでいる。
「分かったよ。こっちのことはなんとか俺たちでやってみる」
「レナの残党の相手は引き受けたぜ」
そう言ってガナルはジルファの格闘技とよく似た動きでシャドーを打つ。
「頼む。だが─」
「むやみに殺すな、だろ。分かってるよ。あいつらと同じことを返すつもりはねえって」
それならいいと言うように静かにジルファは頷いて、踵を返した。
「行くぞ」
アルフェンが炎の剣で焼き壁を開けた炎の門へ歩き出したジルファの後にシオンとアルフェンも続く。
『世話になったね』
そう言えば、ティルザがこちらこそと返してくれた。
「無事に帰れるといいわね」
『ええ』
「そっか、ヴィアベルは最初から帰るのが目的だもんな」
そう。ガナルの言う通り紅の烏との協力もそのためのものだった。
「本当はお前には残ってもらって、この国のインフラ整備に関わって欲しかったんだがな……」
心底残念そうな顔をしてネアズがそう言う。
『悪いね』
「仕方ないさ。気をつけて帰れよ」
『ありがとう』
バイバイと3人に手を振る横で、リンウェルがじっと私のほうを見て、帰る?と不思議そうに見ていた。
私がジルファ達を追って歩き出せば、リンウェルもハッとしたように振り返って、小走りでジルファを追ったのだった。
「リンウェルだったな、よろしく。その白いの、ずっと連れてるのか?」
岩と砂だらけの道とも言えぬ道を進む中、アルフェンがリンウェルに話を振った。
「白いのじゃなくて、フルル。フクロウの仔フルル」
フルッ!とリンウェルのフードから鳴き声が聞こえる。
「……私のたったひとりの友だち」
『そう。可愛くて白い羽根が素敵な友達ね』
近づいて、フードの中を見るように声をかければリンウェルは小さくビクッと震えて、私から逃げてジルファの後ろに隠れた。
『あら……、驚かせちゃったか』
「リンウェル。あまりそう警戒するな。こいつはレナじゃない」
「ウソ!だってさっきから、ズーグルを倒すのに精霊術を使ってる!光り眼じゃないけど髪と爪だって光ってる!」
ああ、それでレナ人だと思われて異様に警戒されてるのか。
『ウソじゃないよー。精霊術じゃなく、爪術のブレス……って言ってもわかんないか。まあ、要するに魔法なんだけど』
魔法、その言葉に何故だかリンウェルはぴくりと眉を動かした。
「魔法って…………。でも、」
『リンちゃんも自分で言ったように、私は眼が光らないでしょ?私は、水の民だから髪が光るの』
爪が光るのは
「どういうこと……。水の…民……?レナじゃないし、ダナでもないってこと!?……それってレナ以外のほかの星の人が……って、いやそんなまさか……!」
ありえないというような顔をしてリンウェルは私を見つめる。
『まあ、無理に信じろとは言わないさ。キミらがレナと言う人種にされてきたことは、水の民である私には容易に想像できる。レナに似た種族というだけで、警戒するのは無理もない。私だって、ダナの人々が奴隷として扱われているのをこの目で見なければ、我々を差別してきた陸の民だと思って警戒しただろうからね』
そう淡々と語れば、リンウェルは黙ったまま険しい顔をした。
「………そんな事言われたって信じられない」
しばらくして口を開いた彼女はそう言った。
溶けない氷のよう
仲良くなるのは中々に難しそうだ。