2021年
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商店街の先の本屋に今日発売の雑誌を買いに行くだけだったんだけど……。
10月31日はハロウィン。
稲妻商店街もその異文化に乗っかり集客の為にイベントをしていた。
仮装して商店街内を歩くと子供は商店街の店からお菓子を貰えるというハロウィンイベント。
大盛況のようで仮装した人達で溢れている。
逆に知らず普段着のまま来た自分が浮いてるようにも思える。
さっさと抜けて目的の本屋へ行こう。
そう思い歩く速度を早めた所で、向かい側から仮装をした2人組が楽しそうにあるいてくる。
あれ確か最近人気のアニメの主人公とヒロインじゃん。
アニメキャラのコスプレの人もいるんだなぁ。
なんて、じっと見すぎたのか、主人公のコスプレをした方が、こちらを見て驚いたような顔をした。
『半田くんじゃん!』
よっ!と手を上げる、その主人公に思わず足を止める。
「え?」
なんで俺の事知ってんの!?誰…!?声的に女子だけど。
そう思っていれば、ヒロインのコスプレした方が主人公に、誰?と聞いていて、主人公は同じクラスの奴!と応えている。
『半田くんもこういうイベントくるんだね』
近づいてきたその主人公の顔をじっと見る。
メイクしてるし誰か分かんねぇ。けど、すっげぇなコスプレって。思ってたより似てるわ。
「え、あ、いや、俺はこの先の本屋に用があるだけで……」
『あっ、そうなんだ〜』
「えっと……」
まじで分かんねぇ誰だ?
困っていれば、ヒロインの子が主人公の肩をつんつんと叩いた。
「コスプレしてるから誰かわかんないんじゃない?」
『……あっ。そうか!ごめんね半田くん!私、水津!』
「えっ、水津!?」
驚いた。水津なのか!わかんないもんだなぁ…。
「すっげぇ、よく出来てんな!」
『えへへ、ありがとう』
嬉しそうにニコッと笑った水津は、そうだ!と手を叩いた。
『半田くん、トリックオアトリート!』
「えー!?菓子なんか持ってねぇよ!!」
本買いに出ただけで、財布しか持って来てない。
『だろうね。半田くん、ちょっと屈んで』
うわ、イタズラって事だろ……。何する気だ?
水津の事だから酷いことはしないだろうけど…。言われた通り大人しく屈む。
カバンを漁りながら至近距離に来る水津に少しばかりドキドキとする。そんなことは知らず、水津は屈んだオレの頭に何かを乗せた。
『はい、いいよ』
「なに…?」
立ち上がりながら、頭の上を触るとふわふわとした感触。
『ふふ、狼男の耳、似合ってるよ!それあげるから半田くんもハロウィン楽しんで!』
それじゃ!と笑った水津は友達と共にそのまま去っていった。
「…ハロウィンも悪くないな」
なんて思うのは、あまりにも単純過ぎかな。
可愛いイタズラ
先程より少し浮かれながら商店街を歩けば、たまたま遭遇したマックスに、仮装も中途半田じゃんと笑われた。うるせー!