外殻大地編
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『……、』
進めていた足をピタリと止める。
「リュリ、どうし……おお!!」
ガイが大きな声を上げる。その声には驚きと喜びが含まれていた。
「初めて見た!戦艦タルタロスだ!」
『ああ、シェリダンで開発された陸上装甲艦、ですか』
「そうそう!」
なるほど。それで、か。
急に大きな山が現れたのかと思った。
目の見えない私は、
『確か、660名乗れるんでしたっけ』
「ああ!圧巻の乗員数だよな!それだけの人数が乗っても動くのは、
『そうですね。
「ああ、そうだよな!」
楽しそうに頷いて、過ぎ去っていくタルタロスを見ながら、ガイは、すげー!と叫んでいる。
なんというか、ガイのテンションがずいぶんと高い。
いつもは割と落ち着いて……いや、女の子が近くにいるとそうでも無いか。
でも、やはりいつもと比べるとなんというか少し、子供っぽい気がする。
『もしかして、ガイはこういう譜業とか結構お好きですか?』
「ああ!」
いい声で返事する、ガイに思わず、クスッと笑ってしまう。ずいぶんと可愛らしい面もあるものだ。
「えっ?」
『すみません。私の兄みたいだと思って』
「兄?…ああ!領事館でお兄さんがいるって言ってたね」
『はい。私の兄も譜業が大好きなんです。私もその影響で譜業弄り好きですし、タルタロスを見てテンションが上がる気持ちは分かります』
そう言えば、ガイは恥ずかしそうに、はは、と笑った。
「リュリが女の子にしては譜業に詳しかったのもそういう事か」
はい、と頷く。
「って、事はもしかして、君が使ってる武器も…」
『ああ、譜業銃ですよ。自分で組み立てて整備も自分でしてますね』
「やっぱり!」
『触ってみますか?』
「えっ、いいのかい!?」
ええ、と頷いてスカートの下から、武器を取り出してガイに手渡す。
「お、おお……!結構重いな!」
『実弾が入ったままですから気をつけて下さいね。…とは言っても
「ああ、気をつけるよ。
『はい。ショットガンの方が球が飛散するので威力は低いですが、辺り幅が大きいので目の見えない私にはこっちの方があってますね』
「はー、なるほどね。そうなると中の構造も違うよな」
そうですね、と頷きながら、ビリリと感じた不穏な空気に空を見上げる。
「どうした?」
『……、何か、感じます』
1メートルから2メートルの間の大きさのものがいくつも集まってる……?
「空に、何か……?あれは魔物か…?」
ガイが目を凝らしていると、だんだん空に群衆が現れる。
「グリフィン?」
『グリフィンとは習性が違いませんか?』
グリフィンは単独行動をとる魔物の筈だ。
感知できるだけでも相当な数が上空にいるのが分かる。
「いや、でもどう見てもあれはグリフィンだぞ?」
『だとすると、直ぐにここから離れた方がいいですね。異常行動する魔物は危険です』
「ああ、そうだ、な?」
『どうしまし、た??』
疑問符を浮かべたガイに、聞き返しながらその意味が分かった。
大群のグリフィン達はそれぞれその脚で何かを掴んでいる。
「…あれは、ライガか!?どうなってるんだ!?」
『何匹かの中に人を掴んでるものもいますよね……』
何が起きてるんだ、と呆然とする2人無視してグリフィンの群れは過ぎ去っていく。
魔物が殺しもせず人間を連れ去っていく事なんてあるのか…?
まるで、誰かが魔物に指示を出してるような……あっ。
私の知り合いに1人いるじゃないか、魔物と心を通わす女の子が。
『あの子が、関わってないといいですけれど……』
「ルークか!」
ハッとしたようにガイがそう言うが、すみません、あの子とはルーク様の事じゃないです。
『ルーク様は一応剣を扱えますし、流石に、魔物に攫われるなんて事は……ない、とは言いきれませんね』
「ああ…、可能性は低いがあの魔物に捕まってるかもしれない」
まさかね、と2人は顔を見合わせて、飛んで行ったグリフィンの後を追った。
追いかけて、様子を見よう
いや、まさかマルクト軍の方に捕まってる…なんて事はない、ですよね?
