2021年
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じっとこちらを見つめるなえちゃんと野坂に、うーんと頭を悩ませる。
『野坂の言うようにリアリティは大事だよね』
今日は仕事しに来てるんだし、より商品が売れるようにするのは大事だ。
「そうですよ」
「えぇー」
なぜだか、なえちゃんはガックシと肩を下ろした。
「まあ、しゃあないわ。ほんならガンガン商品売れるよう、バッチしなCMにしてもらわんと」
ほな、行こうかとなえちゃんが先陣切ってディレクターさんに交渉しにいった。
その後を着いていけば、野坂も着いてくる。
「野坂さんに、水津さんもどうされたんですか?」
撮影が一時中断し、きょとん、とした様子で西蔭が訪ねる。
「いや、君も苦戦してる見たいだったからね。君の事だから、画面の向こうの相手に、ってのがよくわからないんじゃないかと思って」
「…流石です野坂さん」
って事は、わかんないって事か。
「目の前に相手がいた方がやりやすいなら、梅雨さんに相手役をしてもらったらどうだろうかと思うんだけど」
「はい。そうして貰えれば俺は助かりますが……」
チラリ、と西蔭は伺うようにこちらを見た。
『いいよ』
可愛い後輩の頼みならね。
「西蔭くん表情硬いし、言葉にも感情がないからどうしようかと思ってた所だから助かるよ」
というわけで、カメラマンさんの横に立つことになった。
さすがに一緒に映るのはね…。私はドレスコードじゃなくて王帝月ノ宮の制服だし。
「それじゃ、いきますよ。3、2…」
キューフリが始まり、思わず息を飲んで黙る。
「…貴女と居ると、心が弾みます。このしろうさぎまんじゅうのように」
そう言って西蔭は指先でムニムニとしろうさぎまんじゅうを潰す。
キーパーの西蔭の手をメインに映すとは分かってんねぇ!CMの構成作家さん。
「ハイカット!」
「いいね。さっきより断然表情が良くなったよ」
OKもらって、西蔭が近づいて来た。
「どうでしたか?」
『よかったよ。タキシードも様になってるし』
「…ありがとうございます」
少し照れたように、西蔭は会釈した。
「水津さんのおかげで、何となく、心が弾むも分かりましたし」
『ん?』
「貴女と居ると飽きませんからね」
『んん…???』
誰だコイツ無自覚って言ったの!??
「それじゃあ、戻りましょう」
『本当にお前、無自覚か!?』
「はい?」
こてん、と西蔭は首を傾げた。
あ、無自覚だわコレ。
タチが悪い
その顔と声で言われたら、落ちない女いないだろ。