オルブス・カラグリア
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ネアズと合流し、気絶したままのガナルは他の人がティルザのいる拠点へ連れて行ってくれる事になった。
「ジルファ!」
ネアズが声を上げるのにつられ振り返って見るが、こちらにジルファが走ってくる。どうやらジルファひとり。茨のあの子は捕まらなかったようだ。
『逃げられた?』
「ああ。崖の上から飛び降りられてな。装甲兵が追っているから逃げるなら、当初の予測どおりこちら側だろう」
「隠れる場所も少ないし走って逃げるにも向かないな。俺なら貨物列車を奪って逃げるが……やっぱりな」
遠くからガタガタという音が聞こえ始めた。
下を見るに、ネアズの思考と同じように貨物列車を奪って走らせて来たようだ。列車の上にあのピンクの髪の少女がいる。それともう1人。
装甲兵の鎧を着ている訳ではない、むしろ体は奴隷たちのようなボロ布を着ているが、頭はフルフェイスの仮面をしている。
「ほう、あれが噂の」
目を細めてジルファが見つめる。
噂ってなんだ?と情報通のネアズを見れば、察したように、ああ、と呟いた。
「1年前くらいから突如現れた鉄仮面の男だ。顔も名前もないって噂だ」
『名前がない?』
「ああ。記憶喪失って噂だな。だから名前もわからないからそのまま鉄仮面と呼ばれいるらしい」
『へぇ〜』
ほんとネアズはよく知ってるなぁ。
『あっ、やっぱり装甲兵が追ってきたね』
イバラの少女の列車の後ろから、別の列車が追い上げてきて、接続する。
そして2人の装甲兵が飛び移る。
振りかぶられた剣を、鉄仮面は膝から折れるように背中を倒し華麗に避けて、振り終わった隙を狙って蹴りをいれた。
『ひゅ〜!やるぅ!』
感心したのもつかの間。狭い足場というのを忘れていたのか、敵の攻撃を避けた鉄仮面が、貨物列車の端に追いやられた。
「バカめ!」
そう言って、装甲兵が剣を振りかぶる。
そこに、
「お前たち!」
ジルファがそう叫んで飛び降りるのに、ネアズと共に付いて降りる。
「何処を見ている」
どこから声がしたのか、とキョロキョロとしていた装甲兵に、上から着地した瞬間ジルファは1発パンチをお見舞いした。
私とネアズはジルファが戦っている車両より1車両前に降り、茨の少女の傍に寄る。
あからさまに警戒されるが……、まあいい。
とりあえずはどんどんと後ろの車両に接続してきた別車両から飛び移ってくる装甲兵をどうにかすべきだ。
『蒼き命を湛 し母よ──』
詠唱に入った私を見て、茨の少女は驚いたように目を見開いた。
爪術を使うのに髪が光るのは水の民の特性なのだから仕方ないが、化け物を見たような顔をされるのは気に食わないな。
『──破断し清烈なる産声を上げよ!──アクアレイザー!』
一直線の激流が装甲兵を一気に押し流し、貨物列車の下へ落とした。
ジルファの方もほとんどカタがついたのか、
鉄仮面の後ろに迫った装甲兵の頭を片手で掴んでそれをまるでゴミを捨てるかのようにポイと後ろに……私たちの居る車両の方に放り投げてきた。
「っと、あぶね」
『あぶなっ!?』
それを避けて、ネアズと共にジルファのいる方の車両に移る。
「来い」
ぐい、とジルファは驚いたのか棒立ちだった鉄仮面の手を引く。
そうこうしてる合間に、起き上がった装甲兵が、少女の肩に触れた。
「うう、…うわあああああああああああああぁぁぁ」
少女から茨が放たれ、装甲兵が悲鳴をあげる。バチバチと言う音と、悲鳴を聞きながら、ネアズが作業に移る。
少女のいる方の車両に移れと、ジルファに顎で指示され、移動する。
私たちが移ると共に、少女の肩に触れていた装甲兵は事切れてゴロンと転がった。
「これでもくらいな!」
そう言ってネアズは後方の貨物車両の接続部分を切り離した。
その車両に乗っているのは、爆薬。
そう。察しの良い人はこの後どうなるか分かるよね。
『貴女立てる?先頭車両まで走るわよ』
そう茨の子に声をかける。
少女は驚いたような顔をした後直ぐに立ち上がった。
それを見て、走りだす。
「落ちるなよ!」
後ろで鉄仮面を連れたジルファがそう言う。
そして、
ドカン、ドカン、と連鎖的に貨物の爆薬が爆発して大きな爆風を産んで、私たちの乗っていた列車もその爆風に煽られた。
「うわあああああああああ!」
「きゃあああああああ!」
列車の外に放り出される。
『いった〜〜い!!』
ネアズってばとんでもない作戦思いつくんだから。
おかげでちょうど走行していた橋も爆発で壊れたから、流石の装甲兵もすぐには追ってこれまい。
「大丈夫か?」
『だいぶ痛いけど、平気〜』
聞いてきたジルファはピンピンしてる。
ほんとに人間かよ。私はまだ立ち上がるの無理なんだけど。
『ネアズとあの子達は?』
当たりを見渡せば、痛てぇと言いながら起き上がるネアズが近くに居た。
茨の少女と鉄仮面は……2人も近くに落ちているが、ピクリとも動かない。
打ちどころが悪かった……?
