オルブス・カラグリア
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ウルベゼクの北の門からギルド駐屯地へ出てすぐ左手側にある昇降機へ乗り込んだ。
『しっかし、私も向こう側かと思ってたんだけどこっちとはね』
正門から攻め込む囮部隊に入れられた私は隣に立つジルファを見上げた。
「まあそれも考えたがな。だが、こちらが本陣だと思わせるには、お前がいた方が確実だと思ってな」
『ふーん、それだけ?』
「いいや。お前も入ればメンバーの生存率も上がるだろう?期待しているぞ」
そう言ってジルファは、ちょうどよく止まった昇降機を1番に降りていった。
『……どうかな』
私なら、彼らが失敗した場合を考えて、次の替えがきくように切り札を一度に送り込まないけど……そう言うこと、じゃないのかな。
『まあ、どっちでもいいけど』
ジルファに続いて降りていく紅の鴉たちの更に後に続いて私も昇降機から降りるのだった。
正門への道に繋がる階段を駆け上がり、そこにいた見張りであろうレナの装甲兵をジルファが叩き潰した。
その横で、急ぎ紅の鴉の男性がグラニード城の正門へ繋がる跳ね橋のレバーを下ろす。
鎖に繋がれた板が、ゆっくりと城側から倒れてきて道を繋げた。
「うおおおぉ!!」
雄叫びを上げてジルファが跳ね橋の上を駆けるのに皆続いて行く。
「紅の鴉のジルファだ!討ち取れぃ!」
城側の門番の装甲兵が、巨大なゴーレムと共に待ち構えていた。
『なるほど……私がこちら側で正解かも』
追加で城の門からゾロゾロと装甲兵たちが出てくるのも見える。
『皆に堅牢たる守護を─────』
前衛のみんなより後ろから詠唱を始めるのであった。
「きゃっ、」
『ウィスツェス!』
紅の鴉の女性団員に襲いかかった装甲兵をテルクェスで貫いた。
『大丈夫?』
「あ、ありがとう」
『一度下がって、手当しておいで』
「ヴィアベル!行けるか!」
『了解』
ジルファの呼ぶ声に返事をしながら、女性団員を後ろに下がらせる。
私とジルファで何とか持ちこたえてはいるがジリ貧だ。
けど、こちらにこれだけの兵とズーグルが来ているんだ。鉄仮面とシオンが上手く潜り込んでくれると信じよう。
『荒れ狂う流れよ──スプラッシュ!』
巨大なゴーレムを上からの水圧で押し潰した。
「ヴィアベル、今がチャンスだ。俺が合図をしたら正面の扉へ走れ」
『え、それって……!』
ジルファは聞く間もなく倒れた仲間やレナの装甲兵の死体の合間を走り抜け、扉の前の兵へ拳を掲げた。
「今だ!」
ジルファが装甲兵の顔へ拳を叩き込みながら叫ぶ。
慌てて走り、言われた通り扉へ向かった。
恐らく中に入って、鉄仮面とシオンの後を追えということなのだろうと勝手に推測して、思い扉を押し開けて中に飛び込んだ。
入ってすぐに兵士は居なかったのでホッと息を吐く。
少し離れた所にズーグルと兵士の死体が転がっていた。裏口から侵入した鉄仮面達が倒したのだろう。
グラニード城の正面入口から左手側に昇降機があった。
『動いてる……?』
罠………。いや、鉄仮面達が動かしたのかもしれない。
危険かもしれないが乗ってみるかな。
昇降機に乗り込む。
4階まであるようだが、いちいち全部のフロアを見て回る必要はない。どうせ偉そうな奴は高いところにいる。馬鹿と煙と偉そうな奴は高いところが好きと相場は決まっているのだ。
4階を選んで昇降機を動かす。
城って言っても岩に囲まれ火の粉が舞っていて外と変わりのない風景。
ただ、一際違うのは縦の吹き抜けに渦巻き伸びる炎。これが、ダナのみんなからしぼり取った星霊力。とんでもない量の炎の塊。
これだけ集めるのにどれだけの人が死んだんだろうね。
昇降機が4階に到着して、降りてみれば、ここも既に兵やズーグルが倒されていた。
つまり2人は既にここに来たと言うことだ。
洞窟のように奥まった一角に、岩で囲まれた地形とは違う明らかに人の手で造られた扉があった。
中に入れば、派手な装飾のある部屋だった。
色とりどりのタイルの床を進み階段を登った先には玉座があり周囲の床や壁には戦ったような跡があった。だが鉄仮面やシオンは愚か、ビエゾも居ない。
玉座の前に不自然にある階段と上から聞こえる爆音。この上に彼らは居る。
ひとつ息を吸って吐く。
よし、と気合いを入れて階段を駆け上った。
『って、なんじゃこりゃ〜!?』
最上階、そこには星霊力の集霊器であろう大きな装置があり、そこから10数メートルはある炎の巨人のような化け物が居て、その手前で鉄仮面とシオンが斧を持ったガタイの良い大男と戦っていた。こいつがビエゾだろう。
「ヴィアベル!?」
「チッ、またもネズミが入り込みおって!」
「増援に来てくれたんだな!助かる!」
そう言いながらビエゾへ剣を鉄仮面が振りおろそうとしている所に、化け物の大きな腕がビエゾ目掛けて振り下ろされた。
どうやら後ろの化け物は、ビエゾの使い魔というわけではなさそうで、無差別に攻撃している。
だが、この化け物のせいで2人が戦いにくそうなのは確かだ。
ならば私がこの化け物のヘイトを受けよう。
ブーストアタック
飛ばしたテルクウェスを化け物へと叩きつけ、こちらへと注意を引くのだった。