第1章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
奇跡の力で船を浮かせ、近くの岸に上げたリアラはそのまま倒れて意識を失った。
余程の力を使ったのだろう。
数時間経てど彼女は目を覚まさない。
船を助けた聖女だ英雄だと他の船客が騒ぐのもあり、休むに休まらないだろうと船長の提案があり、近くにあるリーネ村でリアラの事を休ませる事になった。
その間に船は、応急処置を済ませて1番近くのノイシュタットで修理を行い、リアラが回復して我々が陸路でノイシュタットに辿り着くまで、出発しないで待っていてくれるという約束をしてくれて、一行はリーネ村に、しかもカイルの父の妹が居るお宅にお邪魔することになったのだった。
「そう……タイヘンだったわね、カイル。それに、みなさんも」
「いや、俺たちはどーってことないです。それより、急に押しかけちゃってリリスさんの方がタイヘンかなって」
「ああ、いいのよ」
ロニが慌てて言えば、カイルにとっての叔母であるリリスさんはにこやかに笑った。
「ここは、見てのとおりここはなんにもない村でしょ?たまに、このくらいのハプニングがあるくらいでちょうどいいのよ」
明るくそう言った後、リリスさんはそれが耐えられなくて兄さんは出ていったんだけど、とぽつりと呟いた。
「リリスおばさん、ひとつ聞いてもいいかな。その……父さんのことなんだけど」
カイルかそう切り出せば、リリスさんは小さく笑った。
「わかってるわ。小さい頃どんなだったか知りたいんでしょ?」
カイルの父親であるスタンさんは、カイルの母親であるルーティ姉さんと同じく英雄と呼ばれる存在。
どんな幼少時代か気になるのは致し方ないだろう。
それからリリスさんが語ったのは至って普通の男の子の話だった。
寝坊助で妹であるリリスさんを困らせて、夢はお城の兵士なりたいで、本人もいつの間にか世界の危機を救ってたと言うような人。
英雄になりたいと小さな頃から言っていたカイルからは信じられない話だったようで、そんなカイルに村の人達に話を聞いてらっしゃいとリリスさんはカイルたちを家の外へと促した。
『ふふっ、』
「あら、どうしたの?」
キッチンに立つリリスさんの隣りで小さく笑えば、彼女は不思議そうな顔をした。
カイル達は家の外へと出たが私はリアラの事も心配だし、リリスさんが夕飯の準備のお手伝いを申し出てここに残った。
『いえ、先程のスタンさんがなかなか起きないって話、カイルにそっくりだなぁって』
「ふふ、それはカイルが兄さんに似たのね」
『ああ!そうですね』
そりゃあそうだ。息子なのだからカイルが似たのだ。
『デュナミス孤児院ではルーティ姉さんが秘技!死者の目覚め!ってフライパンとおたまでカイルを起こしてたんですよ。あれ、リリスさん発祥だったんですね』
「ええ。兄さんがなかなか起きないからってルーティさんに伝授したの。プリムラさんもこの先カイルと旅を続けるんなら習得しておいたほうがいいわよ〜」
『確かに……』
教えましょうか?と言うようにリリスさんがフライパンとおたまを手に取る。
『あ、いや、今は……リアラが起きちゃったらいけませんし』
あれだけの事をしたのだ。出来ればゆっくりと回復させてあげたい。
「ああ!そうね。また今度にしましょう」
そう言ってリリスさんはおたまとフライパンをしまうのだった。
それから戻ってきたカイルたちとリリスさんお手製のマーボーカレーを夕飯に頂いて、リアラもまだ目を覚まさないことから一晩お家へ泊まらせてもらうことになった。
男の子達はリビングのソファや床で寝ることになったが、私はリアラが寝ているリリスさんの娘さんのベッドの横、用意して持った毛布を敷いて寝る。
1度横になって見たものの、今日あった事を思い出して中々眠りにつけず体を起こす。
『凄い力だったな』
ベッドで静かに眠るリアラの頭に手を伸ばす。
『助けてくれてありがとう』
彼女のおかげで船に乗っていた人たちが全員助かった。私の大事な家族達も無事だった。
そもそもカイルが旅に出てるなんて驚きだった。
しかも、ロニと一緒に。というか、ロニってアタモニ神団に就職したって聞いてたけど、なんでカイルと旅を……?
とんでもない事が起きすぎて聞き忘れたな……。
聞き忘れたというか聞くタイミングがない、と言えば彼の事もだ。
ジューダス、彼とは船からリーネの村に来るまでの間で互いに軽く自己紹介をしたものの気になる点がある。
『あの仮面の下………』
モンスターの骨の隙間から見える顔、そして独特な二刀の剣技………。
あの姿はまるで、
私を助けてくれたあの人に
似ている。
でも、そんな訳ない。だってあの人は18年前に……。
4/4ページ