2022年
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(染岡視点)
夜間の個人特訓を終えて宿舎へ戻る。
いつも通り水を飲みに行くふりをして、仕事をしているだろう水津がいる食堂へ向かった。
「水津ー、水貰いに来た」
いつも通り明かりのついていた食堂に踏み込めば、テーブル席に座った水津の姿があった。
いつもだったら、ここで『おかえり』だの『練習おつかれ』だのあるところなんだが……、今日はそれがなかった。
「水津?」
不思議に思って近寄れば、水津はこっくりこっくりと船を漕いでいた。
めずらしいが……。
「まあ、今日の練習ハードだったからな」
トレーナーの仕事にマネージャーの仕事、それに俺らの練習にも付き合ってるわけで。
そのうえ、夜に特訓しに出てる奴らが帰ってくるまで、こうやって食堂で仕事しながら待っているから寝るのも必然的に遅くなるのに、朝は早くから起きて朝飯の準備とかしてんだもんなあ。
疲れない方がおかしい。
「……って、おい、こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」
声をかけてみるが、反応はない。
「おい、水津」
今度は肩を揺さぶってみる。
『……ん』
くぐもった妙に色っぽい声に慌てて、バッと肩に置いていた手を離す。
『んー……』
水津の目が薄く開いては閉じ、もう一度開いた。
「こんなとこで寝たら風邪ひくぞ」
ぼんやりとした様子の水津にもう1度そう声をかける。
『……、そめ、おか』
「お、おう」
ぼんやりとしたまま呂律の回ってないない水津はたどたどしく俺の名を呼んだ。
『…………』
「どうした?」
『……いす』
「椅子?」
『……いっこ、となりもってきて』
そう言って水津は寝ぼけたようすで、自分の席の左隣の椅子を引きずって持ってきて座っていた椅子にぴっちりと付けた。
「椅子くっつけてどうすんだよ」
『ん、おいて』
早くと言わんばかりにそう言われ仕方なく椅子を1つ運んで水津の席の横に置いた。
『ふあ……。すわって…………』
小さく欠伸をした水津はトントンと右の椅子を叩いた。
「お、おー」
よく分からないが言われるがままに隣に腰を下ろせば、水津は左側の席に移動した。
なんなんだよ、と思っていれば、水津がそのまま横に倒れて、俺の膝の上に頭を置いた。
「は…………?」
『仮眠するから、10分たったら起こして』
何が起きたか分からない俺を他所に、水津はそう言ったかと思うと、すぐにすぅすぅと寝息を立て始めた。
「え、おい!?」
普通逆じゃねぇか!?
なんで俺が膝まくらしてんだよ。
しかも10分!?誰か来たらどうすんだ!?
軽くパニックを起こす俺を置いて水津はすやすやと眠っている。
「こんなんどうしろっつーんだよ」
身動きも取れず、やり場のない手が宙をウロウロとする。
『ん』
少し身動ぎをした水津の髪がひと房彼女の顔に落ちた。
「…………っ、」
邪魔そうだからな。そう自分に言い聞かせて、少し震える指先を伸ばして、髪を耳にかけ直してやる。
「サラサラだな……」
触れた髪の柔らかさにドキドキとする。
こっちは心臓がうるさいくらい早いのに、水津はこのくらいじゃ起きる気はないらしい。
そのまま出来心で、手を頭に乗せる。
ぎこちなく動かして、撫でてみる。
「……まあ、疲れてんだもんな…………」
今日くらいは
誰かに見られてからかわれても我慢してやるか。
夜間の個人特訓を終えて宿舎へ戻る。
いつも通り水を飲みに行くふりをして、仕事をしているだろう水津がいる食堂へ向かった。
「水津ー、水貰いに来た」
いつも通り明かりのついていた食堂に踏み込めば、テーブル席に座った水津の姿があった。
いつもだったら、ここで『おかえり』だの『練習おつかれ』だのあるところなんだが……、今日はそれがなかった。
「水津?」
不思議に思って近寄れば、水津はこっくりこっくりと船を漕いでいた。
めずらしいが……。
「まあ、今日の練習ハードだったからな」
トレーナーの仕事にマネージャーの仕事、それに俺らの練習にも付き合ってるわけで。
そのうえ、夜に特訓しに出てる奴らが帰ってくるまで、こうやって食堂で仕事しながら待っているから寝るのも必然的に遅くなるのに、朝は早くから起きて朝飯の準備とかしてんだもんなあ。
疲れない方がおかしい。
「……って、おい、こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」
声をかけてみるが、反応はない。
「おい、水津」
今度は肩を揺さぶってみる。
『……ん』
くぐもった妙に色っぽい声に慌てて、バッと肩に置いていた手を離す。
『んー……』
水津の目が薄く開いては閉じ、もう一度開いた。
「こんなとこで寝たら風邪ひくぞ」
ぼんやりとした様子の水津にもう1度そう声をかける。
『……、そめ、おか』
「お、おう」
ぼんやりとしたまま呂律の回ってないない水津はたどたどしく俺の名を呼んだ。
『…………』
「どうした?」
『……いす』
「椅子?」
『……いっこ、となりもってきて』
そう言って水津は寝ぼけたようすで、自分の席の左隣の椅子を引きずって持ってきて座っていた椅子にぴっちりと付けた。
「椅子くっつけてどうすんだよ」
『ん、おいて』
早くと言わんばかりにそう言われ仕方なく椅子を1つ運んで水津の席の横に置いた。
『ふあ……。すわって…………』
小さく欠伸をした水津はトントンと右の椅子を叩いた。
「お、おー」
よく分からないが言われるがままに隣に腰を下ろせば、水津は左側の席に移動した。
なんなんだよ、と思っていれば、水津がそのまま横に倒れて、俺の膝の上に頭を置いた。
「は…………?」
『仮眠するから、10分たったら起こして』
何が起きたか分からない俺を他所に、水津はそう言ったかと思うと、すぐにすぅすぅと寝息を立て始めた。
「え、おい!?」
普通逆じゃねぇか!?
なんで俺が膝まくらしてんだよ。
しかも10分!?誰か来たらどうすんだ!?
軽くパニックを起こす俺を置いて水津はすやすやと眠っている。
「こんなんどうしろっつーんだよ」
身動きも取れず、やり場のない手が宙をウロウロとする。
『ん』
少し身動ぎをした水津の髪がひと房彼女の顔に落ちた。
「…………っ、」
邪魔そうだからな。そう自分に言い聞かせて、少し震える指先を伸ばして、髪を耳にかけ直してやる。
「サラサラだな……」
触れた髪の柔らかさにドキドキとする。
こっちは心臓がうるさいくらい早いのに、水津はこのくらいじゃ起きる気はないらしい。
そのまま出来心で、手を頭に乗せる。
ぎこちなく動かして、撫でてみる。
「……まあ、疲れてんだもんな…………」
今日くらいは
誰かに見られてからかわれても我慢してやるか。