ピンピンしているジルファが2人に近づい様子を見た。
「息はあるな。気を失っているだけのようだ」
『そう。せっかく見つけたのにここで死なれたら元も子もないものね』
「全くだ」
痛い箇所を擦りながら、ネアズが寄ってくる。
「けど。気絶されたのは参ったな。追っ手が追いつく前にアジトに逃げたいが……。どう運ぶべきか」
あの茨がある限り抱えて運ぶのは無理だ。
『私がやろうか』
「気絶してる状態でも、ガナルが触れてああなったんだろ」
『テルクエスで運ぶよ』
「あの虫で?」
『だから虫じゃないってば!』
「そんなことが出来るのか?」
鉄仮面を肩に担いで戻ってきたジルファが尋ねてきた。
『テルクエスは優れた術士になると形状変化させられるんだよ。拘束に使ったり、魔物の形を取って攻撃手段にしたり、背中に大きい翼のように生やして移動に使ったり……。まあ、とは言っても私は正直不得手なんだけど』
「だろうな。そんな便利な使い方が出来るのに、今まで使ってないところを見ると。それなのに出来るのか?」
『うん。私形を作るのは苦手だけど、テルクエスを分けるのは得意だから』
タクトを手に取り、いち、に、と振る。
出現させたテルクエスが2つに分かれる。
それからもう一度、いち、に、と振ると、分かれた2つがそれぞれまた2つに分かれた。
『これで、彼女の四肢を掴んでテルクエスを飛ばして運ぶよ。ただ、操縦に集中力しないといけないし、気力も体力も使うからアジトまでネアズ、おぶってって』
「はあ!?」
まあ彼女をテルクエスで運ぶにしろ運ばないにしろ体痛くて動けないし、どの道おぶってってもらわないといけないんだけど。
「ネアズ、こっちを運ぶか?」
そう言ってジルファは抱えた鉄仮面を指さした。
「…いや、ヴィアベルで」
まあどう見ても鉄の仮面付けた筋肉質な男より、私の方が軽い。
諦めてネアズは私を背中に乗せることにした。
目標確保
茨の少女と、オマケに鉄仮面、お持ち帰りだ!
「ジルファ!」
ネアズが声を上げるのにつられ振り返って見るが、こちらにジルファが走ってくる。どうやらジルファひとり。茨のあの子は捕まらなかったようだ。
『逃げられた?』
「ああ。崖の上から飛び降りられてな。装甲兵が追っているから逃げるなら、当初の予測どおりこちら側だろう」
「隠れる場所も少ないし走って逃げるにも向かないな。俺なら貨物列車を奪って逃げるが……やっぱりな」
遠くからガタガタという音が聞こえ始めた。
下を見るに、ネアズの思考と同じように貨物列車を奪って走らせて来たようだ。列車の上にあのピンクの髪の少女がいる。それともう1人。
装甲兵の鎧を着ている訳ではない、むしろ体は奴隷たちのようなボロ布を着ているが、頭はフルフェイスの仮面をしている。
「ほう、あれが噂の」
目を細めてジルファが見つめる。
噂ってなんだ?と情報通のネアズを見れば、察したように、ああ、と呟いた。
「1年前くらいから突如現れた鉄仮面の男だ。顔も名前もないって噂だ」
『名前がない?』
「ああ。記憶喪失って噂だな。だから名前もわからないからそのまま鉄仮面と呼ばれいるらしい」
『へぇ〜』
ほんとネアズはよく知ってるなぁ。
『あっ、やっぱり装甲兵が追ってきたね』
イバラの少女の列車の後ろから、別の列車が追い上げてきて、接続する。
そして2人の装甲兵が飛び移る。
振りかぶられた剣を、鉄仮面は膝から折れるように背中を倒し華麗に避けて、振り終わった隙を狙って蹴りをいれた。
『ひゅ〜!やるぅ!』
感心したのもつかの間。狭い足場というのを忘れていたのか、敵の攻撃を避けた鉄仮面が、貨物列車の端に追いやられた。
「バカめ!」
そう言って、装甲兵が剣を振りかぶる。
そこに、
「お前たち!」
ジルファがそう叫んで飛び降りるのに、ネアズと共に付いて降りる。
「何処を見ている」
どこから声がしたのか、とキョロキョロとしていた装甲兵に、上から着地した瞬間ジルファは1発パンチをお見舞いした。
私とネアズはジルファが戦っている車両より1車両前に降り、茨の少女の傍に寄る。
あからさまに警戒されるが……、まあいい。
とりあえずはどんどんと後ろの車両に接続してきた別車両から飛び移ってくる装甲兵をどうにかすべきだ。
『蒼き命を
詠唱に入った私を見て、茨の少女は驚いたように目を見開いた。
