2021年
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じっと、こちらを見つめるなえちゃんと野坂。その後ろで顔を赤らめている染岡と目があった。
『じゃあ……、染岡の練習に付き合おうかな。いきなり本番の撮影中に入るのはちょっと、ね』
そう言えば、あまり表情は変わらないが心做しか野坂がしゅんとしたような気がした。
「そうですか…」
「やった!ほんなら決まりやね!向こうで練習してきたらええよ」
そう言って、なえちゃんは私と染岡の背中をグイグイと押して、スタジオの廊下へと私たちを追いやった。
「気張れよ染岡さん」
「頑張ってね染岡くん」
吹雪兄弟がそう言って入口の扉を閉め、2人っきりになった。
てか、だから本人前にして言うなって。
『えっと、とりあえず、練習やる?』
「え、あっ、そ、そうだな……」
頷いてから染岡は顔を赤く染めたまま、黙っている。
『…???』
「……あー、……クソっ、白兎屋の奴、余計な気回しやがって……」
ボソボソと呟いた染岡は、ンンッと喉を鳴らした。
「……、す、す……だあああ!言えるかこんなの!!」
『1文字しか言えてないじゃん』
「ぐっ…、いや一言目が、そのだな、」
キョロキョロと染岡は忙しなく視線を動かす。
『好きだ。…でしょ?』
「ッ!…お、おお…おう」
確か、染岡のセリフは、他の子達より短めにして合ったはず。それでリテイク食らってるって事は、純粋に恥ずかしがってセリフ言えなかったんだろうなぁ。後は動きか。
『動きはどうしたの?』
「え、こう普通に」
ほい、と授業プリントを後ろの席の人に渡すかのような感じでしろうさぎまんじゅうの箱を持つ染岡に、ため息を吐く。
『いや、CMは商品がメインなんだからもっと映えるようにしないとダメだよ』
「…あー、それもカメラマンに言われた」
『でしょうね。その箱貸して』
はい、と手を差し伸べれば、染岡はその上に箱を置いた。
手に取ったそれを、しろうさぎまんじゅうのロゴが上になるように持つ。
『好きだ…。受け取ってくれ』
できるだけキメ顔とイケボを作ってそう言ってみる。
『どうよ、これ。…って染岡?』
染岡を見れば先程より更に真っ赤な顔して固まっている。
もしかして私、ヘブンズタイム覚えたか??
「…、いや、お前ッ……」
こうかはばつぐんだ!
梅雨さんをドキドキさせよう作戦やったのになんで染岡さんがドキドキしとるんよー!!とキレたなえちゃんが乱入してきた。