2024年
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どうしてこんな所に閉じ込められたのか、全くの記憶がない。
壁も天井も床も真白く、何も無い部屋。いや、壁に扉が1つだけある。ただ、ドアノブや引き戸の取っ手の様なものがない。
帝国学園のロッカールームの自動ドアの様なものか、と前に立って見るが開かない。
「どいてろ、俺が蹴破る」
そう言ったのは一緒にこの部屋に閉じ込められた染岡。
『いや、たぶんやめといた方がいいよ。どうせここセ部屋だし、足痛めるだけ』
「お前、ここが何処か知ってんのか!セ部屋ってなんだよ」
知ってたんなら早く言えよ、と言うように期待した目で染岡はこちらを見た。
『ん、ああ。セックスしないと出られない部屋』
真顔でそう答えれば、染岡はハアアア!?と割れるような大きな声を上げ私から距離を取るように後ろに下がった。
「おまっ、せっ、!?」
染岡は真っ赤な顔をして口をパクパクとさせている。
『まあ、そうは言ったけど、ここセ部屋ではないよ。ベッドないし』
何より、いくら超次元世界だからって中学生相手にセックスしろ!なんて部屋はねぇよ。……たぶん。
「べッ……!?」
ショート寸前で、言葉の喋れなくなってしまった染岡を置いて、だいたいこういうのは……と扉の上を見る。
『ほら、あそこに書いてあるでしょ。キスしないと出られない部屋だって』
わかった?と染岡を見れば、まだ赤い顔をしていた。
「き、キ、キスって!」
『セックスより難易度低いよ。よかったじゃん』
「よくねえよ!ってか、セックスセックス言うんじゃねーよ!」
真っ赤な顔して怒ってくるが、ちっとも怖くないな。
「……壊す!」
さっき私がやめとけと言ったのをもう忘れたのか、染岡はそう言って扉の方へ向きなり足を振り上げた。
ドラゴンクラッシュの要領で、溜めて振り下ろしたキックが扉に当たるがビクともしない。
むしろ、
「いってぇ!!」
『だから言ったじゃん』
足を抱え込みしゃがむ染岡の傍に近寄って行く。
『サッカー選手に取って足は命なんだから、大事にしなさいよ』
まったく、としゃがんで染岡の顔を覗き込めば、凄い勢いで染岡は座ったまま後ろに後ずさった。
「ちけぇよ!馬鹿!」
『いや、だって近ずかんとキスできんし』
「なっ!?」
真っ赤な顔は依然のまま、染岡は今度は目をかっぴらいて驚いた顔をしている。
「お前、分かってんのか!?き、キスだぞ!?」
『分かってるよ?』
慌てる染岡おもろ、と1歩近づけば彼も後ろに下がるが、元々扉のすぐ側に居たから彼の背中は直ぐに扉へとぶつかった。
逃がさないよ、と両手を扉について、染岡の左右の逃げ道を潰す。
「ま、まて、まて!俺だぞ、相手!?」
『そりゃ、ここ私らしか居ないからね』
「こ、こういうのは好きな奴とやるもんだろ!?」
『そうだね。染岡は……、私の事、嫌い?』
真っ直ぐ目を見てそう聞けば、染岡は思いっきり顔を逸らした。
「べ、別に、嫌いじゃねーけど。むしろその……、」
『隙あり』
敵から視線を逸らすなど言語道断よ。と、隙を見せた染岡の頬に口を付ける。
「は、」
唇を頬から離すと同時に、驚いた顔の染岡がこちらを向き、ガチャと何かが開く音がした。
『おっ、開いたね』
さあ、出ようか、と立ち上がる。
「え……?」
なにやら驚いている様子の染岡に、ふふーん?と腰だけ曲げて顔を覗き見る。
キスしないと出られない部屋
『唇と唇がよかった?』
意地悪くそう聞けば、真っ赤な顔した染岡にうるせえ!と脛を蹴られるのであった。
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