爪術を使うのに髪が光るのは水の民の特性なのだから仕方ないが、化け物を見たような顔をされるのは気に食わないな。
『──破断し清烈なる産声を上げよ!──アクアレイザー!』
一直線の激流が装甲兵を一気に押し流し、貨物列車の下へ落とした。
ジルファの方もほとんどカタがついたのか、
鉄仮面の後ろに迫った装甲兵の頭を片手で掴んでそれをまるでゴミを捨てるかのようにポイと後ろに……私たちの居る車両の方に放り投げてきた。
「っと、あぶね」
『あぶなっ!?』
それを避けて、ネアズと共にジルファのいる方の車両に移る。
「来い」
ぐい、とジルファは驚いたのか棒立ちだった鉄仮面の手を引く。
そうこうしてる合間に、起き上がった装甲兵が、少女の肩に触れた。
「うう、…うわあああああああああああああぁぁぁ」
少女から茨が放たれ、装甲兵が悲鳴をあげる。バチバチと言う音と、悲鳴を聞きながら、ネアズが作業に移る。
少女のいる方の車両に移れと、ジルファに顎で指示され、移動する。
私たちが移ると共に、少女の肩に触れていた装甲兵は事切れてゴロンと転がった。
「これでもくらいな!」
そう言ってネアズは後方の貨物車両の接続部分を切り離した。
その車両に乗っているのは、爆薬。
そう。察しの良い人はこの後どうなるか分かるよね。
『貴女立てる?先頭車両まで走るわよ』
そう茨の子に声をかける。
少女は驚いたような顔をした後直ぐに立ち上がった。
それを見て、走りだす。
「落ちるなよ!」
後ろで鉄仮面を連れたジルファがそう言う。
そして、
ドカン、ドカン、と連鎖的に貨物の爆薬が爆発して大きな爆風を産んで、私たちの乗っていた列車もその爆風に煽られた。
「うわあああああああああ!」
「きゃあああああああ!」
列車の外に放り出される。
『いった〜〜い!!』
ネアズってばとんでもない作戦思いつくんだから。
おかげでちょうど走行していた橋も爆発で壊れたから、流石の装甲兵もすぐには追ってこれまい。
「大丈夫か?」
『だいぶ痛いけど、平気〜』
聞いてきたジルファはピンピンしてる。
ほんとに人間かよ。私はまだ立ち上がるの無理なんだけど。
『ネアズとあの子達は?』
当たりを見渡せば、痛てぇと言いながら起き上がるネアズが近くに居た。
茨の少女と鉄仮面は……2人も近くに落ちているが、ピクリとも動かない。
打ちどころが悪かった……?
ピンピンしているジルファが2人に近づい様子を見た。
「息はあるな。気を失っているだけのようだ」
『そう。せっかく見つけたのにここで死なれたら元も子もないものね』
「全くだ」
痛い箇所を擦りながら、ネアズが寄ってくる。
「けど。気絶されたのは参ったな。追っ手が追いつく前にアジトに逃げたいが……。どう運ぶべきか」
あの茨がある限り抱えて運ぶのは無理だ。
『私がやろうか』
「気絶してる状態でも、ガナルが触れてああなったんだろ」
『テルクエスで運ぶよ』
「あの虫で?」
『だから虫じゃないってば!』
「そんなことが出来るのか?」
鉄仮面を肩に担いで戻ってきたジルファが尋ねてきた。
『テルクエスは優れた術士になると形状変化させられるんだよ。拘束に使ったり、魔物の形を取って攻撃手段にしたり、背中に大きい翼のように生やして移動に使ったり……。まあ、とは言っても私は正直不得手なんだけど』
「だろうな。そんな便利な使い方が出来るのに、今まで使ってないところを見ると。それなのに出来るのか?」
『うん。私形を作るのは苦手だけど、テルクエスを分けるのは得意だから』
タクトを手に取り、いち、に、と振る。
出現させたテルクエスが2つに分かれる。
それからもう一度、いち、に、と振ると、分かれた2つがそれぞれまた2つに分かれた。
『これで、彼女の四肢を掴んでテルクエスを飛ばして運ぶよ。ただ、操縦に集中力しないといけないし、気力も体力も使うからアジトまでネアズ、おぶってって』
「はあ!?」
まあ彼女をテルクエスで運ぶにしろ運ばないにしろ体痛くて動けないし、どの道おぶってってもらわないといけないんだけど。
「ネアズ、こっちを運ぶか?」
そう言ってジルファは抱えた鉄仮面を指さした。
「…いや、ヴィアベルで」
まあどう見ても鉄の仮面付けた筋肉質な男より、私の方が軽い。
諦めてネアズは私を背中に乗せることにした。
目標確保
茨の少女と、オマケに鉄仮面、お持ち帰りだ!